桜田家の全員が夕飯を食べ終わり、ジュンとのりは自室で勉強、蒼星石以外のドールはくんくんを見ている。 
真紅が狂ったように画面に話しかけているが、もう慣れたのか誰も気に止めるような事はなかった。 
 翠星石は席を外し、1人で黙々と食器を洗っている蒼星石に歩み寄った。 
「蒼星石ぃー、翠星石も手伝うですよ」 
「あ、うん。ありがとう」 
翠星石はそう言うと、蒼星石と同じく踏み台を使って台所に立つ。 
 こんなやり取りをしていると、昼間のあの行為が無かった事のように思える。お互いにあんないやらしい表情をしたり 
あんな声を出していたり、あんな事をしていたなんて嘘のようだ。ひょっとして自分は夢を見ていたのではないか 
と思ってしまうくらい。 
 しかし、そんな感覚は翠星石の行動によってあっさりと破られる。 
「―――ひいっ……」 
 蒼星石はビクッ、と体を震わせ小さく喘いだ。危うく食器を落としそうになる。 
「な、何してるのさ翠星石……」 
「見て分からないですか? 蒼星石のおしりを触っているのですぅ」 
 蒼星石は小さな声でそう尋ね、翠星石も小さな声でそう答え、いやらしい手つきで蒼星石の体に触る。 
蒼星石は困ったような弱気な声で言った。 
「だめだよこんな所で……真紅達に見られたら……」 
「そうですね、見つからないように声を立てないよう頑張るのですぅ♪」 
 昼間と変わらない悪戯笑みを浮かべ、踊るような明るい声で翠星石はそう言った。昼間と唯一違う点は、声の大きさのみ。 
「そ、そんなぁ……んっ……」 
 翠星石の左手が蒼星石の尻を撫で回し、右手はわき腹をくすぐる。“こっちから誘う手間が省けた”と能天気な事を 
一瞬考えたが、そんな事考えてる場合ではなく、全神経を集中させ声を抑えるよう努めた。 
雛苺や真紅はくんくんに夢中とはいえ、いつこちらに気付くか分からない。 
「やめ……てぇ」小声で翠星石に訴えかける。「気付かれちゃうよ……」 
 翠星石は蒼星石の全身を撫で回しつつも、彼女の耳に口を付け、甘く囁く。 
「だ・め・で・すぅ♪」 
「……み、耳は……耳はぁ……」 
「へえ……耳がいいのですか?」 
 翠星石は不意に、蒼星石の耳を甘噛みし始める。この間にも翠星石の手がわき腹や尻を這い回っている。 
「ひっ……あぁ……」 
「あむ……はむはむ……」 
「かぁ……まないでぇ……きづかれちゃう……」 
蒼星石の顔は完全に弛緩し、口元から涎が垂れる。 
 流石にそろそろ真紅達に気付かれると思い、翠星石は蒼星石を誘惑するのをやめた。そして耳元で 
「……今夜、皆が寝たら……鏡の部屋で続きをやるですぅ……」 
と呟くと、蒼星石の頬に軽くキスをし、何事もなかったかのように席に戻った。 

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 雛苺、真紅は既に鞄の中で、のりは自室で寝ている。翠星石と蒼星石を除いて、桜田家で起きているのは自室のパソコンに夢中な 
桜田ジュンであった。翠星石と蒼星石は、何とか彼を寝かしつけようと説得してる。 
「チビ人間! さっさと寝るですぅ!」 
 ジュンの自室に、翠星石の怒鳴り声が響いた。しかしジュンも負けじと反論する。 
「うるさいなあ……いつ寝ようが僕の勝手だろ、第一まだ9時半だ!」 
「もう9時半なのです! チビ人間も真紅達を見習ってとっとと寝るのですぅ! これだからチビ人間はダメなのです!」 
「なんだとー!」 
 この大騒音で寝るに寝れない真紅と雛苺をよそに、ジュンと翠星石は埒の開かない言い合いを続けている。 
流石にこのままでは埒が開かないと思い、ふう、とため息を着いて、蒼星石は2人の言い合いに割って入った。 
