第一回蒼星石の純愛ロード
世界設定・・・前回から数年後の世界 現在、蒼星石はジュンと暮らしている
(翠星石がなんでいないのかはおいおい話が出てくる予定です)
ジュンは、衣類・被服関係の仕事に就いています。ジュン主観パートと蒼星
石主観パートがあります よろしくお願いします

とんとんとん
リズミカルな包丁の音が聞こえ、魚の焼ける香ばしい香が香る、どうやら
朝が来たようだ、朝のまどろみの中僕は、布団から出る、朝の日差しが
まぶしい、すっきりしない頭のまま僕は、キッチンへ向かう
「あ、おはようマスター!」
蒼星石、僕の良きパートナーである、僕がこうして自立できたのも今を
思えば蒼星石のおかげだ、昔と違い、今は我が家の家事と戦っている
やっと最近になって、エプロン姿がなじんできたところだ
「おはよう、蒼星石」
「マスター、もうちょと待っててね、すぐごはんできるから」
「わかった」
とりあえず、着替える事にしよう、僕は居間に向かい、パジャマを脱いだ
寒い・・・やはり、冬は冷え込む・・さっさと着替える事にしよう、
そして僕は、いつものように、スーツに腕を通した
「マスター、ごはんできたよ〜」
どうやら朝食が出来上がったらしい
キッチンに向かう、今日は、和食のようだ
「それじゃあ、食べるとするか、いただきます」
「いただきます」
やはり、朝食は和食に限る、蒼星石の奴はお姉ちゃんに、料理を教わった
らしいが、料理があまりできなかった蒼星石がここまで上達するとは思いもし
なかった、味の方もなかなかの物だ
もぐ、もぐ
「うん、うまい」
「ははっ、ありがとうマスター」
「ふぅ、ごちそうさま」
「おそまつさまでした」
「さて、もういかなくちゃ」
「マスター、今日は何時ごろ帰ってくるの?」
「いつもどうりの七時ごろだ」
職場に行っても人付き合いのない僕はまっすぐに帰宅する
「わかったよマスター、いってらっしゃい」
「いってきます」
がちゃ

マスターがお仕事に出かけたようだ、さてボクも、後片付けしないといけないな
「あっ、マスターったら・・・」
マスターはまた、パジャマを脱ぎっぱなしにしている
「しょうがないな・・・もぅ」
しょうがないと思いつつも僕はパジャマをたたむ
「お皿洗わないと」
流しに背の届かないボクは、いつも踏み台を使っている
「よいしょ!」
流しの下に踏み台を置き、スポンジに洗剤をつける
ごしごし、キュッ、キュッ、カチャ
「ふぅ、お皿洗い終わりっと、次は掃除機かけないと・・・」
そして、いつものように、一通り家事を終わらせた
シュル・・・
エプロンを脱ぐ、このエプロンはマスターがボクに作ってくれた物だ
ボクが家事をしやすいようにと、このエプロンはボクの宝物だ、このあとは
夕方まで自由時間になる、この時間はボクは本を読む事にしてる、マスター
がボクに買ってきてくれたのだ、最近は小説を読んだり絵本を読む、あと
絵も描き始めた、まだまだ上手くならないが、マスターは上手くなってきてると
言ってくれる、そうこうしてるうちに、夕方になった、そろそろ晩ごはんの準備
をしなくてはならない
「今日は、何がいいかな?」
冷蔵庫の中身を確認する
「今日は、シチューしよう」
「よいしょっ」
料理を作り始める、けっこう料理は骨の折れる作業だ、今でものりがあんなに
てきぱきと作れてしまうのが不思議だ
「よし、あとは煮込むだけだ、あ、お風呂沸かさないと」



がちゃ
「ただいま」
「おかえり、マスター、今日は、シチューだよ」
「うん、外は寒かったからな、あたたかいものが食べたかったんだ、えらいぞ、
蒼星石」
なでなで
「えへへ、ありがとうマスター」
たまに、マスターはこうしてボクの頭を撫でてくれる、マスターに撫でてもらうと
とても気持ちがいい
「マスター、ごはん食べよう」
「うん」




