無性に寝苦しい夜。
ジュンは勉強を終えて寝床に入ったがなかなか寝付けずに居た。
そこでジュンは少し水でも飲もうと一階に降りていった。
水を飲んで部屋に戻ろうと廊下に出た時、鏡の部屋から薄い光が漏れていた。
ジュンは様子を見に行きたくは無かった。
行った所でろくな事が無いからだ。
出来るだけ静かにドアを開け部屋の中の様子を見てみる。
鏡からはもう光は放たれていなくて何か居るという気配も無かった。
ジュンは誰も居ないのを確認して部屋のドアを閉めた。
自室に戻ろうと振り返り歩き始めた時ジュンは背後に気配を感じた。
そして、振り返ってみると閉めたはずのドアが開いていた。

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プロローグみたいなもんです。
まぁ、今日は時間が無いのでこんぐらいですけど、明日から本格的に書き始めようと思います。
それで、書く奴は何か今まで見てきた、SSや小説をあわせたような感じになってると思う。
今は閉鎖してしまったサイトのDOLLSってとこのやつがかなり影響してると思うから、もしこのサイト知ってる人居たら、似てるなぁ〜と思うんじゃないかな?
まぁ、基本はオリジナルだからねぇ〜。
そんなわけで今日はここで。

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ジュンは誰かが居ると察知した。
しかし、こんな下らない事をするのはジュンが知る中では一体しか居ない。
「ハァ・・・・水銀燈・・・・居るんだろ?」
ジュンは暗闇の中姿の見えない水銀燈を呼んだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
しかし、返事は無くジュンは何となく寂しくなった。
ジュンが部屋に戻ろうと歩み始めた時に背後からスゥっと白い手がジュンの首に回された。
「っうわ!!」
ジュンは咄嗟に声を出し白い手を振り払った。
直ぐに後ろに振り返り水銀燈の姿を確認した。
「何よぉ。そんなに驚かなくてもいいじゃない」
「お前が驚かしたんだろ。っていうか何しに来たんだよ」
ジュンは水銀燈に素気なく返事をした。
水銀燈は愉しそうに微笑み、さも当たり前の様に答えた。
「何ってアリスゲームに決まってるじゃない。何時来ようと私の勝手よ」
水銀燈の意見はもっともだった。
「・・・・・・なぁ。お前は真紅達の様に仲良くする事は出来ないのか?」
「無理よ。私達はお互いを壊し合って残り一体になるまで戦わなければいけないもの。何よりお父様に会うためにはそれしかないのよ」
水銀燈からは何時の間にか笑顔が消えていた。
「・・・・・私だって出来ればこんな事・・・・・・」
水銀燈は笑顔が消えたどころか少し目に涙を溜めてる様にも見えた。
ジュンはそんな水銀燈を見て、とても悲しい気持ちになった。
「真紅達にお前の事を頼んでみる。お前は本当はアリスゲームなんてしたくないんだろ?」
水銀燈はキョトンとしていて言葉が出なかった。
「お前今日は僕の家に泊まれ。明日皆に説明する。僕のベッドを使ってもいいから。僕は一階のソファーにでも寝るから。な!?」
ジュンの必死な説得に水銀燈は思わず笑ってしまった。
「フフ・・・。馬鹿じゃないのぉ。私なんかのために・・・・そんな事したら・・・真紅たちに・・何て・・・言われ・・るか・・・・」
水銀燈はジュンの優しさに泣き出してしまった。
ジュンは水銀燈のこの言葉を聞いて、もう水銀燈は真紅たちを襲わないだろうと確信した。

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ジュンは水銀燈を自室のベッドに寝るように言って自分はリビングのソファーで寝ていた。
一方の水銀燈は中々眠れずに居た。
真紅達が自分のすぐ近くで寝ている。
そう思うと水銀燈はもし真紅達が目覚めたらそんな事を考える度何度か逃げ出そうかと思ったが、アレほど自分のためにと言ってくれた人を裏切るようで申し訳なかった。
水銀燈は結局朝まで眠れずに居た。
「人間。ねぇ、人間起きてよぉ」
水銀燈はまだ朝の5時だというのにジュンを起こした。
目覚めたジュンの瞳には不安げな表情をした水銀燈が写った。
「ん・・・・どうした?」
「べ、別に何も無いわよぉ・・・・」
水銀燈の顔から不安の色が消え、少し頬を赤らめジュンから目線をそらした。
ジュンと水銀燈は特にする事も無く、唯時間だけが過ぎていった。
真紅達の起床時間が段々と近付いてくると水銀燈からはまた不安の表情が伺えた。
「・・・・・不安なのか?」
「別に・・・・・」
「大丈夫だよ。真紅達ならきっと判ってくれる」
ジュンは妙に自信有り気だった。
真紅達の起床時間がきた。
階段を下りる音がして、少しずつ足音が近付いてくる。
水銀燈はまるで翠星石の様にジュンの陰に隠れてジュンの衣服をギュッっと握り締めていた。
リビングのドアが開いた。
「あら、ジュン今日は早いのね」
「おはようなのー」
真紅と寝ぼけ眼の雛苺がリビングに入ってきた。
まだ、真紅達は水銀燈の存在に気付いていない。
「真紅・・・・・・少し話があるんだ」
ジュンが真剣な面持ちで真紅に話し掛けた。
「何かしら・・・!!・・・ジュン。どうしてその子が居るの?」
真紅が水銀燈に気付き咄嗟に身構える。
ジュンが真紅の前に立ちはだかり必死に説得をした。
「待て!真紅!!こいつはもう敵じゃないんだ」
「どきなさい。ジュン!!あなたは水銀燈に操られているのよ」
真紅はジュンの言葉ですら信じようとはしなかった。
水銀燈は唇を噛み締めて必死に涙をこらえている。
それを見たジュンはさらに必死に真紅の説得を試みた。
「真紅。こいつを信じてくれ、本当にこいつは・・・・もう敵じゃないんだ」
ジュンは真紅の肩を掴み、声さえ力は無かったものの真紅にはジュンが言っている事は真実だと感じとれた。
「ジュン・・・・わかったわ。そして、ごめんなさいね。水銀燈」
真紅は微笑んで水銀燈に謝った。
水銀燈は真紅のこの言葉を聞いた瞬間、噛み殺していた涙が溢れ泣き崩れてしまった。

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