遠くで犬の鳴き声が聞こえている、満月の夜。 
電柱の頂上にちょこんと座り、月の光をその黒い翼に浴びている一人の少女がいた。 
彼女は目をキラキラと輝かせながら、数十メートル先にある一軒家の一室を双眼鏡で眺めていた。 

あぁ……今夜もあの人間とあの子……あんなに楽しそうに過ごしてるぅ……。 

私がレンズを通して見つめているその部屋には、一人の少年と少女がいた。 
少年は、なにやら少女の方に向かってどなっているような様子で文句を言っているが、少女の方はそれを気にも止めず、彼女のお気に入りである紅茶のカップを口に運んでいる。 
その流れるように美しい金色の髪と、彼女の美しさを更に引き立たせる真っ赤なドレスが……私の心を魅了してやまなかった。 

ああん……今日もとってもステキよぉ、真紅ぅ♪ 
そのサラサラした綺麗な髪からは、どんな良い香りがするの? 
そのプックリと膨らんだ唇は、どのくらい柔らかいの? 
ああ、真紅真紅……私のだぁい好きな真紅……♪ 

彼女のことを見つめながらそんな妄想をしていると、体にゾクゾクと鳥肌が立つような感覚が襲ってきた。 
おもわず我慢できなくなり、その自分でも大きいと思っている豊満な乳房を左右の手で揉みしだく。 
ムニュムニュっとした感触と共に、ドクンドクンと心臓が脈打つ音が手のひらに伝わり、それが更に私を興奮させる。 

あぁん……やっぱり我慢できなぁい♪ 
今夜もお邪魔しちゃおうっと……♪ 

そうして一つの決心をした私は、すぐさまその黒い翼を羽ばたかせて彼女のいる部屋に近づいていく。 
徐々により鮮明に見えてくる愛しの真紅の姿に、私の心臓の鼓動は更にそのスピードを加速させていく。 

あぁ……待っていてね真紅ぅ♪ 
もうすぐ……もうすぐあなたのそばに水銀燈が行くからぁ♪ 

そんなストーカーのようなことを思いながら、部屋の窓のすぐ外まで来ると、彼女も私の姿に気づいたのか、その手に持っているカップをテーブルの上に置いた。 
私は自分が彼女の目にとまったことに嬉しくなりながら、その目の前の窓をそっと手で開ける。 

ほんとは割って入った方がカッコイイんだけどぉ……。 
そんなことして、大好きな真紅の顔に傷でもついたら大変だものぉ……。 
私ってばなんて良い子なのかしらぁ……ウフフフフ♪ 

もうすぐ真紅とお話が出来る嬉しさを胸にときめかせながらも、私はいつものすました顔で部屋の中に入っていく。 
そんな私を見て、真紅はいかにも嫌そうな顔をしながらスッとその場に立ち上がった。 

「フフフ、こんばんは真紅……満月の綺麗な夜だっていうのに、あなたはあいかわらずブサイクなのねぇ……」 
「うるさいわね、誰がブサイクよ……あなたも、あいかわらず人に対する礼儀がなってないようね……」 

私のその暴言を聞いて、真紅の蒼い瞳がキッとこちらを睨みつける。 
そのグサリと突き刺してくるような視線に、おもわず私のマゾの部分が刺激され、下腹部がキュンと締めつけられるようなイケナイ感覚に襲われる。 

あぁん……こんなこと言うつもりじゃなかったのにぃ……。 
ほんとはその可愛い顔にほお擦りしたいくらいなのにぃ……。 
どうして、いつも真紅の前にくるとこんなこと言っちゃうのよぉ……水銀燈のバカバカぁ! 

心の中で自分の頭をポカポカと殴る仕草を思い浮かべながら、私は素直になれないもどかしさにやきもきしていた。 
一方、私がそんな乙女チックなことを考えているとは思いもしないだろう真紅は、早く話を進めたそうに次の言葉を放ってくる。 

「で、いったい何の用なのかしら……もうすぐ私は眠りにつく時間なのだけど?」 
「ンフフ、わかっているんでしょぉ?……あなたのローザミスティカ、今日こそこの水銀燈がいただくわぁ♪」 
「……まったく、よく飽きないわね……毎日毎日、しかも決まってこの時間に……」 

いかにもめんどくさいといったふうな顔をして、ハァっとため息をつく真紅。 
彼女の言うとおりここ最近の私は、彼女達が眠るこの時間、この家に来るのが日課になっていた。 
この時間に来れば他の子たちは眠っている可能性が高いため、真紅と二人きりになれるかもしれないからだ。 
その期待通り、床にある4つのカバンのうちすでに3つの蓋がきれいに閉じられている。 

