今日も朝から僕の部屋は騒がしい。真紅、雛苺、翠星石というドール達のせいだ。 
 いつものネット通販もゆっくりと出来ない。 

「ジュンくーん」 
 また騒がしい奴が来た。 
「何だよ、五月蠅いなぁ」 
「今日はみんなとお買い物に行ってくるからお留守番お願いよ〜」 
「えっ、何だよそれ」 
「ヒキコモリのチビはそこで大人しくしてろです」 
 ヒキコモリ!? 
 僕はヒキコモリじゃない。ただ学校に行ってないだけだ。 
 眼をギラつかせて馬鹿にしてくる翠星石を睨んだ。 
「ヒキコモリは禁句だぞ!」 
「ノリー、ジュンが翠星石をいじめるですー」 
「ジュンくん仲良くしないと駄目よ」 
「コッ、コイツが!」 
「ジュン、行ってくるから良い子にしてるのよ」 
 さっきから黙っていた真紅が振り返って言った。金色の髪を優雅に揺らして。 
 もう良い子にしてなさい、などと言われる年齢ではないのに。 
「ジュン、行ってくるねー」 
 雛苺はいつもの子供子供した笑顔。ピンクの服がいやに子供っぽさを出す。 
「僕も行ってくるよ、ジュン君」 
 シルクハットが目立つ蒼星石。双子の翠星石とは比べものにならないくらい良い子だ。 
「ジュンくん、お留守番お願いねー」 
 1人と4体が階段を降りていく音。 
 そして玄関の扉が開く音。 

 久しぶりに一人になった。さて、何をしようか。 
 しかし、いざ一人になってみるとやってみたい事は特にない。ネット通販もさっきやってしまった。 
 とりあえずベッドに寝転がって考えてみる。 

 車? 
 いや、ミニカーを眺めるだけになる。 

 んー、思いつかない。 
 意味無く布団にくるまってゴロゴロしてみる。 

――――と、 
 パソコンのモニターが膨れ上がっているのに気がついた。 
 これはもしかしてアイツが…… 

「あら久しぶり人間」 
 予想は的中していた。風船のように膨れ上がったモニターから水銀燈が現れた。 
 いつになく優しげな顔をして。 
「な、何の用だ」 
「そんなに怖がらないで。私はもうあんな事はしないわ」 
 目の前まで近寄ってくる水銀燈。何か妖しい顔をして。 
「う、嘘だ」 
「嘘じゃない。人間、いやジュン、私を許してくれるかしら?」 
 真紅の腕を千切ったドールを許せる訳がない。 
「許せる訳ないだろ」 
「そうよね。だから私償うわ」 
 いきなり水銀燈がキスをしてきた。 

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「な、何を……!」 
「私がこの体を使って償うから許して」 
 償うって僕はそんな事を望んでない。 
 でも、水銀燈は何をする気なのだろうか。少し期待をする自分が嫌になった。 
「償ってどうするんだよ」 
「私も真紅と同じようにジュンと暮らすの」 
「嫌だ。僕はアイツ等だけでもうんざりしてるんだ」 
「嘘を吐かないで。真紅達と居るジュンはとても楽しそうよ」 
「楽しくなんかない。真紅はいつも命令するし、雛苺はうるさいし、翠星石は性悪だし、蒼星石は……良い子だけど、とにかく楽しくない」 
「ふふふ。ほら、そうやって真紅達の事を話してる時も楽しそうよ」 
「ち、違う」 
「違わないわ。だから私もジュンと暮らしたい」 
 突然、水銀燈が僕の性器を触ってきた。ズボンの上から撫でるように。 
 白くて細い指がいやらしい。 
 指が当たる毎に気持ち良い感覚が脳を伝う。今までに味わった事のない感覚。 
 僕はその感覚に酔っていた。 
「どう?気持ち良い?」 
「何かわからないけど気持ち良いよ……」 
「もっと気持ち良くしてあげる」 
 水銀燈が撫でていた場所のファスナーを開く。 
 大きくなってしまった性器がトランクスを押し上げていた。 
 先の方が少し濡れている。 
「もうこんなになってるじゃない」 
 小さな手でトランクスごと包む。そのふわりとした感覚は僕を更に酔わせた。 
 まるで母のような包容力。それなのに艶めかしい女性らしさを持つ水銀燈。 
 見惚れていた。 
 僕は水銀燈という存在に見惚れていた。 

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「もっとして欲しいでしょう?」 
「うん……」 
 僕はそう答える事しか出来なかった。 
 脳から求めろという命令しか来なかったからだ。 
 このままもっと水銀燈にされたい。気持ち良くなりたい。 
「ふふふ。口でしてあげる」 
 水銀燈がトランクスから硬くいきり勃つ性器を取り出し、両手で優しく掴む。 
 何か暖かくて、安心してしまう。指はひやりとしているのに何故か暖かい。 
 暫く指を動かして快感を高めてくる水銀燈。 
 と、 
 いきなり僕のソレを口に含んだ。ビクリと自然に体が浮いてしまう。 
 水銀燈はそれに気を良くしたのか口の中で舌を強く押し当ててくる。 
 体が震えてしまう。こんな感覚味わった事がない。 
 水銀燈はお構いなしに性器を吸い込んできた。 
 またビクリと反応する体。下腹部に何かが込み上げてくるのが分かった。 
「う……水銀燈、何か出そう……」 
 水銀燈はニコリと笑うと舌で舐め回し、更に強く吸い込んできた。 
 何かが来る。水銀燈の口の中に出してしまいそう。 
 水銀燈の最後の一撃。はち切れそうなソレを舌で突ついた。 

