「びゃああああぁぁぁッッッ!!!」
泣き声を通り越した、まさに絶叫と言える大音量がダイニングから飛んで来た。
「雛のーぅ!!雛のハンバーグぅぅぅぅぁぁ!!ぅゅあああああッッ!!!!!」
「な、なんだなんだ・・!!?」
ボクはテレビを見るのをやめ、食卓の方を振り向いた。
と、その瞬間に雛苺がソファーの上のボクの首元に飛びついて来た。
「ぅあああああぁぁぅっっ!ジューーーンぅぅ!!!」
「どうしたんだよ、雛苺?」
ボクは、既に涙と鼻水でぐっちゃぐちゃになっている雛苺の顔を覗き込んだ。
「は、はんば、はん、ば、が、はんばぁ・・が・・!」
嗚咽が酷くてまともに舌が回っていない。
雛苺の泣き声はいつもの事だけど、どうやら相当のショックを受けたみたいだ。
「でも、どーしたんだよ、一体・・」
取りあえず、嗚咽が止むまで雛苺の頭を撫でてやるか。それくらいなら別に・・。
「あ・・あーぁ、み、見てらんないですぅ〜」
「ああ?」
顔を上げると、食卓の椅子の上から翠星石がこちらを見下ろしていた。
「翠星石・・やっぱりまたお前か・・・・」
いつもの事ながら、隙を見せるとすぐにこれだ。ボクは大きく溜息をついて見せた。
「そ、それがどうかしたですか!・・チ、チビの説得力皆無なお説教なんて、死んでも御免だ、ですぅ!!」
そう言うと、鈴カステラをポンポコとボクに向かって投げて来た。
こいつ、いつの間に鈴カステラをメインウェポンにしてんだよ。
「こら、こいつはまた食べ物を・・・・!
・・・お、お前なぁ・・っ!姉ちゃんと真紅が出てるからって、あんまりコイツを虐めんなよ!」

「な、な・・・だっ、て・・」
自分でも気が付かない内に、目にそんなに気迫が篭っていたのか。翠星石がたじろいだ。
いや、たじろいだというよりは----
「ジュン・・・」
いつの間にか泣き止んでいた(鼻は多少すすっているけど)雛苺が、黙ってボクに頬擦りをして来た。
・・そう。
あの日から、雛苺とボクとの信頼関係は限り無く固いモノとなっていた。
ただ・・流石に家の皆に公言出来る筈もなく。ボクなりに今まで余り表に出さないように気を遣ってはいたけど・・。
「ジュン・・好きぃ・・」雛苺が安堵の顔を浮かべる。先程の激情の面影は、既に、無い。
「・・・!!」
その瞬間、気のせいか。どこかオドオドしていた翠星石の様子が一変した。ような気がした。
「や・・・やっぱりですぅ!」
「・・何だよ!!」
ビクッと怯えた雛苺を抱き抱えるようにして、言い返す。
「さ、最近、みょーーにチビ苺とベタベタしちゃって、い、いかがわしいですぅ!こ、この、青い性欲に溺れた野獣少年が!ですぅ!!」
「!・・う、うるさいな!!一応、家族、だし・・当然だろ!」
「ほら、動揺してるですぅ!!今日だって、本当はチビとチビチビを残すように、真紅とノリが気を遣ってたんだぞ、ですぅ!!!」
「え、な・・・・!!」
これには本気で動揺してしまう。
(まさか、な・・・。・・・・真紅・・・)
「ジュン・・・」
ふと見ると、ボクの不安を読み取ったのか。シャツの襟元を、きゅっと雛苺が不安げに握り締めていた。

「す、翠星石は、お前らチビチビコンビに気を遣うつもりはこれっっっぽっちもねーよ!ですぅ!」
椅子の上に立ち、こっちに指をビッシと向ける翠星石。
「せーぜー翠星石の監視の下、チビチビコンビらしくビクビクと小動物のように怯えながらチチクリ合いやがれ!ですぅ!!」
なんだ・・?喋ってる内容はいつも通りだけど、何かいつもより妙に激しい感情が篭っている気が・・。
「お、お前な・・・」
ヒクヒクと顔を引きつらせて、翠星石の方を見やる。
まあ、いつもみたいにちょっとキツく言って・・・
「・・な・・・・・・・・泣き虫チビ苺なんか・・チビ苺のローザミスティカも、す、水銀燈に取られれば、良かったんですぅ・・・」
「・・・・・・!!・・・・・・」
・・・ボクの腕の中の雛苺がビク、と硬直したのが分かった。
そして、ボクの思考も、そこで硬直した。
「だから、よーく耳をかっぽ・・・・え?」
「・・・・ああ。確かにそんな必要は無いよ」
ボクは雛苺を抱えたまま、ゆっくりと立ち上がった。
「や、やる気ですか・・!チビ風情が--」
鈴カステラを握り締めて腕を振り上げる翠星石。
「お前みたいなふざけた奴に、いちいち気を遣われる筋合いも無いよな」
ボクは翠星石から目を逸らすと、階段の方へ向かう。
「あ、え・・・・」
翠星石の手が、振り上げた状態のままで止まる。
「正直、もうお前には愛想が尽きたよ。・・・・・蒼星石の気持ちも、何一つお前に伝わって無かったんだな」
すれ違いざまに、ボソ、と。出来る限りの冷たい声、突き放した声で言い放つ。
・・翠星石の目が見開かれる。
「あ・・え・・・・?・・あ・・・翠、星石・・・は・・・ただ・・・・あ、あの・・です・・・・」
おろ、おろ、と取り乱した口調で、心なしか僅かに潤んだ瞳をボクに向けて来た。
今のは嘘です、言葉の勢いです、そんな目で見ないでです、冷たくしないでです、一人にしないでです、・・・色んな感情がその瞳から流れてくる。
実際のところ、ボクは翠星石の態度の唐突な変化に一瞬戸惑った。事実、今の翠星石は、雛苺さえよりも弱々しく見える。
・・・が、ボクはあえて無視する。さっきの翠星石の一言は、決して口にしてはならない事。これだけは許せなかった。
(ボクはこんなに冷たく振舞えるヤツだったのか)
自分でも驚いたし、実際蒼星石を出すのは卑怯だったかもしれない。・・正直、少し心が痛む。
けどボクは、今はこれでいいと思った。
「あ、ちょ・・・・・待っ・・・て・・」
翠星石が消え入る程の掠れる声で何か呟いた気がしたけど、ボクは雛苺を抱えたまま、黙って二階に向かった。

ジュンが去った後も、翠星石は固まったままだった。
「・・・・」
ぽろ。ぽろぽろ。
翠星石の振り上げた手から、二つ、三つと鈴カステラがこぼれ落ちる。
「・・・・・・・・ぁ・・・」
バタン、と二階のドアが閉まる音が聞こえた。
「・・・あぁ・・・・・・・ぁぁ・・・・ぃや・・・ぁ・・」
膝から崩れ落ちる。
頬を幾筋もの涙が伝う。
そして、声を殺したまま、さめざめと一人泣いた。

