史上最悪の作戦 みっちゃんの野望編
その日は、ある者にとっては天国。ある者にとっては地獄だった。
「さぁ、脱ぎ脱ぎしましょうね」
波の様にしなやかに、その肌を流れる大人の手が、子供の様な、と言うより人に比べて
スケールの小さなサイズで出来ている腰を掴む。
少しの間、心地よいくびれの感触を楽しんでいた両の手は、不意に既に腰までずり下げられていた
ドレスを一気に、しかしスムーズに取り払い、当然腰が浮く事になる服の持ち主はどうしようもないまま、
ころりと転がった。
服の持ち主、今や下着と靴下だけとなった水銀燈の、さらりとした銀髪がふわりと風になびき、
流れる様に床に広がった。
「い…いやぁ…やめて……」
マンションの一室。
金糸雀のミーディアム、みっちゃんの部屋からは、みっちゃんの息づかいと、それに合わせるかの様な
水銀燈の弱々しい哀願の声だけが聞こえていた。
「綺麗だわ…。本当に、綺麗、綺麗よ…。流石は、人より美しくあるべく生み出されたローゼンメイデンね」
言いつつ、みっちゃんの両手が小さくもふくよかな胸を両手で包み、そしてゆっくりと揉みしだく。
「んぅ…!」
「この形、柔らかさ、そして乳首の色に乳輪の大きさ…ああ、女の私が、嫉妬どころか欲情してしまう…。
こんな風に…」
みっちゃんの口は、先ほどさんざんついばんだ水銀燈の両胸を再びむさぼる様になめ回し、そして右から左、
左から右へと濡れた舌を往復させる。
濡れそぼる肌は鈍く輝き、丘の上に達した舌は、登頂のご褒美とばかりに山頂の乳首を舐め、転がし、
そして吸い、噛む。
「あぁっ! やあぁっ!」
か弱い悲鳴に泣き声を混じらせ、水銀燈は眉をひそめて身をよじる。
「何がいやなのかなぁ?」
みっちゃんは痙攣する様に身を反らせる水銀燈を両腕で抱きかかえ、執拗に乳首を舌で転がし続ける。
時折甘がみのアクセントを入れると、水銀燈はそのたびに喘ぎ声とも、泣き声ともつかない声を上げて頭を振る。
「ふふ…可愛いわ…。お羽根がばさばさと動いているわよ」
みっちゃんは左手を腰から離し、その手を背中の羽根に沿わせて撫でる。
「柔らかぁい。体だけじゃなくて、羽根まで柔らかいわ…」
「あっ! う…ぅあん…!」
羽根の間に指をなぞらせ、付け根から羽根の先、羽根の先から付け根へと指を泳がせる。
「やぁぁっ! あっ! あっ! ひう…っ!」
胸への愛撫は一時やめているにもかかわらず、羽根への接触だけで今までと同じか、それ以上の反応を見せる水銀燈。
涙が頬を濡らし、息苦しそうにあえぐ口元からはよだれが流れている。
「うふふ、羽根も感じるのね…」
「そ…んな……事……な……ない……」
一欠片の羞恥心が、息も絶え絶えの口から否定の言葉を紡ぐ。
「ううん…。こんな恥ずかしい事していても、まだ理性が残っているのね。なんて素敵…」
「あたしは…あたしは…アリスに…な…なって…めぐを……ひあぁっ!」
水銀燈は意識を飛ばすまいと、麻痺しかけている意識から必死にベッドで苦しんでいるめぐの姿を思い浮かべていた。
あたしは、めぐを…。
だが、突如最後の聖域であった下着の中へと滑り込んだ細い指が水銀燈のまだ閉じられた蕾に触れる。
蕾の突起が爪でつつかれ、水銀燈は全ての思考を銀色の光の向こうへ飛ばしてしまった。
「今は他の子の事考えちゃ駄ぁ目。例え今だけ、仮初めの触れ合いの時間でも、今の貴女は私だけの
お人形さんなの。今は、今の貴女は、身も、心も、全て私のものなのよ。水銀燈…」
しっとりと濡れている下着の下で、指が水銀燈の股間を触手の様になで回す。
「ふあぁっ! きゃうぅっ! あっ! はぁ…あうっ!」
下着に手がかけられ、戸惑う間もなくそれは一気に足下までおろされた。
突如外気にさらされた秘部に鳥肌が立ちそうになる。
不意に体が浮き、数秒後には柔らかな感触の布団の上に仰向けで寝かされた。
おもむろに両足がハの字に広げられる。
そして、股間に触れた空気の異質さに気付き、瞬間的にそれが何かを理解した水銀燈は息をのむ。
「やぁぁぁーーーっ! いやぁーーーっ!」
顔を上げて抵抗しようとするが、既に体からはまともな力は抜けている。
かろうじて視線を足下へ向けると、両手で太ももを持ち、その顔を股間に近づけているみっちゃんの頭が見えた。
「いやあぁぁっ!」
羞恥に泣き叫ぶその表情。
その顔からは普段の権の強さはとうの昔に消え失せ、今はただただ許してと泣きながら請う弱々しい表情のみ。
だが。
「駄ぁ目って言ったでしょ? うふふ…あーん」
「ひうっ! ああぁっ!」
汚れを知らぬ花園。
滑らかな曲線を描くすじに、みっちゃんの赤い唇が重なる。
「あむ…」
最初に上唇が触れ、そのまま下唇で、雪の上に線を引いた様なすじ全体がくわえられる。
「んー…」