「あぁっ……!」 
 思わず声を漏らす。 
 初めての性的な絶頂。僕はその快感に目の焦点すら合わなくなった。 
 水銀燈の口からは白い液体が流れて、それをもったいないと飲み干していく。 
 何を出してしまったのだろう。快感に酔い痴れてふらふらする頭を使って考えてみる。 
「ふふ……美味しいわ。ジュンの精液」 
「それってせーえきって言うのか?」 
「知らないの?ジュン。もしかして初めての射精かしら」 
「射精って……?」 
「本当に初めてだったのねぇ。精液を出す事よ」 
 知らなかった。こういう事からは何となく避けてきたから。 
 今初めて知った。僕から放たれた白い液体が精液だって事、そしてそれを出す事を射精という事。 
 僕がそんな事を思っていると水銀燈はするすると、黒い服を脱ぎ始めた。 
 ぱさっと黒い服を脱ぐと、黒い下着が見える。凄く艶やかで美しい。 
 綺麗、と素直に思ってしまった。 
 しかし、その下着はショーツの下辺りだけが周りより黒くなっていた。 
「ジュン、私あなたのをくわえてるだけでこんなになっちゃった」 
 ショーツを指さす水銀燈。その顔は朱に染まっていて大人の女性を感じさせる。 
 水銀燈は僕の顔まで歩み寄ってその黒く濡れた場所を唇に押しつけた。 
 鼻からは理性を失ってしまいそうな女性の匂い。 
 唇にすりすりと擦り付けてくる。 
 その度に水銀燈の口から官能的な声が漏れて僕をまた性の世界に誘う。 

「ジュン、脱がしてそこを舐めて」 
 本能が働いたかのようにショーツを一気にずり降ろす。 
 目の前には水銀燈の性器。ドールなのに陰毛が生えている。 
 髪の色と同じ銀色。綺麗な銀色。 
 以前、学校で毛が生えていない方が綺麗で良いと聞いたのを思い出したが、水銀燈の性器は毛が無いより綺麗だと思った。 
 水銀燈の性器は濡れていて、それをすくうように舌を動かす。 
 途中でコリッとした感触が舌に当たると、水銀燈はビクッと体を震わせて喘ぐ。 
 ここが気持ち良いのか、と何度も責めた。 
 やっぱり気持ち良いらしい。その度にいやらしい声が響く。 
「ぁん……ジュン、巧いわ……」 
 何故か嬉しくなってもっと舌を動かした。 
 割れ目の中に入れてみたり、つつーと性器の輪郭をなぞるように舐めたり。 
 色んな方法で水銀燈を気持ち良くしてあげようとした。 
「も、もういいわ……次はジュンのコレで気持ち良くして……」 
 僕の性器をしごく水銀燈。僕のそこは既に硬くなっていた。 
 性器を唇から離し、僕の性器の上に腰を降ろす。 
 ギュゥゥ……と締め付けられる快感。 
 でも、水銀燈は痛そうに顔を歪めていた。 
「だ、大丈夫か?」 
「だいじょう……ぶよ……腰、動すわよ……」 
 決して大丈夫ではない顔をしているのに。僕を気遣っているのだろうか。 
 そんな姿が可愛くて。 
 それだけで射精してしまいそうになったというのに、水銀燈は腰を動し始める。 

 互いの性器が擦れ合い、いやらしい水音を立てる。 
 気持ち良すぎてどうかしてしまいそう。また射精しそうなあの込み上げてくる感覚が来る。 
「す、水銀燈、僕……」 
「まだ駄目よ、我慢して……」 
 拷問のような事を。こんな快感から逃げられる訳がない。 
 必死に射精感を耐えても、水銀燈は僕をいじめるかのように締め付けてくる。 
 もう駄目だ。出してしまう。 
「あぁぁっ……水銀燈!」 
「ジュン!」 
 水銀燈が僕の胸に倒れこんでくる。 
 それと同時に射精してしまった。熱い水銀燈の中に出してしまった。 
 水銀燈は体を火照らせてビクビクと痙攣してるかのように震えている。 
「私初めてだったけどジュンとだったから痛くなかったわ……」 
「―――――」 
「許してくれる?」 
「うん……」 
 水銀燈はそれを聞くと嬉しい、と言って目を閉じて眠ってしまった。 
 僕も寝よう。真紅達に見つかってもいい。 
 水銀燈と繋がったまま、水銀燈を抱き締めたまま―――― 

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それでいてやっぱり水銀燈がいい! 

と思って書き始めたSSでしたが結構長くなってしまいました 
やっぱりエロは難しいですね 
で、またこの続編書くと思いますのでその時はまたよろしくお願いします 

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