真紅のエロ無し投下。
評価が高かったらエロも作るかもな。
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桜田家。
ここには不思議なドール達が人間と共生している。
「わーい!ジュンと遊ぶのー!」
「仕方ないですぅ。翠星石も遊んでやるですぅ。」
「……姉さん、楽しそう。」
「ジュン。うるさいわ。静かにさせなさい。」
今ここにいるドールがすべてジュンの部屋に集まり、騒いでいる。
「おまえらうるさい!静かにしろー!」
パソコンでネットサーフィンをしていたジュンであったが、これだけの騒ぎのなかで集中できるはずもなくついにキレた。
「ジュンはヒナと遊ぶのいや……?」
「引きこもりの部屋に華をさかせているんですぅ。怒鳴られる筋合いはないですぅ。」
「……姉さん、楽しそう。」
「まったく……だめな下僕ね。」
また四者四様の返事が返ってくる。
「……風呂に入ってくる。」
パソコンの電源を切り肩を若干、いや、かなり落としたジュンは部屋をでて下へと降りていった。
「はあ〜〜〜……」
親父臭いため息だったが現在のジュンの状態を考えると仕方がないこと。
「まったく……なんでぼくの部屋に集まるんだよ……」
少々大袈裟だが今のジュンには、風呂に入っているときしか心休まる時はなかった。
(ここなら真紅たちも入ってこれないからな。)
流石にあいつらでもジュンの、ましてや年頃の男子の入浴に同伴することはないだろう。
という理由で最近は入浴が増えてきているジュンだった。
「さてと。そろそろ上がるか。」
ザバー。
ジュンは湯船から体を起こしてドアへ行こうとする。
「ジュン。入るわよ。」
動きだそうとしたジュンはそのままの形でフリーズしてしまった。
「ジュン。あなたの主人が今から入浴するのよ。下僕なら付き添いなさい。」
ぎぎぎ、と音が鳴りそうなくらい緩慢な動きでジュンがやっとのことで反応する。
「なんで、お前が、ここに、いるんですか?」
お約束通り何故か敬語になるジュン。
「二度も言わせないで。さっさとしなさい。」
有無をいわさない真紅の口調に、「……はい。」と情けなく従うしかないのはジュンの性格か男の定めか……
「もう少し右よ。何度言わせるつもり?」
「……うるさい。」
今のジュンの状況は、端から見ると非常に奇妙なものだった。
一回りも二回りも小さな少女に指示され、甲斐甲斐しく背中を流す一般中学男子。
(……なんでぼくがこんなことをやらなきゃいけないんだ。)
言い忘れていたがもちろん真紅は一糸纏わぬ姿。ジュンは腰にタオル一枚という姿。
「ほら!終わったぞ!さっさと石鹸を流して上がるぞ!」
早くこの気まずい状況を脱したいジュン。
「なにを言っているの。前がまだでしょう?」
「は?」
こちらを振り向きさも当たり前といったふうに座っている真紅。
対するジュンは口をパクパクさせながら顔を真っ赤にさせて戸惑っている。
「なにをしているの。さっさとしなさい。」
今の状況をなんとも思わないのか真紅は平然としている。
「……わ、わかったよ。」
覚悟を決めたのかジュンは恐る恐る真紅の体を洗い出す。
(やっぱり綺麗、だな。)
ジュンは真紅の体を洗いながら素直にそう思っていた。
白い陶磁器のような肌。僅かに膨らんだ乳房。その頂点に飾られたピンク色の粒。
そのすべてがジュンのうぶな心をどぎまぎさせる。
(なにを考えているんだよ!相手は人形だぞ。)
少し視線を落とすと、そこにあるのは球体間接。真紅が人形である証。
「上手ねジュン。素晴らしいわ。」
真紅の満足そうな答え。
「……こ、こんなの誰でもできるよ。」
ジュンは突然の賛辞に多少の照れを感じながら否定する。
しかし真紅は続ける。
「自分をそんなに低く見ないで、ジュン。ジュンにしか出来ないことが沢山あるわ。」
滑らかに歌うように真紅は言う。
「あなたは私を助けてくれた。他の子たちもあなたを慕っているわ。それはあなただからこそよ。他の誰かならできなかったわ。」
真紅の腕。ジュンが水銀燈に破壊された真紅の腕を繋げたのだった。
「だから自分を低く見ないでジュン。」
「あ〜!真紅どこいってたの〜!いい匂いがするの〜」
「まままま、まさか真紅は、チチチチビ人間と一緒にお風呂に……!?」
「……姉さん、落ち着いて。」
あいかわらずにぎやかなドール達。
しかしジュンはそれをもう疎ましくは思わなかった。
(こいつらはぼくを慕ってくれている。信じてくれる。一緒にいてくれる。)
ジュンはドールたちを見て自然に微笑んでいた。
ジュンのそんな優しい微笑みをみて、真紅も満足そうに微笑むのだった。
〜fin〜
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エロ無しだが。
気にしないで読んでくれ。