ゆっさ・・・ゆっさ・・・・
(・・・・夢・・ですか・・?)
身体が心地よいリズムで上下に揺れる。
自分を優しく包む、温かい感触。物陰からずっと憧れていた感触。
ゆっさ・・・ゆっさ・・・・
(・・・・・天国に行く・・ですか・・・?)
その心地よい安らぎの中で、静かに意識が途切れた。

チュン・・・チュン・・チチ、チチ・・
「朝・・・ですか・・・・」
顔を照らす朝日に、思わず目を細めてしまいます。
「昨日・・・は・・」
憂鬱です・・ジュンの顔も雛苺の顔も見れないです。
『蒼星石の気持ちも、何一つお前に伝わってなかったんだな』
冷たい目。翠星石をいつも叱ってくれるジュンの目じゃ、なかった、です・・・。
「う、うぅ・・・涙、が・・・ジュ、ン・・・・ジュン・・・う・・っ・・・えっ・・・・えっ・・・」
思い出しただけで、涙が止まらないです。
謝りたいです。でも、顔を合わせられないです。こんな泣き腫らした顔なんか、見せられないです・・。
でも、もうすぐご飯を食べにここに・・・
「・・・い、急いで隠れるですぅ・・いたっ!!」
飛び起きると、頭に何かがぶつかったです。
「あ、あれ・・・・ここは・・・・・」
朝日が微かに差し込む視界に見覚えがあるです。
「どうして・・・」
思い切って腕を伸ばせば・・・・・・です。
開ける視界。雑然とした景色。昨日の朝も見た景色。
「わ、私は、鞄の中で眠っていたです、か・・・?」
そう、目の前に広がる景色は、ジュンの部屋の中、でした。
(でも・・・どうしてですか?昨日は泣き疲れて椅子の上で・・)
「・・・・・・・・・・・あ」
昨日の夢。温かい感触。憧れていた感触。
一瞬でも私が独り占めしたかった感触。
「・・・・・・・・・・・・・・・・ジュ、ン・・・・・・・・・・・・・・・・」
ぽろ・・・ぽろぽろ・・・。
(抱き抱えて・・運んでくれたです・・・・)
「だ、ダメです・・・・また、な、なみ、だ、が・・・・・・うっ・・・えっ・・・・」
涙が・・止まらないです。
でも・・・・暖かい涙です。
(ジュン、好きです・・もう・・・抑え切れないです・・)

----
「あ、あのー・・・ですぅ」
雀の鳴き声に混じり、静かな食卓に酷く弱弱しい声が響いた。
「ん?」
一人で朝食を取っていたボクは、トーストを口に運んでいた手を止める。
見下ろすと、ドアの陰から半分だけ顔を覗かせた翠星石の姿があった。
「き、昨日は・・ごめ、ご、ごめんなさぃ・・ですぅ・・」
上目遣いに。まるで小動物のような眼差しで見上げてくる。
「ボクじゃなくて、雛苺に謝らないとな」
ちょっと意地悪をしてみるボク。
「は、はい・・ですぅ・・」と、うなだれて見せる所が可愛い。
(良かった、翠星石がちゃんと自分から顔を見せに来てくれて)
ボクは安堵した。
昨晩はちょっと厳し過ぎたかもしれないけど、翠星石はちゃんと分かってくれていた。
コイツとは、きっと今まで以上に仲良くなれる。そう思った。・・・そして。
「あ、そうそう。すっかり言い忘れてた」
「・・なんですか・・?」
ボクは、翠星石の瞳をしっかりと見つめると---
「おはよう、翠星石」そう言って優しく微笑んだ。・・自分でも驚くほど自然に。
真紅や雛苺にさえ、こんな顔出来ないというのに。
「・・・・ぁ」
一瞬、翠星石の目が、はっ、と見開かれた。頬にさっと紅が差す。
・・そして、ドアにしがみついたまま、つい、とボクから目を逸らした。
「翠星石?どうしたんだよ?」
ボクは椅子から立ち上がり、翠星石の顔を覗き込む。
「・・あ、あぁ・・・み、見ないで、ですぅ・・・・」
翠星石は、顔を両手で隠したまま、頭を左右に振ってイヤイヤをする。
「お、おい・・・」
「あ、翠星石なのー!」

「翠星石?どうしたんだよ?」
ボクは椅子から立ち上がり、翠星石の顔を覗き込んだ。
「・・あ、あぁ・・・み、見ないで、ですぅ・・・・」
翠星石は、顔を両手で隠したまま、頭を左右に振ってイヤイヤをする。
「お、おい・・・?」
知らず知らずの内に、何かまた、昨日とは別にキツい事を言ってしまってたのか・・?
予想外の展開に、完全に慌ててしまっているボク。
「ぁ、ぃや、ダメですぅぅ・・・」
片や、相変わらず黙秘体勢の翠星石。
らちがあかないので、ボクは膝をついて翠星石の小さな肩に手をかけた。
「・・・ぁ」
ビク、と僅かに翠星石の身体が反応する。
ボクは構わず彼女の肩を掴んだ。
「おい、翠星石ってば・・・・・」
ふに・・・。
「あ・・・・」
その時、いつもは全く気にしないような、彼女の肌の僅かな弾力に、ボクはドキッと胸を高鳴らせた。
「あ・・・・その・・・・」
翠星石の柔らかい肩に手をかけたまま、思わずそこから先の言葉を飲み込む。
(な、なんだ、なんだ・・・?)
何か、妙に今日の翠星石が・・・可愛い。ボクはコイツを可愛く感じているのか?
(おいおい、何考えてんだよ。別にボクはコイツの事は・・・)
すぐに馬鹿げた考えを振り払う。
「ほ、ほら、いい加減わけを------」
そして、改めて彼女に問いただそうとした瞬間。
ふわ。
翠星石の肩にかけたボクの手の上に、柔らかく、温かく、そして小さな手が重ねられた。
・・確認するまでもなく、それは翠星石のもの。
「・・・・・・・・ジュ、ン・・き、聞いて、欲しい、ですぅ・・・・」
そして、目を逸らしたまま、・・ぽつり。明らかに普段と違う声色。
再び露になった顔は、見て分かる程はっきりと紅潮してしまっている。
「・・・・・・・・え・・・・・・・・・?」
ボクは何を期待してしまったのか。一気に鼓動が高まるのを感じる。
(ちょ、な、何だよこの展開・・・・?!)
既に思考が正常に働かない。
・・しかし、そんなボクの心境などお構いなく、翠星石は、ボクの手を、きゅ、と握り締めた。
「す、翠、翠星石?」
部屋の空気が、一気に硬直する。
そして----------
「あ、翠星石なのー!」
背後から突然の甲高い声。
「わっ!」
「きゃっ!」
突然の雛苺の登場に、ボクはのけぞるような勢いでスパーンと立ち上がった。

