蒼星石と暮らし始めて1週間。
俺はそろそろ風呂に入れてやろうと思った。
「ホラ、さっさと脱げよ」
「あの……やっぱり僕、いいです」
「なに言ってんだよ、幾ら人形だってたまには風呂くらい入らないと、汚いだろ」
「いいです、一人で入れます」
「なに恥ずかしがってんだお前、人形にそんな気起こすわけないだろ。
 背中とか流してやるから、ホラ脱げ」
「わあ」
そんな気を全く起こしていなかったと言えば、嘘になる──
俺は、蒼星石があんまり渋るので、じれったくなってムリヤリ脱がしてしまった。
「あ。ああ……見ないでください」
「これは……あの性悪人形は、お前のこと『妹』って呼んでたのに」
脱がしてみると、蒼星石のその部分には、俺と同じ物がぶら下がっていた。
「お前、男だったのか」
「違います」
「だって付いてるじゃないか」
「付いてても、違います」
「そんなわけがあるか」
「僕は女です。お父様は僕のことを『娘』と呼んでくださいました。
 姉さんや妹たちと同じように、究極の乙女──アリスを目指せとも言ってくださいました。
 僕の身体や性格が男のそれであっても、僕は誇り高きローゼンメイデンの姉妹のひとりです。
 決して、断じて、絶対に、男なんかじゃありません!」
「ふーん」
「わかったら、そんなに見ないでください。こんな汚らわしいもの……」
見られて興奮したのか、蒼星石のペニスは半勃ちになっていた。
が、男と呼ぶよりは少年と言うべきサイズのそれは、皮に包まれた状態を保っていた。
それを見て俺は……初めはちょっとした悪戯のつもりだった。

「汚らわしい?」
ふに。
「カワイイと思うけどなあ」
「ああっ!さ、触らないでくださぁいっ」
抗議する蒼星石を無視して、皮の上からカリの縁の辺りをくにくにと揉みしだいた。
次第に、半勃ちだった蒼星石のペニスが、その固さを増していく。
俺はなんだかへんな気持ちになって、蒼星石のペニスの先の、ちょっと余った皮の先っちょを
ちゅっ、とついばんだ。
「あん!な、何をするんですか、やめてくださいっ」
排泄をしない蒼星石のペニスからは、アンモニアの臭いは全くしなかった。
皮の中に染み出ていたガマン汁からは、メープルシロップの香りがした……。
「蒼星石…………蒼星石!」
「あっ!!」
はむっ。
ちゅるっ……じゅるじゅる……れろぉ……ずるっ。
俺はたまらなくなって、蒼星石のペニスにおもいっきり食らいついた。
そして唇を使って皮をめくり下げ、舌先でスジの付け根をなぞり上げると
ガマン汁を一滴も残さないくらいの勢いでしゃぶり回した。
「やっ、あっ、駄目、やめて、あうっ、ああ!」
悲鳴をあげる蒼星石。快感に腰が抜けたのか、立っていられずにへたり込んでしまう。
もはやタガが外れてしまった俺は、男とか女とかもうどうでも良くなっていた。
もっと感じさせてやろうと、今度は袋のほうにも手を伸ばす。
「あふぅ……あっ……」
卵形のものを優しく撫でまわし、指先で転がしてやると、蒼星石はせつなそうに身体を震わせた。

もうひと押しだ。そう思った俺は、袋のさらに後ろにある穴に目をつけた。
排泄をしないのに存在している穴。つまり、そういう使い道のためにあるのだと俺は悟った。
俺は左のひとさし指に唾液を絡みつかせると、その後ろのヴァギナにゆっくりと指を滑り込ませる。
「確か、この辺に……」
こりっ。
「あった」
果たして、人間と同じ位置にそれはあった。
蒼星石が一段と大きな悲鳴をあげる。同じ働きをしているかどうかはわからないが、
少なくとも性の営みの上では同じ効果が得られると確認できて、俺は安堵した。
──あとは、ひたすら責めるだけだった。
ずるっ。じゅぷっ。ちゅる。ずずっ。ふにふに。くにくに。こりこり。ずずずるるぅっ。
「あっ、あはっ、あうっ、うああ、駄目ッ、もう駄目、出る、出ちゃう、あああっ!!」
どぷっ、どくん、とく、とく、とく、とくん。
そして、俺の口の中でそれは、はじけた。
精液と呼ぶには、あまりに甘美な液体だった。
俺も自分の精液をちょっと舐めてみた事があるが、味も臭いもまったく違う。
どんな果実よりも甘く、どんな水より飲みやすく、どんな酒より酔いしれるような──そんな味だった。
ちゅうう──っ。
「これなら、いくらでも飲めるな」
「やあっ、ああ、吸わないでくださぁい!」
あんまり美味いので、一滴も残さず吸い出してしまった。

「ひどい……あんまりです、こんな……お父様に顔向けできない」
顔を真っ赤にして蒼星石が泣き出してしまったので、俺はちょっと困って、
「安心しろ。お前は立派な女の子、いや女だよ。
 なんたって、男の俺がこんなにドキドキしてるんだからな。
 ただの女じゃない、とびっきりのレディだ」
とかなんとか、柄にもなくキザな台詞でフォローしてみたら、
「……本当に?本当の本当に、本当ですか?
 本当にそう思うのなら、責任とってください」
と、この一週間で見せたこともないような笑顔で詰め寄ってくるもんだから、
「ああ、本当だ。一生お前の傍に居てやる」
なんて、つい言ってしまった。
そんなわけで、俺はその日、正式に蒼星石のミーディアムになったのだった。

「次は後ろに入れてみるか」
「むしろ僕が掘ってあげましょうか?マスター」
「……それはちょっと」

めでたし、めでたし?

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