「でさ、そいつが・・・」
「あはは、そうなんだ」
マスターはいつもボクに面白い話をしてくれる、ボクと話をしているマスターは
とても楽しそうだ、ボクもマスターの話を聞くと自然と笑みがこぼれる
「あ、マスターお風呂沸いてるよ」
「ん?そうか、じゃあ、風呂に入るとするか」
「背中流してあげるよ、マスター」
「ん!?そ、そうか、じゃあ、お願いするとするか、たのむぞ、蒼星石」
「任せてよ、マスター」



「マスター、入るよ?」
「ああ」
がらがら
マスターはボクの方を見るとすぐ前を向いてしまった
「じゃ、じゃあ頼むよ」
「うん!」
ボクは、マスターの背中を見た、マスターの背中には大きな傷が残っていた
「この傷・・・、あの時、ボクをかばってマスターが・・・」
「これか?あの時は、無我夢中だったからな、気付いたらこうなってた」
「マスター、ボク、本当にうれしかったよ、マスターが命がけでボクを
守ってくれて・・・でも、もうこんなことしたらだめだよ、ボク、マスター
がいなくなったら・・・ボク」
「分かってるよ、蒼星石、さあ背中、流してくれるんだろ」
「うん!」



「ふう、さっぱりした」
「ははは、マスターはい、お茶」
「ありがとう」
ボクは、時計を見た時計の針はもうじき九時をさそうとしている
「あ、ボクそろそろ寝るね」
「そうか、おやすみ、蒼星石」
「おやすみマスター」
ボクは、居間に置いてある鞄に入る
(おやすみ、マスター)

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第二回蒼星石の純愛ロード
ちゅん、ちゅん
がちゃ
「ふぁぁ〜・・・」
朝が来た、ボクの一日は朝ごはんを作る事から始まる、
「さてと・・・、今日は洋食にしようかな、あっ、そうだ、お弁当作らなきゃ」
そう、ボクは今日からマスターに、お弁当を作ってあげる事にした、仕事とかに行く男の子
は、女の子にお弁当を作ってもらうが嬉しいらしい
ボクは、いつものように、食材を、冷蔵庫からだし、踏み台をセットし調理
器具をスタンバイする
こんこん
ぱかっ
じゅーーーー
「うん、上手くいった」
最初のうちは、卵が上手く割れなかったが、のりが教えてくれたおかげで
上手く割れるようになった
「おはよう」
マスターが起きたようだ
「おはようマスター、もうちょっとまっててね」
「うん」
マスターは、あまり朝が得意ではないようだ
じゅーー
ぽん
「よし、できた」



「ごちそうさまでした」
「おそまつさま」
「マスター、今日は、何時に帰ってくるの?」
「いつもどうりだよ」
「わかったよ、マスター」
「それじゃあ、いってくるよ」
「待って!マスター」
「ん?なんだ?」
「はい、お弁当」
「これは・・・」
マスターはとても驚いていた、もしかしたら、嫌だったのかもしれない・・・
ボクは、不安になった
「マスター、嫌・・・だった?」
「そんなことない!、とても嬉しいよ・・ありがとう蒼星石」
なでなで
マスターは微笑みながらボクの頭を撫でてくれた
「明日も、作っていい?マスター?」
「明日と言わず、これからもずっと作って欲しい」
「うん!」
「じゃあ、いってきます」
「行ってらっしゃいマスター」
がちゃ

がやがや
昼休みになった、今朝蒼星石が作ってくれた弁当を食べるとしよう
がさがさ
「さてどんなものか・・・」
ぱか
「おお!」
タコウインナー、玉子焼き、からあげ、野菜炒め、海苔ごはん、
決して、豪華とはいえない定番な物だが、蒼星石の作る姿が目に浮かぶ
「いただきます」
ぱくぱく
「うん、うまい」
「あら、桜田君、愛妻弁当?でも桜田君って結婚してたの?」
「愛妻って・・」
「置いてくわよ〜」
「あ、待ってよ〜」
いったい、なんだったんだ?
「愛妻弁当か・・・」
蒼星石が僕の妻・・・まぁ状況的にはさほど変わりないが
まぁ、悪くはないかもしれない
「ごちそうさま」