あん……でもほんとは違う、違うのよぉ真紅ぅ……。 
ほんとはローザミスティカなんてどうでもいいの……。 
私はあなたに会いたくて、ここに来てるのよぉ……。 

その証拠に『ローザミスティカを奪うため』などと言いつつも、毎晩ここで行われるアリスゲームでは、私はまるでやる気を出していない。 
もしこの翼の一片でも真紅の体に突き刺さり、その美しい体に傷でもつけてしまったらと考えると、とても本気などだせるわけがなかった。 
せいぜい、この部屋にあるよくわからないおもちゃを壊す程度のことしかしていない。 

「く……毎晩毎晩……い、いいかげんにしろよ……この破壊人形!!!」 

突然、背後から聞こえてきたその大きな声に私はクルっと後ろを振り向く。 
すると、ベッドのふちに立ってこちらに怒りの感情をむき出しにしているジュンがいた。 

「あらぁ、いたのねぇ人間……あいかわらずくらぁ〜い顔してるから、わかんなかったわぁ♪」 
「う、うるさい!……お前が来ると、ボクの部屋がめちゃくちゃになるんだ!……見ろ!こんなグチャグチャになったんじゃ、クーリングオフできないじゃないか!」 

そう言って彼は、何やら得体の知れない物体やおもちゃ?の残骸の山を私に見せつけた。 
どれもこれも私が壊していなかったとしても、なんの役にも立ちそうにないように見える。 

「そんなこと言われても、水銀燈知らなぁ〜い……わかんなぁ〜い♪」 
「ぐ……こ、こいつ……」 

せっかくの真紅との会話に割り込まれてしまったが、私はこの人間……ジュンのことも嫌いではなかった。 
初めて会った時、私の目を見ただけで壊れてしまったその心の脆さ。 
そして、近くで見ると意外と可愛い顔をしているところに、私の母性本能が刺激されたのを今でも覚えている。 

「ウフフ……そんなにムキになって怒っちゃってぇ……ジュン君ってば、かぁわいい……♪」 
「!……な、な、何!……言って……」 

少しからかっただけで慌てふためく彼を見ながら、私の中でじわじわと目覚めていく何かが感じられた。 
彼を見ていると、おもわずマゾの私でもイジめたくなるような衝動に駆られる。 

「フフ……真紅なんかの下僕なんかやめてぇ……私のものにな……ぁ……あぁぁん!」 

突然胸の辺りに感じた感触に、私の口から卑猥な声が漏れ出した。 
視線を少し下に移すと、さっき自分でも触っていた乳房に小さな手のひらが食い込んでいた。 
ジュンとの会話に気をとられ、いつのまにか背後にまわっていた真紅が私のおっぱいをグニュゥっと鷲づかみにしていたのだ。 

「え……えぇぇぇ!し、真紅!……ちょ、ちょっとぉ……何してるのよぉぉ!」 
「じっとして……いつもあなたには迷惑をかけられてばかりなのだから、少しは仕返しさせなさい……このみっともなく膨らんだおっぱいにね……」 

その言葉と共に、私の耳元に真紅の吐息が吐きかけられる。 
紅茶の香りと彼女自身の甘い吐息が混ざり合った良い香りが、私の体から抵抗する力を奪ってゆく。 

あ、あぁぁ……真紅に、大好きな真紅に……水銀燈のおっぱいがモミモミされてるぅ……。 
い、いままで夢の中でしかされなかったのにぃ……私、このまま真紅にレイプされちゃうのぉ……? 

夢にまで見た真紅からの愛撫に変な妄想が次々と出てきてしまい、私の意思と体は彼女の為すがままになっていた。 
そのまま彼女の手がドレスの胸の部分を掴んだかと思うと、それが力任せに左右に割り開かれる。 
ビリッという布が引き裂かれる音が聞こえて、今まで窮屈そうにしまわれていた乳房が、ブルンと大きく外にこぼれおちる。 

「あ、あふぅん……や、やめ……やめなさぁい、真紅ぅ……」 
「いやよ……こんないやらしく実ったおっぱい、嫉妬せずにはいられないのだわ……」 

そう言って彼女は、憎たらしいとばかりにその生乳を揉み始める。 
手のひらで下から上に向かってグイっと持ち上げられ、弾力のある大きな膨らみが、グニャグニャと形を変えるほど乱暴に揉みしだかれて、そのたびに痛みと快感が入り混じった感覚が胸元に走る。 