「ジュン君……翠星石は、口ではこう言っているけど、本当はジュン君の事すっごく心配してるんだよ?」 
 姉とは正反対に、物静かな口調で話しかける。翠星石は“そんな訳ない”と言おうとしたが、蒼星石は目でそれを制した。 
蒼星石の主張を聞き、ジュンは先程とは裏腹に急におとなしく弱弱しい口調になる。 
「あ、ああ……」 
「……ジュン君、最近夜遅くまで起きてるそうじゃないか。ダメだよ……そのせいで朝起きるのも遅いから、のりさんや皆が 
起こしてもなかなか起きてくれないし、第一そんな事じゃ生活リズムが崩れて、体壊しちゃうよ?」 
「……だ、大丈夫だよ」 
「大丈夫じゃないよ」眉を僅かに顰め、両手を腰に当てる。「それで体調を崩したら、翠星石や皆に心配かける事になっちゃうよ?」 
「そ、それは……」 
蒼星石は今度は寂しそうに目を伏せる。隣に居た翠星石は、蒼星石が涙目になっているのを見て驚いた。 
「……僕だって嫌だよ、ジュン君が体壊すなんて。だから……」 
 蒼星石はジュンに歩み寄り、小さな両手でジュンの手を握った。そして上目遣いで――― 
「―――……僕からもお願いだよジュン君……寝て……?」 
 ジュンは照れて蒼星石の熱い視線から目を逸らした。可愛い、とジュンは素直にそう思った。 
「……わ、わかったよ……寝ればいいんだろ……」 
 渋々折れたジュンを見て、やった! と蒼星石は胸の内で歓喜の声を上げた。 
蒼星石の色気に完全に魅了されたジュンを放って、蒼星石は振り返る。 
「―――じゃ、行こうか、翠星石♪」 
 蒼星石はジュンに気付かれないように、自分の色仕掛けを見て唖然としている翠星石にウインクをしてみせた。 
(ふふ……これで翠星石と2人きりに……♪) 
(蒼星石……い、色仕掛けなんて、どこで覚えたですか……) 
 蒼星石は翠星石の手を引いてジュンの自室から出ると、少し早歩きで鏡の部屋へと向かった。 

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 桜田家の明かりが消え、居間や廊下は真っ暗であった。最初は蒼星石が翠星石の手を引っ張って歩いていたが、いつの間にか 
翠星石が蒼星石をリードしていた。暗闇のせいで歩きにくい為、自然と歩く速度が落ちてしまったのだろう。翠星石はこの暗さにも 
関わらず、壁にぶつかったり物につまずく事もなく、しっかり手を繋いでスイスイと歩いて行った。 
鏡の部屋に着いたのだろう、翠星石は立ち止まり、扉をそっと閉めた。 
 鏡の部屋も真っ暗で静かだ。暗さに目が少し慣れて来たとはいえ、やはりほとんど何も見えない。 
「く、暗くてちょっと怖いね……」 
 弱々しく蒼星石はそう呟き、繋いでいた翠星石の手を先程までよりも強く握る。それを聞いた翠星石も、手を握り返してくれた。 
「大丈夫です、翠星石が付いてるですから」 
 そう優しく言ってくれる双子の姉に、蒼星石は何ともいえない安心感を覚える。 
「翠星石ぃ……」蒼星石は翠星石に抱きつき、顔を彼女の胸に押し付けた。「今夜は……思いっきり甘えていい?」 
翠星石はにっこりと微笑み、擦り寄る双子の妹をそっと抱きしめる。 
「―――いいですよぉ……た〜っぷりと可愛がってやるですぅ……」 
 翠星石が蒼星石の唇に舌を這わせ、次の瞬間には、もう舌は蒼星石の口内に滑り込んでいた。 
「んぅ……」 
「んむぅ……れりゅ……」 
 翠星石は舌を絡ませつつも、腰やお尻、首筋などの箇所を絶妙な手つきで触る。蒼星石は快感に悶えながらも、舌を絡ませ続けている。 
 皆が寝静まり、灯りと生活音が消えた無音とも思えるこの空間の中で、唯一聞こえる物は双子の姉妹が愛し合う音。 
双子の姉妹の体と舌が絡み合い、2人の喘ぎ声と性欲がそそられるような生々しい水音が鏡の部屋に静かに響く。 
