人がいないけれど一本投下。
アニメが終了したのでアニメ主軸で書いてます。
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「水銀燈・・・・水銀燈・・・何処・・・・水銀燈・・・」
一人の少女がうわ言を言っている。
上品そうな顔立ち、大雑把ながらも綺麗に揃えてある長い髪。年は15,6歳といったところか。
しかし、その少女の表情はゆがんでいて顔色は真っ青だ。
「水銀燈・・・・すいぎんとう・・・」
少女は同じ言葉を呟くが、周りには誰もいない。
あるのはただ静寂と闇だけだった。
Rozen Maiden ‐狂界線‐
メグが集中治療室に運ばれた。
どうやら昨日の夜に様態が急変したらしい。
人間たちが話してるのを見てみる。今日と明日、明後日の3日間が山だそうだ。
「メグ・・・」
どうしてだろう、メグのことを考えると胸が痛くなる。
こんなことは今まで無かった。ミーディアムはこれまでに何人もいた。
だがこんな気持ちになるのはこれが初めてだ。
「メグ・・・ワタシはどうすればいいの・・・」
わからない、何故こんな気持ちに?
今まで通りアリスになるために行動すればいい。そう、お父様のために。
なのに今はまったく行動する気になれない。メグのことしか考えられないのだ。
メグ・・・どうすればここに戻ってきてくれるの?
「おやおや、大分困っているようですね」
「誰?」
声が聞こえた。
思わず聞き返すと、目の前の空間から紳士的な格好をしたウサギの姿をした者が現れた。
「・・・何の用かしら}
ワタシは聞く。
「いやー、アナタが大分困ってるようでしたのでね。アリスゲームに支障が出たのかと思いまして」
ウサギがワタシに対して嫌味を言うような言い方で聞いてくる。
「別に・・・困ってなんか無いわ。アリスゲームもきちんと実行するわ、お父様の為ですもの」
ワタシは出来るだけ平常心を保って直ぐに答えた。
だが声は明らかに甲高く、口調も少し早く、結果的にその質問には『はい』と答えているようなものだった。
「一つだけ方法があります」
ウサギは突然改まった口調になる。
「何のこと?」
ワタシは聞き返した。何のことかはわかっているのに。
彼はラプラスの魔、何処にでも現れる神出鬼没の存在。
おそらくさっきまでワタシのことを観察していたのだろう。
つまり彼はメグの事について言おうとしている。
「ローザミスティカ」
彼から意外な言葉が出てくる。
ローザミスティカ
ワタシ達ローゼンメイデンの命。
「ローザミスティカですって」
思わず苦笑してしまう。確かに私達にとっては命と同様の扱いだが、それが人間に当てはまる訳が無い。
「ローザミスティカが有ればメグが助かるとでも言うの?馬鹿らしい。単にアリスゲームを早く終わらせたいだけでしょアナタは。」
少し怒鳴るような口調で言う。そんな確証も無いことは信じられない。何よりメグをダシに使われているのが頭にきた。
「まぁまぁ、そんなに怒らないで下さいよ。どちらにせよあの少女はもって3日です」
彼は淡と言い放った。
「ふざけないでっ」
大声で怒鳴る。メグが持って3日、そんな事実は信じられなかった。いや、信じたくなかった。
「ですから、ローザミスティカがあれば彼女の命も助かるかもしれないですよ。
ローザミスティカには媒介を通して貴方達に力を供給する能力があります。
それを応用して使えば彼女の病気も治るかもしれませんよ」
確かに彼の言うとおりだった。さっきは根拠が無いと思ったが、使い方によっては人にも転用できるかも知れない。
それならばメグを助けることだって出来るだろう。
しかし、それでも今はメグが心配でとても動く気にはなれない。
「動くか動かないかは貴方しだいですよ、水銀燈。だけどもう一度言っておきます。
彼女はもって後3日、それを忘れないで下さいね」
そう言って、彼は虚空へと消えてしまった。
「・・・・後3日」
メグの命の灯火が消えるまでの時間。ワタシはどうするべきなんだろうか。
結局は唯の人間。ミーディアムなんて代わりはいくらでもいる。
ワタシは誇り高きローゼンメイデン。お父様以外の人間なんかの為に動く気にはなれない。
しかし・・・
「水銀燈」
・・・声が聞こえる。
「貴方は天使よ、私に降りてきた天使なの」
胸が締め付けられる。
メグが・・・居なくなる?
その光景が考えられない。
「私はジャンクなのよ、水銀燈」
っ!!
胸が痛い。この感情が何なのか分からない。
「・・・分かったわよ、メグ。」
決心をする。メグの命が消えるまで後3日。それまでにローザミスティカを手に入れる。
そしてメグの命を・・・
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とりあえずここまで。
一応もう少し書いてあるけど、そのペースでうpしてくスピードだと書くのつらいんで。
あと、書くペースも途中で飽きたり投げ出したりして
凄いゆっくりなので気長に待っててもらえると有難いです。
補足にコテの由来は単に思いつかなかったから、梅岡先生の奴を借りただけです。
多分、奴がこれを見たら特定される。