そして、改めての謝罪となり。
「チ、チビ苺・・・き、昨日は、わ、悪かった、ですぅ・・・ロ、ローザ・・」
「ヒナはハンバーグくらいで怒ったりしないのよーぅ!翠星石と違って”おとな”なのー!」
ちっちっちっ、と指を振って見せる雛苺。そして、その頬をギニーと引っ張る翠星石。
「どの口が言うですかぁ!このチビ苺め、ですぅ〜〜!!」
「ぅやややや・・」
ここに来ていつものノリが戻って来たみたいで、ようやくボクも安心した。
翠星石のあんな陰険な顔は、もう見たくない。
今考えても、はっきりとした理由は分からないけど・・・今は、翠星石のこの笑顔だけで十分な気がした。
「ほらほら、謝るですよぉ〜〜・・・・・あ・・」
ふと、はしゃぎ合う翠星石と目が合う。
「ぁ・・・・・・」
その目がひどく熱く潤んでいたように見えたのは、ボクの気のせいだろうか・・・。

夜中にパチリと目が覚めたボク。
「ふぁぁぁあ・・・・・何だよ、2時って・・・・」
全く眠った気がしない。けど、尿意が激しいという事だけは分かった。
中途半端に目が冴えてしまう可能性があったけど、用を足しにボクは一階に降りた。
「そーっと、そーっと・・・」
暗闇の中、慎重に、3つに並んだ鞄を跨ぎつつ、部屋を出る。
ぱちん、と階段の電気を付けると、眩しさという名の目に付き刺さるような刺激。
段々はっきりして来た意識から、ベッドに潜った後のボクの睡眠の困難さを容易に想像させた。
「まあ取りあえず、トイレ、トイレ、と・・・」
一階のトイレに入ったボク。
便座の前でズボンを下ろし、トランクスからポロンと縮こまった息子を取り出そう・・・・とした瞬間。
「ふ、ふぁぁっ・・!!?」
ボクの背後から二つの白い手が伸び、トランクス越しにボクの股間を両掌で包み込んだ。
「う、うわ、な、何だ・・・!!?」
正直、心霊体験モノの驚きだ。ボクは一瞬で尿意が萎えてしまった。
「だ、誰だよ・・・・っ!!?」
その腕の主はボクの声を無視するかのように、片手はしっかりとボクのトランクスの股間を握ったまま、ボクの前にスッと回りこんで来た。
「す、翠星石・・・・・!!?」
「ジュン・・・・・・・・・」
そう、ボクの目の前に現れたのは、翠星石だった。・・少しばかり息を荒げている。
(一瞬、雛苺が今晩もHをねだりに来たのかと思ったけど、翠星石とは・・・・驚いた)
「・・・・・・ジュ、ン・・・・・こんばんわ、ですぅ・・・・・」
ボクの股間に当てた掌をもぞもぞ動かしつつ、恥ずかしそうに微笑む翠星石。唇がてらりといやらしく光った。
「お前、一体どうして・・・こん、な・・・・」
ダ、ダメだ。頭がぼーっとする。これは刺激が・・・強過ぎる。
・・・・深夜の狭い密室に二人。そして、ごうんごうん、と低く響く換気扇か何かの重低音のみが、その狭い空間に重く響き、より空気を緊張させる。
それは、翠星石に股間を握り締められている、という情報のみを、より太く激しくボクの頭の中に流れ込ませた。
「ぅーーーっ・・・・」
抵抗する間もなく、翠星石の掌の中でトランクスの股間が膨らんでいく。
「あ・・・・こ、これは・・・」
ボクはカーッと顔が熱くなるのを感じた。雛苺の時には感じた事の無い羞恥心。
翠星石の手を振り払おうとするなら、出来るのだと思う。
・・ただ、この空間に立ち込める、病的なまでの淫らな空気は、もはや一人の男が振り払える類のものではなくなってた。
「はぁ・・・お、大きく、なっていく、ですよ・・・ジュンぅ・・・」
ボクの股間ほどの身長しかない翠星石が、彼女の眼前でどんどん膨らみを増していくボクの股間を、熱く潤んだ瞳で凝視する。

「ま、毎晩・・・見てたですぅ・・・・・・・・ジュンと、雛苺の・・・・・」
顔を上げて、紅潮した顔でボクを見つめてくる。
「え・・・・?ま、まさか・・・・」
サーッと自分の顔が青ざめるのが分かった。
み、見られてたなんて・・・・・。
「雛苺のき、気持ち良さそうな・・顔・・・・ず、ずっと・・・羨ましかったですぅ・・・」
翠星石は拗ねたような顔で言葉を続ける。ちなみにボクの股間をさする手を止めてくれる気はないようだ。
「真紅はいつも抱っこをしてもらって、雛苺は、毎晩、ジュンに・・・」
「翠星石・・・・・」
確かに今考えると、真紅や雛苺と比べて、翠星石とはスキンシップと言えるものは殆ど無かった気がする。
ボクとしては、それで自然に翠星石と付き合っていたつもりだったけど・・。
「嫉妬してたです・・・・・・だから、昨日は・・雛苺に酷い事しちゃったです。ジュンにもムキに・・なっちゃったです」
「・・そうだったのか」
知らず知らずとはいえ、無神経だったのはボクの方だったのかもな。
でも、だからと言って、こんな事を翠星石にさせちゃいけないよな・・。
(言い聞かせてあげて、それから一緒にトイレを出よう)
そう思い、欲望を抑えつつ翠星石の頭を撫でようと手を伸ばした・・その時。
「・・・でも、昨日の事、ジュンに初めて抱っこされた事、それで・・・それで、分かったです」
「・・・え?」
「翠星石は・・・ジュンが・・す、す・・・好きです」
不意の告白。泣き出しそうな顔で健気に見上げてくる。いやですか?翠星石はキラいですか?と問いかけてくる瞳。
これだけ見れば純愛の告白なのだけど、しっかりと右手はボクのチンポを握り締めて(しっかり動かしてる)ギャップが、限りなくいやらしい。
「あ・・・・・・・っ」
恥ずかしい事に、一気に勃起が限界まで達してしまう。
それを掌で感じて、嬉しそうな顔をする翠星石。
「でも・・真紅や雛苺から奪い取らなくても・・もう、いいです」
緊張を防ぐ為か、胸に手を当てて、ボクではなくまるで自分に言い聞かせるかのように語る。
「翠星石・・・・」
そして・・・・翠星石は、今まで以上に顔を真っ赤にさせ、覚悟を決めたように、言った。
「・・す、すす・・・翠星石は、ジュ、ジュンを、ただ、喜ばせてあげたい・・・ですぅ」
そこまで言うと、翠星石はボクの返事を待たずに、ボクのトランクスを一気にズリ下げた。
「え・・・!?うぁ・・・っ!」
ズル・・ッ・・・ブルンッッ!!
「きゃ・・っ」
トランクスが下がると同時に、勢い良くボクの怒張した赤黒いチンポが飛び出し、翠星石の頬をべちんと打った。
そして、ビクンビクンといやらしく震えるそれは、すかさず翠星石に愛おしそうに握り締められる。
「あ、はぁ・・・っ・・翠星石・・・」
悪い事だ悪い事だと考えつつも・・いや悪い事だと考えるからこそか。
翠星石の柔らかく無垢な頬を、己の欲望みなぎる陰茎で打ち据えた。その興奮。
こんな醜い肉棒を小さな両手で直接握り締めさせている支配感。
何も意味も分からずにやっていた雛苺に対してとは、全く異種の快感。
純白のキャンバスを塗り潰す悦びとは違う、完成された絵を欲望のままに汚す悦び。
あっという間に先走りがトクトク溢れ出し、肉棒と翠星石の両手をグチョグチョにする。
「はぁ・・・・ジュンぅ・・き、気持ちいい、ですか・・?・・・はぁ・・・・」
「うくぅ・・・・・・・・・・あ、あぁ・・・・・ぃっ・・」
既にまともな返事を返せないボク。
翠星石はグチョグチョの両手で竿をこねくり回すと、潤んだ目を逸らし気味に、フラフラのボクにこうトドメを刺した。
「そ、それじゃ・・す、翠星石で・・・好きなだけ気持ちよくなってください・・・ですぅ・・」