「あ、あ!……い、痛ぁい……もっと……や、優しくできないのぉ、へたくそぉ……」 
「あら……こうやって乱暴に揉まれるほうが感じるのではないの?……あなたの場合……」 

真紅のそんなサディスティックな言葉が私の被虐心をますます煽り、下半身までもが熱くなってきてしまい、腰が抜けるように地面にお尻をついてしまう。 
まるで子供が後ろから抱きかかえられるようにされながら、真紅の小さな胸が背中越しにピッタリと密着してくる。 

「あらあら……気持ちよすぎて立っていられなくなったようね……赤ちゃん……」 
「う、うるさ……!……あ、あはぁん……」 

すぐ耳元で聞こえる彼女の甘い言葉に、反論しようとした体の力が抜かれてしまう。 
横を見ると、すぐ近くに大好きな真紅の顔がある。 
遠くから見ていたときとは比べ物にならないくらい綺麗な顔が、私の顔のほんの数センチ前にあった。 
ドキドキしながらその可愛い顔を見ていると、それが徐々にこちらに向かって近づいてくる。 

「え……ちょ、ちょっとぉ……何する気……」 
「静かになさい……口をとじるの……」 

そう優しく囁くと、そのまま真紅はそっと目を閉じてピンク色の唇を前に突き出してくる。 

え、えぇぇぇ!……キ、キス?……キスしてくれるの? 
あ、あぁ……は、はやく……はやくぅ……その綺麗な唇で……水銀燈のお口を食べてぇ……。 

おもわず自分から吸い付きたい衝動を抑えながら、その唇が近づくのをじっと見つめる。 
そしてついにその膨らんだ口唇がピッタリと押し付けられると、それがはむはむと小刻みに上下に動く。 
真紅の唇は想像以上に柔らかく、マシュマロのような感触が私の頭の中をとろけさせる。 

「んぅぅ♪……んふぅぅぅ♪……んん、ん、んぅぅ……」 

してしまったらもう我慢なんてできない。 
私は真紅のその柔らかい唇に、いやらしくむしゃぶりついていた。 
唾液に濡れた舌を伸ばし、それを彼女の唇の肉に塗りたくるようにいやらしく嘗め回し、更にその口内にまで舌先を伸ばしていく。 
やけどしそうなほど熱い口内の体温に、おもわずふとももの内側が熱を帯び始める。 

あ、あぁぁぁ♪……これが……これが真紅のお口のなかぁ……♪ 
熱くてヌトヌトしててぇ……どうしてこんなにあまぁいのぉ……♪ 

心の中で狂喜乱舞しながら、私は更に真紅の口の中を蹂躙しつづけていく。 
彼女の口内の唾液を全て吸い尽くすように、ちゅ〜ちゅ〜と卑猥な音をさせながら吸い、それをゴクゴクと喉を鳴らしながら飲み込んでいく。 
そしてジュースのように甘いその液体を堪能すると、今度は自分の口の中で作り出した唾液を彼女の口の中に送り込む。 

「?……ん!……んぅ……ん、ん……」 

一瞬、真紅は私のその行為に驚いた素振りを見せたが、すぐにそれを受け入れた。 
さっき私がしたように、今度は私の体液が彼女の胃の中に送り込まれていく。 
人形とはいえ、女同士がするにはあまりにディープなそのキスは、まるで恋人同士がするそれと何ら変わりがなかった。 
そのまま最上の幸せを体感していると、真紅の方からその唇がスッと離される。 
あまりに濃厚にお互いの唾液を絡ませていたため、唇と唇の間にその粘膜がアーチのように伸びた。 

「……はぁぁぁ……あぁぁ……」 

私は名残惜しそうに息を吐くと、唇の端に残った真紅の唾液をペロっと舌で舐めあげた。 

「水銀燈……あなた、顔が真っ赤ね……まさか、いまのが初めてではないわよね?」 
「!?……と、ととっと、ととと当然でしょぉ……こ、これ以上のことも毎晩やってるわよぉ……あんたと違って……わ、私は経験豊富なんだからぁ……」 

本当は今のが生まれて初めてのキスだったが、いまだ素直になれない私はおもわず口からでまかせを言ってしまった。 
すると、今まで密着していた真紅の体が急に私のもとを離れ、そのまま彼女は自分のカバンの方に歩いていってしまう。 