「―――ぷはぁ……」 
 翠星石は甘く濃厚な口付けをやめると、ゆっくりと押し倒した。そして蒼星石の上半身を半裸にさせ、小さくとも形はいい乳房に 
そっと触る。 
「んあぁ……」 
蒼星石は乳房に走る快感に、思わずそう喘いだ。彼女は腕をだらりと上げ、翠星石に弄ばれるがままになっている。 
翠星石は蒼星石の乳首を優しくつまんだ。 
「ひいっ……!」ビクン、と体をくねらせ、先程よりも大きく喘ぐ。「あ……ああ……や、やめぇ……」 
「蒼星石」人差し指を蒼星石の唇に当てた。「静かにするですよぉ、誰かに気付かれたらどうするですかー……?」 
「だ、だって……」 
 そう呟き、蒼星石は恥ずかしそうに口ごもるが、翠星石はこのまま押し黙る事を許さなかった。 
「“だって”なんですぅ?」 
「な、なんでもないよぉ……」 
「なんでもなくないです、ちゃーんと言うですよぉ♪」 
 悪戯な声で蒼星石はそう問い詰められる。頬は真紅のドレスを思わせる程真っ赤に紅潮していた。 
そして観念したのか、蒼星石は弱々しい声でポツリと呟く。 

「―――……気持ちいいんだもん……」 

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「……蒼星石もずいぶんとエッチな事言うようになったですねぇ♪」 
「そ、そんな事言わないでよ……翠星石のばか……」 
 翠星石はニヤニヤと悪戯な笑みを浮かべながら、そう言った。蒼星石は本当に恥ずかしかったのであろう、今にも泣きそうな顔をしている。 
その表情を見て、翠星石は心の中の何かをそそられ、震える。 
 蒼星石の泣き顔が、翠星石の人工精霊が放つ淡い光に照らされた。この光によって蒼星石の表情が先程よりもハッキリ見え、 
翠星石は呼吸を荒げながら蒼星石のどこかそそられる表情を見つめる。ああ、ゾクゾクする。 
「あ、バカって言ったですね? ……せっかく言えたご褒美あげようと思ったんですけどねぇ……」 
「うぅ……ご、ごめん……」 
「口で言うのは簡単ですぅ……こういうのは、行動で示すモンですよー♪」 
「こ、行動……?」 
 翠星石は明るい声でそう言うと、ドレスを脱ぎ始めた。身に纏っているのは下着のみ。そして翠星石は押し倒している蒼星石の 
両脇を掴み、そのまま蒼星石ごとゴロンと体を回転させた。そして強制的に蒼星石が翠星石を押し倒すという姿勢になる。 
「……蒼星石ばかり気持ち良くなってずるいのですぅ……たまには蒼星石が攻めをやるです」 
「え……攻めって言われても……」 
 翠星石は少々照れながらもそう言うと、両腕をだらりと上げた。それを見た蒼星石が明らかにうろたえる。 
今までは翠星石の方から積極的にリードしてくれたので、自分から攻める事など考えた事もなかった。……何より、このような 
行為で相手に肉体的快感を与えるテクニックに、自信など微塵も無い。 
「早くしろですぅー」 
「うぅ……」 
 とりあえず、恐る恐る双子の姉の豊満な胸を指で突付いてみる。ぷるん、と揺れた。今度は揉んでみる。 
反応をうかがう為に、蒼星石は不安気な表情でチラチラ翠星石の表情を見る。翠星石が無表情な事もあってか、蒼星石の不安は一層濃くなる。 
「…………」 
(き、気持ち良くないのかな……やっぱり) 
(お、思ったより上手いのです……でも、不安気な表情もウブでこれまたグッと来るですぅ♪) 
 翠星石は快感を感じていたが、あたかも何も感じていない素振りを見せつけた。今度はどんな顔をするだろう。 
「はあ……」翠星石はわざとらしく、ため息を着いた。「本当に下手ですねぇ蒼星石は……とーんだ期待はずれですっ!」 
「……ご、ごめん……なさい」 