----
「そ、それじゃ・・す、翠星石で・・・好きなだけ気持ちよくなってください・・・ですぅ・・」
恥ずかしそうに俯いたまま、指先で、既にカウパーでベトベトの鈴口をこねくる。
にちゅ、にちゅ、にちゅ・・
「ちょ・・・あ・・はぅ・・・っ・・」
全身ににぴりぴりと電気が走り、ボクは幾度も息を漏らした。
(エ、エロ過ぎだよ・・・こんなの・・)
腰が砕けそうになるのを何とかこらえる。
「どーぅ・・ですかぁ・・?・・ジュンぅ・・・」
翠星石と目が合う。
指を淫らに躍らせたまま、上気した顔で見上げる翠星石。
「・・ジュンぅ・・・」
色違いの濡れたまなこからは、倒錯した、しかし、限りなくボクへの純粋な思いが伝わってくる。
・・翠星石も、微塵の恥ずかしさもなくこんな事をやってるわけじゃない。
鮮やかなピンク色に染まった両の頬、淫らな言葉を吐く度に、時折恥ずかしさに震える小さな唇は、必死にボクを喜ばそうと頑張る気持ちの強さの表れでもある。
「ぅ・・・す、すい、せ、翠星石・・・」
息も絶え絶えのボクの声を聞くと、翠星石は、それをボクの答えと受け取ったのか、嬉しそうに口元をほころばせた。
そして、再びボクの肉棒に視線を移すと、今度は自分の両手指をボクの竿に艶かしく絡ませる。
「う、ぁ・・・っ」
次の瞬間、そのか細い十指の一本一本が、桜田ジュンという男を射精に導く、という唯一つの目的の為に一斉にうごめき出した。
「じ、じっと・・・していてください、ですぅ・・・・・すぐに・・・沢山、し、絞り出して、あげる、ですぅ・・」
ボクの股下から聞こえる、嬉しそうでいて、どこかたどたどしい声。精一杯、ボクの性感を高める台詞を選んでくれてるんだろう。
身長が身長なので、肩から先、腕全体を大きく上下に動かすようにして、ボクのチンポを必死にしごき立てる翠星石。
いやらしいだけではなく、そのいそいそとした仕草からは、嬉しいです、喜んでもらえて嬉しいです、という翠星石の気持ちが全身から溢れていて、何か、本当に・・・可愛いんだ。
「ぺ、ペース、上げるですよ・・・?」
いつも小生意気な翠星石。何かある度に憎たらしく毒づく翠星石。
しかし、今はその彼女が、ボクの醜く膨れた肉棒をただ一心に握り締める。
ジュン、射精はまだですか、翠星石の顔に沢山ぶちまけてくれるのはまだですか、とばかりに。
ふと、翠星石と目が合う。
「ジュン・・」
彼女は、ちょっと恥ずかしそうな顔を見せると、ためらいがちに僕の鈴口を、ちろり、ちろ、ちろ・・と、ティースプーン程の小さい舌で舐めてみせた。

・・・・・・・背筋がゾクゾクする。

一気にカウパーの量が増し、ちゅく、ちゅく、と一定のリズムで粘液質の水音が立ち始める。
その音が静かなトイレの中に淡々と響く度に、ボクの下半身に甘い刺激が何度も浸透し、蓄積して行く。
「はぁ・・・・ぅ・・あ・・・・」
定まらない焦点で、トイレの天井をぼーっと眺めるボク。次第に痺れに似た感覚が股間から広がっていく。
知らず知らずのうちに、ボクの手は翠星石の頭の上に添えられていた。
翠星石は、乱れた髪を気にするでもなく、逆に「そんなに・・気持ちいいですか?」とばかりに笑みを浮かべてみせる。
(これ・・・・ヤバい・・・・・失神・・しそう・・・)
ボクの快感を確認するかのように、ボクの表情を時折上目遣いで眺めては、嬉しそうに動きを早める翠星石。

じゅっ!じゅっ!じゅっ!じゅっ!
段々激しさを増す翠星石の責め。彼女の白魚のような手指は、全体に先走りを浴びててらてらと光り、その両手の間からは、グロテスクな亀頭が激しい勢いで出たり入ったりを繰り返している。
ボクはぼーっとした頭でその様子を眺めていた。次第にそれが、翠星石の身体を何度も何度も貫く情景に見える。
ぶじゅっ!ぶじゅっ!ぶじゅっ!
『ジュン・・!ジュンのがお腹一杯にミッチリ詰まってるですぅ・・!!』
「・・・・ぁ・・・っ!うぁっ!!」
一瞬、一気に射精にまで上り詰めそうになった。
(あ、あぶないところだった・・)

