「みんなに話したいことがある…」
そう言って蒼星石は話を切り出した。
「僕はアリスゲームを開始する」
動揺するドールズをよそに蒼星石は話しつづける。
「そこでジュン君にお願いしたいことがある」
「ボクに?」
怪訝そうな顔でボクは答える。
「そう、明日の午後4時、おじじとおばばを病院についれていってほしいんだ」

翌日、ボクは言われたとおり蒼星石のマスターと奥さんと一緒に病院にいた。
もうすぐ約束の4時だ。すると蒼星石のマスターが苦しみだした。
「うもっ、はうっ、きひひひひひぃ!」
手を見ると指輪が青く強く輝いている。まるで蝋燭の火が燃え尽きる瞬間のように。
ボクは医者を呼び、おじじはICUに運ばれていった。
扉が閉まり、ランプが点灯し、ボクは一息つく。

…と、すぐ横に蒼星石がいた。もう一つのローザミスティカを持って。
ボクが問いかける前に蒼星石は話し出した。
「水銀燈と戦ってね。前から気付いていたんだ、水銀燈の指に契約の指輪があることに。
 それからの水銀燈は全力を出せなくなってた。おそらくマスターに気を使って…
 だからボクは水銀燈が躊躇してる間に全力で勝負をかけたんだ」

こいつ水銀燈よりおっかねー。ボクは思った。

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