 蒼星石は翠星石の乳房から手を離すと、しょんぼりとした声でそう謝った。人工精霊の放つ薄明かりが 
今度こそ本気で泣き出しそうな蒼星石の表情を照らす。……さすがにいじめ過ぎたか。 
「……い、いくら下手でも……そんな言い方しなくてもいいじゃないかぁ……」 
「な、泣くんじゃないです……ほんの冗談ですよぉ。ホントはそんなに悪くなかったです」 
翠星石は両手の平を向けて、なだめるように言った。 
「……本当に良かった?」 
「もちろんですぅ……ほら、これが証拠ですよ―――んっ……」 
 翠星石は蒼星石の手を取ると、それを純白のパンツの中に押し込んだ。直後、蒼星石の手に、ぬるり、とした感触が伝わり 
翠星石は甘く悶える。 

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 蒼星石の手に伝わる“ぬるり”とした感触は翠星石の愛液による物だとすぐに分かった。そして双子の姉の甘い喘ぎ声に 
思わず“ゴクリ”生唾を飲む。室内が静かな事もあってか、その音がやけに大きく響いてしまい、翠星石は呼吸を荒げながらもクスリと笑った。 
「もう、何してるですか、固まってないで早く何かするですよぉ」 
「あ、うん……」 
 蒼星石はハッと我に帰ると、力を入れすぎて痛がらせないようにそっと双子の姉の秘部を指で弄る。 
「―――んあぁ……そうですぅ……そ、その調子ぃ……」 
翠星石の快感で弛緩した表情を、スィドリームの放つ淡い薄明かりが照らした―――可愛い……。 
蒼星石は双子の姉の秘部を愛撫しつつ、そっと自身の唇を翠星石の唇へと近付けた。やはり自分からするのは緊張する……。 
互いの唇の距離が縮まるに連れて蒼星石はそっと瞳を閉じる。双子の姉の乱れた吐息が目前に迫る――― 
―――ゆっくりと双子同士の唇が重なった。 
 戸惑いながらも、蒼星石は双子の姉の口に舌を滑り込ませる。翠星石がやってくれたように……。 
「ん……んむぅ……れふぅ……」 
「んむ……れりゅ……」 
 翠星石は自身の秘部に与えられる刺激のせいもあってか、蒼星石の舌にむさぼりつくように自身の舌を絡めた。 
今までよりも、長く、甘く、濃く、激しく、淫らなキス……まるで互いの舌に蜜でも塗ってあるかのように、舌を絡め合った。 
 翠星石は快感に震える手に鞭を打ち、それを蒼星石のズボンに滑り込ませる。 
「―――んああぁ!」 
 蒼星石は全身に電流のように迸った快感に思わず声を上げ、その細い体は、ビクン、と跳ね上がった。そして全身の筋肉が完全に弛緩して 
押し倒していた翠星石の上にグッタリと倒れた。口元からは先程の甘いキスのせいか涎が垂れ、表情は完全に虚ろになっている。 
翠星石の秘部を刺激していた手の力までも抜けてしまった。 
「……あぁ……や、やめ……」 
「はあ……はあ……で、でかい声を出すなと……言ったはずですよぉ……」 
 翠星石は息を荒げながらそう呟くと、再び蒼星石を押し倒した。双子の妹の口元からだらしなく垂れる涎を、舌で舐め取る。 
そして翠星石は蒼星石の秘部を手で弄るのをやめると、乱暴に彼女のズボンと下着をずり下ろした。 
「わっ……ま、まって……」 
「待つ訳ないですよぉ……♪」 
 翠星石は悪戯な笑みを浮かべると、蒼星石の股を無理矢理開かせる。 
「そんな事したら声が……」蒼星石がそう訴えかけるも、翠星石は無視して彼女の秘部に舌を這わせた。「―――ひいっ……!」 
 翠星石は這わせた舌を巧みに転がして、蒼星石に快感を与える。 
「やめてやめ、てぇ……みつかるよ、みつかぁ……ああ……っ!」 
 蒼星石は歯を食い縛り、声が少しでも漏れないように両手で強く口を塞いだ。 

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