じゅぐ、じゅぐ、じゅ、じゅぐ・・!
いつしか翠星石の指とボクのチンポとの間からは、白く濁った異臭の泡がジブジブと立ち、響く水音にも次第に泡立った音が混じって来た。
「はぁ・・・あぁ・・・す、すいせ・・はぁ・・・せきぃ・・・」
「で、出そう、ですか・・・・ジュン?」
翠星石の瞳が期待に熱く潤み、亀頭に口付けてみせる。
「う・・・うぁ・・・っ!」
むず痒さにも似た鈍い疼きが、ボクのチンポにじん、じん、と広がる。
陰茎は堪え切れないとばかりに、ぶるん、ぶるん、といきり立ち、亀頭はぷっくりと膨らみを見せる。
(も、もう、ダメ・・・・かもっっ!)
何か、何か掴むものが欲しい。すがり付くものが・・。
ボクは翠星石の頭を掻き回し、頭巾をグシャグシャにする。
「ジュ、ジュンは、沢山出したい、ですか・・?」
直立した陰茎に隠れて上手く見えないが、翠星石が、最後にボクの意思を確認した。
「・・・・・・・ぁ・・・」
こくん。
正直にボクは頷いた。
「翠星石の・・・私の手で・・・し、絞り出されたい・・・ですか?」
「・・・・・・・・・」
・・・こくん。
その答えを確認すると、翠星石は、静かに口を開いた。
「・・え・・・?」
そして、ボクのパンパンに膨れた亀頭を、その小さなピンク色の舌で、下から支えた。
・・まるで、そこから甘い蜜が噴き出すのを無邪気に待つ子供のように。
そのまま、れろれろと舌を小刻みに躍らせて容赦なく刺激を与えてくる。
「ぅ、うぁ・・・・っ・・翠星石・・っ」
「沢山・・・出す、ですぅ・・っ・・・ジュン・・・っ」
加えて、静かに、そして搾り取るような手付きで、熱心に指を上下させ始める。
「お口・・でも・・・顔・・でも・・・ジュンの好きな所に出す、ですぅ・・っ」
容赦ない言葉責め。どこでこんな事を覚えたのだろう、などという疑問を浮かべる余裕はボクには無かった。

じゅぶ、じゅぶ、じゅぶ、じゅぶ・・!
精液を搾り取ろうとする指の動きは激しさを増す。二つの肉と肉は、ただ一つのほとばしりを目指して一層濃密に絡み合う。
その快感もさる事ながら、ボクのチンポから噴き出す白濁の液体、それを一滴残らず受け止めようと口を開いて舌を伸ばしている翠星石の姿、
そして途絶える事の無い言葉責め。・・それらは普段の彼女を知るボクにとっては余りにも破壊力が大き過ぎた。
「や、やば・・っ!す、翠星石・・・っ!も、もう・・ボク・・っ!!」
ボクのペニスがぶるぶると小刻みに震え限界を告げる。
膝はがく、がく、がく、と震えて言う事を聞かない。
「イクですか?イキそうですか?もう出るですか?」
翠星石の勢いがラストスパートに入る。
じゅぶ!じゅぶ!じゅぶ!じゅぶ!!
手コキの勢いが急激に上がり、翠星石の手の中でペニスが激しく暴れ、跳ね回る。
もはや翠星石の舌のみでは亀頭の動きを抑えられず、手コキの勢いで、ボクの亀頭は翠星石の頬肉や唇にむちゅ、むちゅ、とリズミカルに擦り付き、ぶるん、べちん、と何度も打ち据える。
その光景は言葉で表現できないほど余りに扇情的で、ボクの性感は一気に高みに上った。
「あぁ・・っ!出る!出る!す、翠星石ぃ・・・っっ!!」
「出す・・ですぅ!だ、出しなさい、ですぅ!!す、翠星石のお口に、顔に、ジュンの好きなだけ出しやがれ!ですぅ!!!」
そう叫ぶと、翠星石はあーん、と大きく口を開いた。
最後の最後で普段の調子に戻ったか、翠星石の勢いづいた言葉を耳に、ボクは背中を丸め、全身をガクガクと震わせながら激しく射精した。
ドブッ!ビュルッ!!ビュルルッ!!ビューーーッ!!ビューーッ!!
精液は翠星石の舌の上にビュッビュッと幾度もほとばしって糸を引き、或いはドプドプと直接口腔の奥に濃い飛沫が飛び込んでいく。翠星石は、それらをんく、んく、と躊躇い無く飲み干す。
「・・・ん・・・」
しかし、苦かったか量が多過ぎたか・・一瞬、翠星石の顔が歪む。・・・だけど、今彼女の行為を止める事は、彼女のプライドを傷つける事にもなる。
今の彼女の姿は、彼女なりにボクを喜ばそうと選んだ方法の集大成なのだ。・・ボクは甘んじて彼女の淫行に付き合う。
(甘んじて・・・だよな?)
・・ボクは翠星石の姿に対して疼く、自分の中の何かに気付かないフリをしていたのか。

翠星石は手コキを未だ止めていない。彼女の手指がボクのチンポをひとしごきする度に、搾り出されるようにビューッとクリーム色の精液が糸を噴く。
(やべ・・・止まらない・・・っっ)
ボクは亀頭の律動の勢いのままに、翠星石の顔や髪にもビューッビューッと練乳を幾筋もぶちまけて行く。

射精の勢いに体力を奪われたのか、ボクの足腰はブルブル震えて言う事を聞かない。
「す、凄いですぅ・・・・全然止まる気配無いです・・ジュン、溜まってたですか・・?」
白い粘液で顔中糸を引いたまま、翠星石は微笑んでみせた。
「気持ち・・・よかったですか?ジュン」恥ずかしそうに尋ねる。
(そう・・その顔だ)
「ジュンが喜んでくれるから・・・翠星石は頑張ったですぅ・・えへん」
ボクに喜んでもらえる事。何より嬉しそうに・・・そして主人に蹴り倒されようが必死に尽くそうとする子犬のように胸を張る翠星石。
(もっと・・・もっと翠星石が欲しい・・・)
漠然と感じた。
(そう・・・翠星石の可愛さは・・・傷付けたくなる可愛さだ)
薄暗い欲望がボクの頭を包み込む。
「・・・ジュン?」
ボクは翠星石の頭を掴んで股間に引き寄せた。
(・・・可愛過ぎて踏みつけたくなる愛玩動物)
「ごめん翠星石」
そのまま亀頭を翠星石の唇に捻じ込む。
「ん、んぶぅ・・っ!」
狭い口腔はみっちりとボクの肉棒で満たされ、ねっとりとした熱い粘膜が亀頭に絡みついた。
「あ・・・あぁぁ・・・これだ・・これ・・・凄いぞ・・」
翠星石に対する征服感が、初めて満たされた気がした。
「翠星石・・・お前は可愛すぎたんだよ・・」
ボクは翠星石の頭をがっしり掴んだまま、乱暴に振り回す。
じゅぶ!ぶじゅっ!ぶちゅっ!ずちゅっ!
「ん〜〜〜!!!ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
苦しそうにもがく翠星石。
必死にボクのお腹をパンパンと叩いたり、必死に押し離そうとする。・・しかし、その姿に激しく嗜虐心をそそられるのだ。
「あぁ、翠星石はこういうのが良かったのか?」
ボクは一層激しく頭を前後に振り、腰もバンバンと打ち付けてやる。
「んん゛〜〜〜〜!!!んぐぅぅ〜〜〜!!!」
翠星石が息苦しくもがく度に舌が亀頭に絡まり、よりボクの性感を高める。
本当に息苦しいのか、翠星石の鼻から時折ブフッと鼻水が噴き出す。
・・やがて激しい抽送の為、翠星石の口元から白い泡が立って来た。
と同時に、甘く鈍い痺れが再びボクの股間に訪れる。
「あ、あはぁ・・・ま、また・・・!」
ボクは全身を打ち震わせ、再び亀頭から精液を噴き出した。
と同時に腰を突き上げ、亀頭を翠星石の喉奥まで思いっきり突き入れる。
「んぐぅぅ!!げぼっ!んぐぶっっっ・・・!!」
ビュブッ・・ドプッ!ドプッ・・ドプッ・・・!
勢いは無いが、より濃厚な精液が翠星石の喉に直接どぶどぶと注がれる。
射精の最中も、ボクは何度も何度も腰をずん、ずん、と大きく振り、亀頭を奥へ奥へと押し入れた。

