ある日変な手紙が届いた。その手紙にはこう書いてあった。
『巻きますか』『巻きませんか』
偽ラブレターの類で、友達のいたずらと思い巻きますに『巻きます』に〇をつけることにした。
2,3日たったが何もないので僕はすっかり手紙を忘れていた。
一週間がたった。夕飯の買い物から帰ると、部屋に見覚えのない鞄が2つあった。
(何だこれは?こんなのあったか?)
部屋の真ん中にあるので、とりあえず移動させることにした。(結構重いな。何が入ってるんだ?………僕の家にあるんだから、空けてもいいよな)
結局誘惑に負けて開けることにした。
片方は男の子に見えるが、多分女の子。
もう片方は自信をもって女の子と言える。
二体とも綺麗なオッドアイだ。
(姉妹かな。ん?ゼンマイか…動くのかな?)
ここまで来たら一緒と思い、思い切って巻いてみることにした。
キョロキョロと辺りを見回している二体
蒼「あなたが、新しいマスターだね?」
ドシン
いきなりの事で僕は尻餅をついてしまった。
僕「にっ、人形がしゃべった!!」
翠「な、情けない人間ですぅ。こんなのが新しいマスターなんてうんざりですぅ。」
僕「なっ!?」
僕が緑の方を見ると、その子は蒼い子の後ろに隠れてしまった。
蒼「ごめんマスター。翠星石は人見知りで、口が悪いけど、心優しいんだ。許してやって。」
僕「じーっ。」
翠「こっちを見るな、チビですぅ。」
僕「だいだい何なんだよ!マスターとか分け分からないこと言いやがって!
何でここにいるんだよ!?」翠「自分でサインしといて何言ってるんですか」
僕(サイン?…あの手紙のことか!?あんな物でこんなことになったのか!?)
蒼「思い出した?だから、マスターには僕たちのローザミスティカを守ってもらわなくちゃいけないんだ。」
翠「分かったら、とっとと、お茶とお菓子を持ってくるですぅ。」
僕「分かるかー!」
こうして僕と二体の人形の不思議な生活が始まった。