「え……真紅……ど、どうしてぇ……」 
「……残念ね……処女ならこのまま続きをしてあげようかとも思ったけど……ヤリマンドールに興味はないの……」 

まるで興味がなくなったとばかりにそう冷たく言い放つと、真紅はカバンの蓋をカパっと開けてそのまま眠りの準備を始めてしまう。 
さっきまでの甘い一時が突然失われてしまい、激しい喪失感にくれた私はおもわず彼女に……。 

「ま……待ってぇ、真紅ぅ!……う、嘘よぉ……嘘なのぉ……ほんとは今のが初めてだったのぉ……だから最後まで水銀燈を可愛がってぇ……!」 

ついに、私の口からは本音とも言える言葉が漏れ出してしまった。 
まるで飼い犬が御主人様の機嫌をとるかのように、プライドも捨てて彼女にお願いをする。 

「お、おねがいぃ……もうアソコが疼いてしょうがないのぉ……今すぐ真紅に……水銀燈の処女膜破って欲しいのぉ!」 
「いやよ、めんどくさい……それに……そんな汚いおまんこなんて、触りたくもないわね」 
「う、うぅぅ……し、真紅ぅ……」 

そんな……ここまできてオアズケなんてぇ……。 
あ……でもでも、これってもしかして……放置プレイってやつぅ……? 
あぁん、そんな高等プレイを知ってるなんて……さすが私の真紅だわぁ……。 

「でも、そうね……どうしても欲しいのなら……あの子にしてもらえば?」 

真紅が指をさしたその先には、今の私達の情事を見て鼻を押さえているジュンの姿があった。 
鼻血でも出そうなのをこらえているのか、顔を真っ赤にさせながらうつむき、おまけにズボンの前が異様なほど膨らんでいる。 

「飢えているもの同士、ちょうどいいでしょう?……じゃ、おやすみなさい……水銀燈」 

その言葉を最後にパタンとカバンの蓋が閉じられると、部屋には私とジュンの二人の息づかいしか聞こえなくなった。 
そして、私は真紅によって熱くさせられた体をまっすぐジュンの方に向けていく。 

「ね、ねぇ〜ジュン……わ、私もうガマンできない……この際あなたでもいいわぁ……♪」 
「な……なんだよそれ……こ、こっち来るなって……」 

ギラギラとした獲物を狙う目をしながら、私はジュンの……主にその膨らんだ下半身を凝視しながら、徐々に間合いを詰めていく。 
性の経験のあるなしなどもはや関係なく、私はただ本能のままに男のペニスを求めていた。 

「ハァハァ……へ、平気よぉ……ちょっと乱暴になっちゃうかもしれないけど……なるべく痛くないようにするからぁ……ね?ね?」 

その言葉を言った矢先、私は背中の翼を大きく羽ばたかせジュンのその両足に絡ませた。 
バランスを崩した彼の体がドスンと床に倒れると、その体に馬乗りになるように抱きつく。 

「ウフフ……さぁ……ステキな初体験にしましょうねぇ……お互い……♪」 
「ひ……や、やめろ……やめろぉぉぉぉ!」 

私はジュンのその悲鳴を心地よく感じながら、その服を次々と切り刻んでいった……。 

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次の日の昼下がり。 
いつものとおり、机に向かってカチカチとパソコンのマウスを鳴らせている僕の背後では、胸焼けするほど甘ったるい雰囲気がかもし出されていた。 

「ねぇ〜ねぇ〜真紅ぅ♪……本なんて読んでないでぇ、水銀燈と遊びましょうよぉ〜、ね〜ぇ〜♪」 

甘い猫なで声を出しながら、水銀燈は、床に座って本を読んでいる真紅にかまって欲しそうに甘えていた。 
自分の顔を真紅のほっぺにスリスリと擦り付け、まるで雛苺のように抱きついて甘えるその仕草からは、昨日までの高慢な態度のみじんも感じられない。 

「ちょっと……そんなにベタベタとくっ付かないでちょうだい、暑苦しい……ウザイのよ」 
「!?……あぁぁ♪……ねぇねぇ聞いたぁ、ジュン?……水銀燈、ウザイって言われちゃったぁ……♪」 

今日は朝からずっとこの調子で、彼女はいままでたまっていたものを全て吐き出すように甘えていた。 
おまけに真紅に邪魔だのウザいだのと言われるたび、マゾの彼女にとってはそれが快感なのか、嬉しそうに体をよじりはじめる始末。 