「・・・あっ、もうこんな時間だ、晩ご飯つくらなきゃ・・・」



そろそろマスターが帰ってくる頃だ



チッチッチ
「マスター、遅いな」
時計は七時半を回っていた、もうすぐ帰ってくるはずだ
「買い物してるのかな、マスター・・・」



もう九時だ、本来なら眠りに着かなくてはならない
「マスター、早く帰ってきてよ・・・ごはん、冷めちゃったよ・・・」
そのとき、ボクはよからぬ不安に刈られた
「もしかして、マスターに何かあったんじゃ・・・」



10時になったマスターは帰ってこない
「ぐすっ、ひっく、マ゛ッ、スター、早く帰ってきてよぅ、うう、ぐすっ」
その時だった
ばたばたばた
ガチャ!
「蒼星石!!」
「う゛っ、え゛!?マ゛、ズダー?」
「ごめん、ごめんな、ちょっと、トラブルがあって・・・」
「うわぁぁぁぁん!!」
「そ、蒼星石・・・」
「ボグ、ほんどに、ひっく、じんばいしだんだから、マズダーに
なにか、ぐすっ、あったんじゃないかって」
「そうだったのか・・・」
「ほんどに、心配したんだがら・・・」
ギュッ
「あっ・・・」
マスターはいきなりボクを抱きしめた
「ごめんな、蒼星石・・・」
「マスター・・・」
マスター体はとても大きく暖かかった・・・

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第三回蒼星石の純愛ロード
今日は、日曜日、マスターも、お仕事がお休みだ、今日はマスターといっぱい
一緒にいられる、これといってやる事もないけど、マスターと一緒にいられる
ボクはただそれだけでもしあわせだ
「マスター、お茶だよ」
「ん、ありがとう」
窓際で本を読んでるマスターにお茶を渡した
「マスター、お菓子たべる?」
「そういえば、この間貰った、饅頭があったろ、あれ持ってきてくれないか?」
「分かったよ、マスター」
僕は戸棚を開けお茶菓子を探した
「えっと・・・確かこの辺に・・・あった!」
がさがさ
「マスター、お菓子もって来たよ」
「ありがとう、蒼星石、ほら、ここに来い」
マスターが自分の膝を指差す
「うん・・・」
ボクは、マスターの膝の上に座った、日差しも暖かいが、それよりも
マスターの体温が伝わってきてそれがとても心地いい
ずずずっ・・・
お茶をすする、真紅や翠星石は紅茶が、好きだけどボクは、緑茶が好きだ
でも、こうしてマスターといっしょに飲むお茶は、なによりもおいしく感じる
「ほら、蒼星石、あーん」
マスターが、おまんじゅうを一口サイズにちぎってくれた
「あー・・・ぱくっ」
もぐもぐ
「あはは、おいしいよマスター、ボクも・・・はい、マスターあーん」
「あーん、・・・うん、うまい」
「あははははっ」
「ははははは」
こんな、なんでもないことだけど、これがボクにとって、とてもしあわせなことだ
「ふぁぁぁ〜」
「マスター、眠いの?」
「う〜ん、こう、暖かいと眠くなっちゃうものなんだよ」
「そうなんだ・・・そうだ!膝枕してあげる!」
「え?いいのか?」
「うん、どうぞ、マスター」
「じゃあ、お言葉に甘えて・・・」
ボクの、目の前にマスターの顔がある、なんだかちょっぴり、どきどきする
「どう、マスター?ボクの膝じゃ小さくてだめかな?」
「そんなことないよ、最高だ、蒼星石・・・あの歌を歌ってくれないか?」
あの歌というのは、以前、ボクが、テレビで、やっていた、童謡をまねして
唄っていたらマスターがとても、ほめてくれた歌だ
「じゃあいくよ、・・・・〜♪〜〜〜♪」
「〜〜〜♪・・・・♪あっ、マスター寝ちゃった・・・あはは、しょうがないな・・・」
マスターはとても気持ちよさそうに寝ている、こうして、マスターの寝顔を
みているのも悪くないな・・・

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