だけど、足のかけ方が悪かったのでしょうか。それとも薔薇水晶が思いのほか重かったのでしょうか。
ビニールプールが足をかけた方向に急に起き上がってきたのです!
立ち上がったビニールプール。その中に入っていた大量の水はかべとなって、
6人に襲い掛かります。
すさまじい水圧!(というほどのものでもありませんけどね!)
鼻に水が入ったり、水を飲んでしまったり、散々な目にあいました。
でも、最悪なのは翠星石です。
水着が、消し飛んでしまっているのです。
「こんのぉ!もうゆるさんです!」
翠星石は顔を真っ赤にしておこります。
片方の手で全身を隠そうとしますが、実際のところは隠しきれていません。
「お前の、水着をよこすです!」
何も着ないよりはましでしょうから、翠星石は必死で薔薇水晶の貝のビキニを奪おうとします。
「イ、イヤ・・・みずぎ、とらない、で」
でも抵抗むなしく、薔薇水晶の水着は翠星石の手に落ちます。
「ふふふん、おめーさんみたいな、スレンダーなおこさまより
この翠星石が来たほうが何倍もひきたつでーす!」
全裸の薔薇水晶の目に涙が浮かびます。
「・・・わた、わた、わたしだって胸あるもの!!」
よっぽど悔しかったのでしょう。近所に聞こえるような大きい声でそういいました。
そして、おもむろに外に駆け出していきます、はだかのままで。
「うええわぁぁぁーん!おとうさまァ!」
この日、全裸の少女が街を駆け抜けていったのはちょっとしたニュースになりました、
でもそれはまた別の話し。また別の機会に話すとしましょう。