残暑厳しい中、僕は見た感じ人間となんら変わらないかわいい人形と一緒に、近所の公園に来ていた。
翠「はぁ、暑いですぅ。何とかしろチビ人間、ですぅ。」
言い忘れていたが、゛かわいい゛というのは、あくまで見た目である。
僕「夏なんだから、仕方ないだろ。まったく…」



何でこうなったかというとこうだ。
のりが真紅と雛苺がくんくん探偵ショーを見に行くことになったので、性悪人形もどこか行きたいと駄々をこねたので、仕方なく僕が連れだすことになってしまった

僕(だいたい何で僕が…こんな所来て何すんだよ)
夏の日差しと暑さで、僕はかなりうんざりしていた。
翠「しゃきっとするですぅ。これだからチビは嫌ですぅ。」
そういいながら本人がかなりだらし無くなっていた。
これが年頃の女の子なら楽しかっただろうに。
僕「あのなぁー。だいだい自称乙女ならもっと女の子らしくしろよな。本当かわいくないよな。」
いつもならここで、怒りながらすねを蹴ってくるのだが今日は何故か違った。
翠「ど、どうせ私なんか、か、かわいくないですぅ。し、し、しん、真紅の所にでも行きやがれですぅ。」

うつむきながらそう言う翠星石の目には涙が浮かんでいた。
そんな翠星石の悲しげな顔を見ていると僕は後悔と焦りでいっぱいになってしまった。
僕「お、おい泣くなよ。ちょっと言い過ぎたよ。」
僕はこう言うしかできなかった。
翠「ぐすっ。情けなんていらないですぅ。今日だって嫌々来てるの分かってたんですぅ。」
僕「なっ!そんなこと別に僕は…」
翠「隠したって無断で、う。ヒック。」
必死に涙を拭い、泣いているのを隠そうとしている。
どうしてこんなことに。僕は真紅より、翠星石の方が好きなのに…

僕「翠星石…本当は僕は…」
次に言いたいことは決まっているが、今の生活が壊れるかも知れないと思うとなかなか言いだせない。
翠「ヒック。」
翠星石の顔は涙で埋もれ、目と鼻は赤くなってきている。
彼女のこんな姿を見たくない。たったそれだけ。けれど、僕にとってこれほどの理由はなかった。
僕「僕は…僕はお前のことが・・・好きだ。」
翠「えっ。」
彼女は驚き、僕の言っている事がはっきりと理解できないでいる。
僕「人形相手にこんな事を言うのは変かもしれない。でも!僕はお前が…好きなんだ!」

しばらくの沈黙
辺りは、風に揺れる木々の音とセミの音しかしていなかった。
翠「う、嘘に決まってるです。そんなこと言ったて翠星石は騙されな……っ!」
僕は彼女の言葉をさえぎるように、唇を重ねた。
僕「僕は、本気だ。」
翠「ジュン。うっ。」
僕「もう、泣かないで。いつものように、笑ってくれないか?」
そう言いながら、僕は彼女の涙をぬぐった。
翠「翠星石も本当は、ジュンのことが、す、好きですぅ。だから、いつも悪口を言ったり…。」
僕「知ってる。本当は誰よりも優しいに、素直になれない、僕はそんな君が好きなんだ。」

翠「うれしいですぅ。ジュンがそこまで翠星石の事を思ってくれてるなんて。」僕「翠星石。」
僕達は再び唇を交わした。翠「こ、これは、さっきのお礼ですぅ。き、今日だけは特別だけど、いつもこんな事するとおもうな、ですぅ。」
すっかり元の調子に戻った彼女を見ると僕は気がぬけてしまった。
僕「プッ。」
翠「何がおかしいですか!早くジュースを買ってくるですぅ」
僕「はいはい………ありがとな」
翠「こちらこそですぅ。」虫の声のようなものすごく小さな声だったが、僕にははっきりと聞こえた。



大好きだよ翠星石

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