JUMと真紅に別れの時が来た。それは、なんともあっさりと。
JUMはいつものように、ネットで怪しい通販をしたり、はたまた翠星石にいじめられたり、
時には雛苺にのぼられたりしてしまうなど、とまあ引きこもりにとっては、それがすべての
世界であり、一番パターン化されていますが、のりに叱られたのかもしれません。
とにかく、いつものように、あの雲が青い空に浮かんでいた、天気のいい日であること
は間違いないでしょう。
そんないつもの風景で、真紅が動かなくなっていた。
当然、JUMにはその理由は分かりません。喋りかけたり、叩いたり、蹴ったり、螺子を
巻いてみたりもしたでしょう。何の反応も示さない真紅を見て、JUMはだんだん不安に
なってしまいました。
付き合いも長く、そして固い絆で結ばれている彼ら、そしてJUMには動かなくなった真紅
が、どういう状態にあるのか、中学生ながらに理解するのです。
その晩、JUMは枕をぬらします。ちょこんと鞄の中に横たわっている真紅。
JUMは眠りにつくことができません。泣き疲れて、ただぼんやりしています。無駄だと分
かりつつ、いろんなことをしました。できうることのすべてをやったのでしょう。それでも何
の反応も示さない真紅。泣くことをやめ、何かしらの反応をただただ、だまって見つめ続
ける少年JUM。当然ですが、鞄に手を入れてみたり、人工精霊なんてのもありましたが
動作しないのです。
そして、なんで今まで気づかなかったのか、JUMの家の物置、そう、鏡の存在に気がつ
くのです。ろくすっぽ着替えず、JUMはパジャマのまま、nのフィールドへと鏡に飛び込み
ます。これですべてが解決するはずが・・・。
JUMは、何とか水銀燈に連絡を取り付けました。しかし、JUMは水銀燈でもどうにもなら
ない問題が発生していることに、この時点では気がついていませんでした。いえ、水銀燈
でさえも思いもしなかったことでしょう。「真紅が治る!」JUMはうれしかったでしょう。せ
かすJUMと状況を完全には把握できない水銀燈が、とにもかくにも現実世界へ。しかし
この後に人生最大の落胆をすることになってしまうのです。
ごめん、飽きた。