「くっそー、また今日もあいつ来るのかよ」
嫌な人物のことを思い浮かべると、ついつい愚痴がこぼれてしまった。
「誰が来るですか?」
「い、いや・・・何でもないよ」
翠星石に問いかけられジュンは一瞬ドキっとした。
(言えるかよ〜!お前のウザい双子の妹だなんて!)
そう思っていると案の定彼女は来た。
『お邪魔しまーす』
「あ、蒼星石が来たですぅ!」
翠星石はそう言って部屋を出て行った。
ジュンもちょっと様子見に行った。
階段から蒼星石を伺う。
(やっぱり見ていて腹立だしい。あの清純すぎる態度は虫唾が走る!)
そこでウンは彼女を部屋におびき出そうと考えた。
「おい蒼星石、ちょっと部屋に来てくれ」
「え?じゃあすぐ行くよ」
まじめなやつだ。すぐに地獄を見せてやる。
俺は部屋に戻り、押入れをゴソゴソと漁っていると、蒼星石が入ってきた。
「入るよ。で、ジュン君、用って何?」
その声を聞いてジュンは押入れからぬっと顔を出す。
鋭い目つきと薄気味悪い微笑を浮かべて蒼星石を睨みつける。
「ど、どうしたの?具合でも悪い?」
蒼星石も少し引き気味だった。
「お前さあ、ちょくちょくこの家来てるけど実はアリスゲームに勝つために敵の情報集めるんじゃねえか?」
「そんな!僕は翠星石達とふれあいたくて来てるんだよ!誤解しないでほしいよ!」
「本当かぁ?でもすげえ違和感感じるんだよなあ。薔薇水晶の時といい金糸雀が襲撃に来た時といいお前だけマジだったしさあ」
「それはあのままだとやられるから・・・。今日のジュン君おかしいよ!喋り方も変だし」
「まだ白を切るのか!これ以上嘘つくならお仕置きするぞ!」
なかなか本音を言おうとしない蒼星石にジュンは切れかかっていた。
「本当だよ・・・僕は戦うつもりなんてない。信じて!」
「わかった。もうお前の言葉は耳に届かない。ここからは俺が法律だ!」

ジュンは蒼星石の体に掴みかかった。
「ちょ、ジュン君!離してよ!痛いよ!っげふ!」
「ごちゃごちゃ喚くなよ!ぶっ殺すぞ!」
ジュンは蒼星石の腹部を殴った。
「まだまだこれからだぜ!」
さらに倒れこんだ蒼星石を蹴りまくるジュン。
「い、いた!やめてよ!痛い!痛い!」
「へっへっへ、お次はこいつだ!」
ジュンはベッドの下からナタを取り出した。
それを見て蒼星石は愕然とする。だが強気な彼女は
「っく!君はジュン君じゃな!レンピカ!」
人工精霊の名を呼ぶと、蒼星石の手に庭師の鋏が出現した。
それを構えた瞬間
「あっ!」
鋏はジュンの持つナタになぎ払われてしまった。
「おっと、そんな物騒なもん出すんじゃねえぞ。それ以上抵抗したら俺はお前を殺したいという圧倒的な衝動を抑えられなくなるからよ」
蒼星石は力なく倒れこみ、ジュンを恐怖した目で見つめるのだった。
ジュンは鋏を拾いあげ、それをまじまじと見つめる。
「へえ・・・こいつはいいや」
再びジュンに悪魔的な微笑が浮かぶ。
「な、なにするの?ちょ、ちょっとやめて!うわあああ!!!」
ジュンはの鋏を高く掲げると、蒼星石の腹部に突き刺した。
「痛いよぉ!抜いて!今すぐ抜いてよぉ!」
「へっへっへ、その苦しみ方、たまんねえ!」
ジュンは高々と笑う。
「さて、最終幕スタートだ!」
今度は巨大な大金槌を取り出すジュン。
それで蒼星石の右足を叩き潰した。
「うわあああ!!!あ、足が!痛い!」
「このドッカリ感たまんねえ!オラ!もう片方もいくぜ!」
さらに左足も叩き潰す。
「ああああ!もうやめてよお!あ、足の感覚が・・・」
そこでジュンは蒼星石の腹部に深く突き刺さった鋏を抜いてやった。
「ほらよ。これ少しは動けるだろ」
蒼星石は動かなくなった足を引きずりながら手を使いながら必死にドアの方へ向かった。
「うう、翠星石・・・うわ!」
「どこ行こうってんだ?幕間までまだ時間あるぜ?」
蒼星石はジュンに蹴られて吹っ飛んだ。
「さあてと。仕上げだ。何か聞きたいことあるかい?」
ジュンの問いに瀕死の蒼星石は
「き、君は一体・・・誰?」
その問いにジュンの目はより一層鋭くなる。
「俺?俺か?俺は心の闇に潜む悪魔。死神デュード様だ!」
そう言って大金槌を蒼星石の頭目掛けて振り下ろした。
「うわああああああああ!!!」
はっと起き上がる蒼星石。
「ん?どうしたんだ?蒼星石?」
「・・・ゆ、夢?」
蒼星石の顔は真っ青だった。
「僕は一体・・・デュードは?」
「はあ?変な夢でも見たんじゃないのか?部屋に来たかと思うといきなり寝始めたし」
それを聞いて蒼星石は少し安心した。
「そ、そう・・・夢か・・・助かった・・・」
ジュンは蒼星石に歩み寄って、微笑む。
「ほら、下で翠星石達が待ってるぞ。行ってこいよ」
「う、うん・・・(良かった。いつものジュン君だ)」
そして蒼星石がドアノブに手をかけた時だった。
「姉妹達との楽しいひと時を過ごしてきな。幕間の後には再び地獄が始まるぜ・・・」
その言葉に蒼星石は愕然とし、止まってしまうのだった。
The End

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