やがて、いつ止むとも知れなかった長い射精が終わる。
肉棒を翠星石の口内に突き入れたまま、ボクはトイレの天井を仰ぎ見た。・・照明が嫌に眩しく感じる。
(翠星石を・・・・・・・・・・汚した・・・・・・・・・・・)大きな征服感と同じくらいの大きさの嫌悪感。
ごうん・・ごうん・・ごうん・・・
射精すると同時に冷静になったボクの頭には、再び、深夜のトイレの嫌な静けさが蘇る。
ごうん・・ごうん・・ごうん・・・

「ん゛ん゛ぅ〜〜〜〜〜ぅぅぅぅ・・・・・ん゛ん゛ぅぅぅ〜〜〜〜〜ぅぅぅ・・・・」

小さく、か細く。トイレに一つの嗚咽が響く。
「・・・・」
見ると、翠星石は涙を流していた。
「ん゛ん゛ぅぅぅぅぅぅ・・・・ぐふっ・・・・・・・ん゛、ん゛ん゛ぅぅぅぅぅぅ・・・」
裏切られた悔しさからか。己の惨めさからか。口を肉棒で塞がれたまま、ただただ、止め処なく涙を流し続けていた。

END

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 312 名前:レ     プ ◆1qsQBZXokI [sage] 投稿日:05/01/16 19:27:06 ID:NaT2mDST
 http://h01.elog.la/home/reputarian/archives/blog/main/2005/01/16_182252.html  雛苺編のラストを書き直しましたので、どうぞ。
!ローゼンメイデンSS 1話 雛苺編

雛苺が今日もボクの頭の上に登って来ている。「ジュン登り」だなんて言ってるが、とてもふざけた奴だ!
ただ、せっせと僕の背中をよじ登る姿はクラクラする程いじらしい。
そして、うなじをくすぐる柔らかい髪の毛と、ボクの鼻腔を倒錯的に満たす雛苺の甘い香りには抵抗出来ず、いつもボクは為すがまま。
ウザがるフリを見せながら、雛苺にボクが勃起しているのを隠すので精一杯さ。
そう、今日もそのはずだったんだ。ただ、雛苺の奴がボクの頭の上から股間の上に滑り落ちた事を除いてはね!
これからボクが話す物語はそこから始まるんだ。まあ期待しないで聞いてくれ。See You!

ローゼンメイデンの蒼星石を虐めるスレ3
http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1104811727/
にて投稿したものです。

