「起きたか。
「紅茶がのみたいわ。それにこの身体の釈明もね。
「なんせ急いでたんで、塊の店じゃそれしか手に入らなかったんだ。ボクの趣味じゃないよ。
「あのあとすぐに翠星石たちが駆けつけて、2体分の薔薇人形の残骸と左手を砕いたボクを回収した。20時間ほど前の話だ。
真紅と薔薇水晶は相討ちだった。ローザミスティカも残らなかったと・・・それでいいんだな。
「インテリアの趣味はいいみたいね。ここはわたしが腕をなくした時の家?
「自前のな。後にも先にもここへ来るのはおまえだけだな。
「・・・戻りたきゃ、ウチに戻ってきてもいんだぞ。みんないる。
「ありがとう、でも行くわ。
「なあ、奴と一体なにを話したんだ。奴は今もそこに、おまえの中にいるのか。
「ジュン、ここには薔薇水晶と呼ばれた人形も、真紅と呼ばれた女も居ないわ。
「・・・服の左ポケットに、その身体の持ち主の人口精霊が入ってる。好きなところへ行くといい。名前は――
「メイメイ。それいつか、再開するときの合言葉にしましょう。それと、指輪は残しておくわ。
「・・・好きにしろ
「さて何処へ行こうかしらね。夢の世界は広大だわ・・・