「うぁあっ!」
ぱっくりとくわえ込んだ口の中で、舌が動き出す。
熱い舌の感触はまずすじを上から下まで、羽根で撫でる様に舐め回す。
みっちゃんの舌には、そこに触れた時から既に、唾とは違うぬめりがまとわりついていた。
「水銀燈、貴女のあそこのおつゆ、おいしいよ…」
舌が、水銀燈のすじからしみ出る愛液をしゃぶり続ける。
「あっ! あっあっ! いやぁっ!」
次に、十分ぬめりを纏った舌の先がすじを何度も往復しながら押し広げ、程なく舌先が肉の突起に直接触れた。
「!!!」
水銀燈は声も出せぬまま、ただただその細い体を仰け反らせ、必死に未知の感触が巻き起こす
しびれる様な、突き刺す様な、そして何より体を串刺す様な、頭を狂わせる様な快感に耐える。
「ここが、あなたの一番奥ね…」
みっちゃんの舌はクリトリスを転がす様になめ回した後、その下にそっと開く小さな小さな穴へ進入を試みる。
舌が、小さな小さな膣の中へと進入しようとするも、流石に中々うまく行かず、みっちゃんの舌がまだ幼い肉の壁を
刺激する度に、水銀燈は涙をぼろぼろとこぼし、歯を食いしばってしびれる様な感触に耐える。
不意に、股間から唇が離れた。
最後まで筋の間へ進入しようとねじり込まれていた舌がゆっくりと離れ、そこからはねっとりとした糸が一筋流れる。
「…はぁ…はぁ…」
半ば呼吸も忘れていた水銀燈は、一瞬これで解放してくれると思ってしまう。
勝手に、気を緩めてしまう。
その時。
只でさえ羞恥の極みとばかりにあけ広げられていた股間が、今度は持ち上げられた。
そして、再びみっちゃんの唇が迫る。
突如、信じられない場所に舌の感覚を感じた。
それは、筋の後ろの蕾。
もう一度顔を上げたその時、水銀燈は自分の股間の更に後ろへ顔を埋めているみっちゃんを見た。
「いやぁぁぁっ!」
水銀燈はいよいよ子供の様に泣き叫び、力の入らない体ながらも必死に逃れようと体を反らせる。
「やめてぇ! おねがい! やめてぇっ! 穢れる! 穢れちゃうぅっ!」
ローゼンメイデンとして生まれた本能の焼き付けが、最後の砦として抵抗を始める。
だが。
「もう、こんなに穢れているのに?」
「!」
みっちゃんの言葉は最後の精神の砦を、大波に崩される砂山の様に脆くも消し去る。
「ほぉら…。見て、あなたのおしりを舐める度に、前のお口がもっともっとって、こんなによだれを流しているのよ?」
みっちゃんはすじを舐め、そのまま舌をゆっくりと離す。
舌には、ぬらぬらと光る愛液が糸を垂らしていた。
心臓が止まるかと思った。
心は決して屈してはいない。
心さえ屈しなければ決して体も…。
だが、既に心と体は分離していた。
それを知った瞬間から、水銀燈の瞳からぽろぽろと涙が止めどなくこぼれ続ける。
透明な水の粒は頬を伝い、胸に落ち、水晶が生み出された。
絶望に力が抜けた水銀燈は布団に崩れ落ち、呆けた様に天井を見つめていた。
「もう…もう、あたしは…本当に穢れて…壊れて…ジャンクに…めぐ…ごめん…ごめんね…」
絶望が感覚を消失させる。
しかしみっちゃんは水銀燈を抱き上げ、優しく、強く抱きしめながら耳元でささやく。
「穢れていないわ。本当は、あなたが穢れていると思っているだけよ」
みっちゃんの瞳がまっすぐに水銀燈を見つめた。
「……?」
何の事か解らず、しかし一縷の望みを無意識に求め、きょとんとした表情で水銀燈がみっちゃんを見つめる。
「貴女は愛されているのよ、水銀燈。愛されている人は、決して、絶対に穢れはしないわ。今の貴女は、
私の目には眩いくらいに輝いて見えるわ。そして、誰かの為に涙を流す貴女はこれ以上ない程にアリスに
近い存在よ。貴女は、天使だわ」
先ほどまでの恐ろしいほどの気迫は消え去り、無垢この上ない微笑みが水銀燈の瞳に吸い込まれ、
その笑みは先ほどまで水銀燈が流していた涙とはまったく違うそれを頬に伝わせる。
「さぁ、体が冷えちゃうわ。お風呂、一緒に入りましょう」
「……」
何か、全ての悲しみが救われた様な気がし、水銀燈は無意識に頷く。
あたしは、嬲られたのではないのかもしれない。
あたしは、この人なりの愛し方で愛されただけなのかも知れない。
水銀燈はみっちゃんの微笑みに希望の明かりをともしかける。
「さぁ、それじゃお風呂で続きしましょ。こんどは私のお胸に甘えてくれるかしらぁ?」
「……」
水銀燈は、持ちこたえかけた何かが音を立てて崩れた気がし、めまいを覚えた。
ああ、お父様…。
めぐ…。
水銀燈は、水銀燈は、それでもアリスを目指して良いのでしょうか?
しっかりと閉じられた風呂場の扉。
その湯煙の向こうから喘ぎ声が聞こえ始めるのはすぐ後の事だった。
どっとはらい
----
以上、おそまつ。
良ければ、こんな感じで他キャラに嬲られるバージョンもいいかな?