「な、なんでそんなに嬉しそうなんだよお前は……ていうか、キャラ変わりすぎだぞ!」 
「ジュ、ジュンの言うとおりですぅ!……だいたいなんであんたは、この部屋に当たり前のようにいるのですかぁぁ!」 

僕の言葉に続き、水銀燈のあまりの変貌ぶりに驚いている翠星石が、彼女に向かってお得意の口調で話しかける。 

「あん、だって一人じゃ寂しいんだものぉ……あなたでもいいのよぉ、翠星石ぃ……その汚い言葉づかいで……水銀燈をなじってぇ、罵ってぇ……♪」 

ハァハァといやな息づかいをしながら、水銀燈は翠星石のその小さな体におもいきり抱きつく。 
そしてそのまま彼女の胸元に自分の顔をグリグリと擦り付け、いかにも嬉しそうな声で鳴き始める。 

「あぁん、はやくぅ……いつもみたいに罵倒してぇ……私をバカにしてよぉ……♪」 
「ひ、ひぃぃぃ〜〜!き、気味の悪いことを言うなですぅ!……こここ、この変態ぃぃぃ!!!」 

さすがの翠星石も彼女のその異常な性癖に恐怖を感じるらしく、抱きつかれた体を引き剥がそうと必死にもがき苦しんでいた。 
翠星石の嫌がる姿なんてそうそう見れないだけに、僕はその様子をただ黙って見つめていた。 

「や、やめなよ水銀燈……彼女、嫌がってるじゃないか……」 

双子が襲われているのを見かねたのか、彼女のもう一対のドールである蒼星石がその様子を止めに入る。 
水銀燈のその卑猥な行動を見るのも恥ずかしいらしく、顔を少し赤くさせていた。 

「あらぁ、あいかわらず真面目なのねぇ蒼星石……じゃあこんなことしたら、水銀燈のこともっともっと叱ってくれるぅ……?」 

そう言って彼女は翠星石から離れると、蒼星石に見せ付けるようにしながら自分のスカートをたくしあげる。 
黒紫の長いスカートが顔の辺りまで持ち上げられ、履いている下着がそのまま丸見えになってしまう。 

「!?……き、君って子は……ほ、ほんとに変態だよぉぉぉぉ!」 

まるで痴女を見た少年のようにウブな反応をしながら、蒼星石はそのまま一目散に部屋を出て行ってしまった。 

「あぁ……そう、そうなのぉ……水銀燈はマゾで淫乱の……変態女なのぉ……」 

取り残された彼女はそんな危ないことをつぶやきながら、ブルブルと体を震わせてその変態行為の余韻に浸っていた。 
すると今度は、今のやりとりを理解できないといったふうに見つめている雛苺が、その興味を我慢できずに水銀燈に話しかける。 

「すいぎんと〜ってぇ……まぞでいんらんの……へんたいさんなの〜?」 

おそらく自分でもまったく意味の分かっていないであろう言葉を使い、雛苺はその言葉の意味の象徴ともいうべき相手に質問を投げかけた。 
それを聞くと水銀燈は、新たな獲物を見つけたとばかりに目を光らせて、今度はその欲望を幼い少女にぶつけていく。 

「そう……そうよぉ、雛苺ぉ……あぁ……その汚れを知らない瞳で、もっともっとこのいやらしい私を見つめてぇ……♪」 

雛苺の純真無垢な瞳で見つめられるだけでも彼女にとってはたまらないらしく、またもやその体を震わせはじめる。 
そんな姿を見て雛苺は、おもしろい遊び相手でも見つけたかのように水銀燈の体にじゃれついた。 

「じゃあじゃあ!……ヒナがすいぎんと〜のこと、いっぱいいっぱいいじめてあげるのぉ〜♪……このへんたぁ〜い♪」 
「あぁん♪いい……いいわぁ♪……私達、仲良くなれそうねぇ……♪」 

「………………」 

意外にも気が合いそうな二人を見ながら、僕はただ絶句するしかなかった。 
そして、新しく僕の部屋の仲間に加わってしまったその人形に対して、昨夜から続く貞操の危機を感じずにはいられないのだった……。    
                                             終 

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長くなっちゃってスマン。 
ほんとはジュン、真紅、水銀燈の3Pみたいに書きたかったんだけど、最初と最後が長くなりすぎて収拾付かなくなったわけで。 
あとがきは、他のドールと水銀燈の絡みみたいのを書きたかったという話です。 

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