風呂上りに部屋でくつろいでいたボク。
「ジュン登りぃ〜♪ジュン登りぃ〜♪」
・・そう。雛苺は可愛らしい声を張り上げて、いつものように僕の背中に張り付いていた。
「いい加減、や、やめろよ・・・な・・・・っ・・・んはあっ!」
ブルブルッと全身を震わせて、ボクは続く言葉を飲み込んだ。
ボクの背中に張り付いた雛苺、彼女が一歩一歩前進する度に吐き出される熱い吐息は薄手のパジャマ越しにジットリとボクの背中に染み込み、ボクからあっという間に抵抗の意思を奪う。
それが腰から次第に首筋までジワジワと登ってくる様は、例えるならば媚薬の溶け込んだ粘液質のぬるま湯に腰から浸かっていくような快感だ。
「はぁっ・・・ジュン・・のぼ・・りぃ・・・っ・・はぁ・・・っっ・・」
やがて疲れた雛苺の息は荒げ始め、そして歩みを進める度にボクのうなじを雛苺の前髪がくすぐり始める。
と同時に、雛苺自身の身体から発せられる甘く官能的な香りがボクを襲った。
・・相変わらず腰砕けになりそうなくらい強烈だ・・ッ
彼女の香りは、何と言うか、風呂上りの女の子の匂い、その官能的な部分のみを100倍濃縮して更に限りなく甘ったるくしたような、そんな男の理性を狂わす香りだ。
「ジュ、ジュン、のぼ・・ぉ・・っ・・・はぁ、はぁぁ・・」
「く、ふぅぅ・・っ・・み、耳に息がかかってるって・・・・っっ」
「ジュン、どうしたのぉ?」
それに加えて、この無邪気に性的魅力を振り撒く雛苺の魔性っぷりと言ったら、きっと全ての男を性犯罪者に走らせるに違いない、とボクは確信している。
・・事実、ボクの股間は既にはちきれんばかりの怒張を見せ、今や痛みすら伴っていた。
が、雛苺にはそんなボクの苦労は知る由も無い。
「てっぺんに到着〜なの〜〜!♪」
ようやくボクの頭の上に辿り着き、雛苺はいつものように大変ご満悦の様子。
しかしボクにとっては、頭に伝わる雛苺の太腿と尻肉の柔らかさ、その肉感的な重み、そしてあの倒錯的な香りが今も襲い続けている状況には変わりが無い。
正直言って、このままの体勢であと3分もしたら、ボクは為すすべなくパンツの中にぶちまけていたと思う。
「ひ、雛苺・・は、早く・・・お、お・・」
「お・・・なーに、ジュン?」
疑問顔で顔を覗き込もうとした雛苺、その瞳の向ける方向がボクの顔・・・の下方に下りて行く。
「・・・・・・!!」
雛苺の瞳がキランと輝く。
「あーー!!ジュンのズボンにお山さんが出来てるの〜〜!!」
その真なる意味を分かっているのかどうか、困り眉毛で大はしゃぎする。
「え?あ・・・げっ!!」
しまった!今日はつい勃起ティムポを隠すのを忘れていた。
よりにもよって夏場の薄手のパジャマのせいで、亀頭部分にジンワリと先走りの染みが広がっているのまでバレバレだ。
「うゅ〜お山さんが噴火しそうなの〜ぅ♪」
・・もう完全に雛苺の目はボクの股間に釘付けになっている。もう誤魔化す事は出来ない。
これはヤバい。よりによって雛苺に勃起して先汁滲ませてたなんて事が真紅や翠星石に伝わった日には、もうこの家でのボクの立場は学校以上にボロボロだ。
「こ、これは違って、べ、別にお前に興奮とかじゃなくてーー!!」
「コーフン?」
取り乱したボクは慌てて立ち上がろうとした。・・しかしそれがマズかった。
「やーぁ!」
只でさえ、ボクの頭の上から乗り出して覗き込んだ不安定な体勢だった雛苺。
ボクが後退き気味に立ち上がった為、必然的にボクの顔のまん前に雛苺が転がり落ちてきたんだ。
「う、うわあっ!」
尻餅をつきながらも慌てて雛苺を抱えようとしたけど、その前に雛苺が自分からボクの首にしがみついてくれた。
むせ返るような甘ったるい匂いに一瞬くらっとしたけど、ボクは何とか持ちこたえた。
「もーぅジュンたら、急に立ち上がったらめっーなのー!」
雛苺がオーバーリアクションで頬を膨らませて、ぷんぷんと怒ってみせる。
「・・・ぅっ」
眼前で見る雛苺の顔は、改めて言うまでも無く均整が取れた云々のレベルを超えた、超弩級の美少女さ。
指に吸い付くような肌触りの白亜の肌、水に濡れたエメラルドのような深い光を秘めた瞳。
そして金糸のように繊細に輝く髪は今もボクの頬を官能的に撫で続け、ボクの劣情は否が応でも一気に高まってしまう。
「ジュン、黙っちゃってつまんなぃのー・・」
ボクと雛苺は、黙ってしばらくこの体勢を維持していた。雛苺の熱く甘い吐息が顔にかかるが、何とかこらえる。
(立ち上がるまでに、ボクの息子も雛苺に気付かれない程度に何とか抑えてしまいたい・・)
「うぃー?」
と、彼女は何かに気付いたような顔をした。
「・・・んぁっ!」
その直後にボクの股間に何か甘い痺れが走った。
不意打ちの一発を食らい、発射ランプが点灯した愚息をボクは慌てて抑える。
「な、何ッッ!?」
・・雛苺がボクの顔を好奇心に溢れた顔で見上げている。
「ジューン、雛のお尻に何か当たってるのー・・っ」
そう言うと雛苺はお尻をプルプルと小刻みに振った。
と、先ほどの快感が一気に跳ね上がってボクのチンポに押し寄せる・・・ッ!
「・・・・ッッッ!!!ひ、雛苺!ちょ、待った!待てよ!!」
必死の形相で彼女を制し、ボクはビクンビクンと跳ね上がる股間を抑えて、落ち着いて状況を確認した。
身の丈低い雛苺だけど、現在ボクはフローリングの床に座り込んだ状態。
(これ・・結構ヤバい状況かも・・うっ)
お陰でというか何と言うか・・あろう事かボクのチンポは見事に雛苺のお尻の割れ目に押し付けていたんだ。
・・何度も言うけど、ボクのチンポを覆う薄生地のパジャマ(既にジットリ)、そして雛苺の尻肉を覆う、たった一枚のヒラヒラのズロース。
これがミッチリと密着し、更に先端に雛苺の体重もかかって、今も亀頭に尻肉がズリズリと擦り付けられてる状況・・。
「ジューン?どうしたのぅ?」
言葉で状況を整理しただけで、ボクは頭がクラクラした。
(う、ダメだ・・迂闊に立ち上がったり、雛苺を抱え上げようとしただけで刺激で発射してしまいそう・・)
雛苺は着痩せしているのか。
目に見えなくとも伝わる、温かくムッチリとした二つの肉に挟まれ、擦られ追い責め立てられるボクのチンポに逃げ場は無く。
既に決意を定めたかのように竿はビク、ビクと小刻みに震え、その瞬間を心待ちにしているかのようだった。
(で、でも、ダメだ・・!絶対に射精は出来ない・・ッッ!!)
そう、この柔肉の誘惑に負けた途端、ボクの居場所はこの家から無くなるんだから。
「ジューン、どうしたのぅ?」
困り眉で雛苺が顔を覗き込む。
自分がずっかと体重を預けてる場所がボクの亀頭の上だとは、よもや思うまい。
「お、お願いがあるんだ、雛苺・・・」
「?なあにぃー?」
カクンと可愛らしく小首を傾げる雛苺。もはや雛苺の一挙一動がボクの亀頭にジンジンと響くっ。
先走り液はドプドプと止め処なく溢れ、既に僕の股間全体をベトベトに濡らしきっていた。
・・ボクは朦朧とした意識で雛苺に懇願した。
「は、はぁ・・はぁ・・こ、これからしばらく、ジッとして欲しいんだ・・頼む・・頼むよっ!」
生涯で心から他人に何かお願いしたのは、これが始めてかもしれない。その内容はアレだったけど。
雛苺の目にも、理由は分からずとも、ボクの必死さだけは伝わったはず・・!
「うぃー・・・」
雛苺のエメラルドグリーンの瞳が、ボクをじっと見据える。
(いける・・か?)
「・・お山さん?」
にこり。
(ギクッ!)
「雛、今、お山さんの上にいるのー♪」
(に、認識はしていたのかっ・・)
ボクの頭の上と全く同じように、楽しそうに身体を揺らす雛苺。
「はいほ、はいほ、ここはおっ山ーのうえ、なのーぅ♪」
何が楽しいのか、ボクの顔にギュッと抱き着き、その甘い匂いを振り撒きながら音程の外れた歌声を張り上げる雛苺。
その微かな衣擦れと肉感のうねりは直接ボクの股間へと響く
・・亀頭はジクン、ジクンと激しく疼いて来た。ボクも次第に前のめりになる。これは本格的にヤバい。
「ほ、ほら、さ、ここは、お山、お山、だろ!?」
「噴火しそうだったのぅ♪」
「・・う、ぅっ!・・・ふ、噴火、そう、噴火!噴火をさ、雛苺がおしり・・いや、あ、雛苺が押さえてくれてたら、嬉しいというか、何と言うか・・!」
上手く言いくるめるつもりがグダグダのような気がしたが、もはや時既に遅かったか。
「噴火!?噴火なのーーー!ジュンのお山さん噴火するのー!♪」
「い、いや!噴火じゃなくて、噴水、噴水が・・」
「噴水!?雛、頑張って噴水沢山出すのーーーっ!!」
「あが・・噴水じゃなくて、噴、火・・」
困り眉で口を開けて大喜びした雛苺。この顔になったらもう雛苺を止める事は出来ない。
「ひなっのお尻で噴火さっせるのーー!♪」
満面の笑みでそう死刑宣告を告げると、雛苺はボクの顔にしがみついたまま、ボクの亀頭の上で激しく腰をよじらせ跳ね回った。
お山・・ボクの亀頭を自分の尻肉の間に捻じ込むかのように、リズミカルに腰を押し付け、擦り立ててくる。
天使のような純真な少女が、やっている事の意味も知らぬまま、笑顔でボクを今か今かと射精に追い立てているのだ。
・・これは、現実なのか?いや、生き人形が家にやって来た時点で非現実の中に生きていたつもりだったけど、これはそれとも別種の非現実。
確実に身を滅ぼす非現実。底知れぬ快楽に期待しつつ、雛苺の屈託のない笑顔に、心のどこかでゾッとした自分が居た。
ジュッ!ジュルッ!ニュッ!
先走りの水気を帯びた衣擦れの音のみが、部屋に響く。
「はぁ、はぁ、ジューン、噴水、たっくさん出すのーっ!」
顔にしがみついたまま、ほぼ頬擦りのような状態で鼻血が出るほどクラクラするような台詞を張り上げる雛苺。
「う、はぁ・・っ雛、ちょ、や、やめ、あ、ぁぁっ・・!」
これが雛苺の魔性か、ボクはあの甘い匂いに取り込まれ、雛苺を跳ね除ける事も出来ず、ただうめき声を上げる事しか出来ない。
ジュ、ニュルッ、ニュッ!ニュグッ!
その激しさ故に、いつしかズロースはずれ落ちて雛苺の豊かな尻肉は大きく露出し、ボクのパジャマもずり下がって勃起チンポが殆ど露出していた。
二つの肉が激しく絡み合う音は、既に淫靡の一言に尽きる。
今までも布越しとはいえ、快感は凄まじいものがあったが、未熟な青い肉に欲望溢れきった肉が挟み込まれ、こねくり回される感触に、ボクは全身をガクガクと震わせた。
たまに雛苺の股関節に陰茎の皮膚が挟まるが、その痛みも背徳的な快楽となってボクを責め立てる。
「あ、はぅっ、あ、くぅ・・っ!!・・う、・・あ、や、ヤバ、ヤバ・・ッ!!」
一気に興奮はレッドゾーンに突入し、苦悶に顔を歪めるボク。その表情を見て取ったのか、
「ジュン、噴水出るのー?♪いっぱい、いーっぱい出すの〜〜〜!!♪」
今まで以上に困り眉毛の表情でそう叫ぶと、雛苺は猛スピードで尻肉でボクの肉棒をしごき立てた。
ニュブッ!ニュグッ!ニュルッ!
雛苺にアヌスがあるなら挿入してしまいそうな勢いで、ボクの亀頭と雛苺の尻がブルン、ブルンッとぶつかり、こねくり合う。
「あ、は、ぁうっ・・ぁぅっ・・・ひ、雛いち、ご・・ッ」
ボクのチンポの根元から、ジーンとした甘い痺れが一気に立ち昇り、絶頂の始まりを告げる。
トプトプと濁った先走りを溢れさせていた鈴口がぱっくり開き、ヒクヒクと息づく。
「あ、あぁっ!あぁぁっ!!・・・で、出る、出るッ!出るッ!!」
・・・・もう、我慢ならない。
ボクは雛苺の尻肉を直接鷲づかみにし、チンポをしっかりと挟みこんで、雛苺の身体を小刻みに揺さぶるようにして、激しく擦りたてた。
「ぅぁっ!だ、出す、のっ!い、いっぱいッ!出すの、ぉっっ!!!♪」
玩具のようにガクガク上下に揺さぶられて上手く喋れない雛苺の姿に激しく興奮しつつ、ボクは雛苺の甘い匂いを胸いっぱいに吸い込んで、
雛苺の尻肉に温かく包まれたまま、眩暈がするくらいの快感と共に激しく射精した。
ビュ、ビューーッ!ビュルッ!ビュッ!ドプッ・・・ドプッ・・・
「あ、あがっ・・!が・・っ!!あがぁ・・っ!!は、がぁぁ・・っ!!」
「噴水、噴水なのーっ!♪」
止め処なく吹き出る白濁液。あまりの快感のせいか、アゴが抑えられないくらいにガクガクしている。
ボクは雛苺の尻を汚すだけでは飽き足らず、雛苺のぷっくりと膨れた純白のマン肉にドプドプと振り掛け、
その上気した頬に亀頭を押し付けると、そのまま大量に白濁を撒き散らした。
・・亀頭が跳ね上がる度にごぷ、ごぷ、と次々に噴き出す、異臭を放つ粘液質の白糸。
それを満面の笑顔で受け止める雛苺。
びちゃっ・・びたっ・・・
幾筋もの濃い粘液が彼女の頬を打つ度に、雛苺の容姿から確実に純潔が奪われていく。
「まだまだびゅっびゅっって出るのぉ〜〜・・」
雛苺は上気した面持ちでそう言うと、ボクの亀頭をその小さな口で、はむ、と塞いだ。
「あ、あぁ・・っ!ひ、雛・・っっ!」
「ん、んぶっ・・・!・・・んく・・っ!・・んくっ・・♪」
びゅっ!どぶっ!!
容赦なくボクの精液が彼女の喉奥に打ち付けられる。
流石に一瞬むせるが、雛苺はすぐにボクのチンポに両手でしがみついて、
その熱い迸りを無我夢中で飲み始める。
「んじゅっ!・・ごきゅっ・・!・・・ごきゅっ・・!!」
(・・・っ)
ボクは息を飲んだ。
いつも無邪気にはしゃいでいた少女、そしてボクの良く知る少女が、
今や顔中ボクの精液まみれになり、今度はボクのチンポから直接精液を飲み干そうと、この赤黒く光る亀頭に必死にむしゃぶりつき、吸い付いているのだ。
その余りに罪深い光景に、ボクはとてもじゃないけど身震いを抑えられなかった。

「んく・・っ・・・んぶ・・・・・・ぶっ・・!」
やがて、初めこそゴキュゴキュと勢い良く飲み下していたものの、
次第に射精の勢いに追いつかなくなり、あっという間に雛苺の頬は精液で満たされる。
「ん、ん〜〜〜っ・・・じゅぶぅ(ジュン)〜〜〜〜・・・」
雛苺が困った顔のまま、その頬が、ぷくーっとみるみる内に膨らんで来る。
(・・・・)
ここでようやく、悟った。
「・・・もう、いいよ」
ボクは静かに、自身の肉棒を雛苺の口から引き抜いた。
「ぅぶぁぁ・・・・・げ、げぼっ・・げぼっ・・・」
肉棒の栓が抜けた事で、大量の精液が雛苺の口から放たれる。
「ごほっ・・ごほっ・・・・ジューン・・・?」
きょとん、とした顔でボクの顔を見上げる雛苺。
ボクは黙って雛苺の頭を撫でてあげた。
(雛苺は初めからボクを喜ばせようとして、分かってやってくれたんだな)
わけが分からずも、気持ち良さそうに目を細める雛苺を見て、そう思った。
「・・明日は一緒にお出かけでもするか?雛苺」
ちょっとしたご褒美を提案。
「・・・」
・・一瞬の間。そして、
「ぅああ〜〜い!ジュンといっしょ〜〜なのぅ!」
雛苺の顔が、精液まみれである事を全て掻き消すかのように明るく輝いた。

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