二時間マッハで書いてみた 
ふたなりで多少みさくら御大の影響はあるかもなので 
ダメなら鳥で弾いてくれー 

蒼翠ふたなりモノ 
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人形は、製作者のフェティシズムの塊。 
完全無欠の少女性、見詰める眼差しに応えて反射する倒錯の鏡。 
オートマタ。 
いっそ意思なんてなかったら。 

「どうしたんですぅ、蒼星石……」 

 時計は夜半を回り込んだ午前二時。鞄の中で夢に耽っていた翠星石を起こしたのは、 
双子の妹である蒼星石だった。いつも毅然としてどこか少年めいた美しさを持っている 
彼女の表情は、どこか戸惑うように眉を寄せている。さっきからずっと、そう。 
 あまり寝起きの良いほうではない翠星石は、いつもの言葉汚さに紛れて悪態でも 
つこうかと思っていたが、その表情を見てその気も失せた。その辺り、状況の判断力は 
けっして劣っていない。姉妹の中でももっとも近い、双子の妹のことならば尚更に。 

 手を引かれてやって来たのは物置、鏡の前だった。当たり前のように内側に 
脚を踏み入れる妹につられ、翠星石もフィールド内部に身体を押す。念のために 
辺りの気配を探ってみるが、少なくともあの長女と末っ子はいないようだった。 
少しだけの安堵と共に、手を繋ぐ妹に視線を戻す。彼女は立ち止まって俯き、 
押し黙っていた。 
 綺麗な巻き毛を揺らして、翠星石は妹の視界に入ろうと腰を屈める。下から上目遣いで 
覗き込めば、困ったような蒼星石の顔にはいつの間にか紅が差していた。どうしたのだろう、 
く、と翠星石は首を傾げる。この妹にしては、少し、らしくない。 

「蒼星石、ちゃんと顔上げて翠星石の顔見るですよ。どうしたのか、言ってみるです」 

 よいしょっと繋いだ手を引いて一緒に腰を下ろし、翠星石は蒼星石の頬を軽く 
両手で包む。そのままやんわり顔を上げさせると、ぴくんっとその身体が震えた。 
零れだした熱い吐息が手に触れるのに、翠星石は再び首を傾げる。少しは姉らしく 
振舞おうとしているのだけれど、出来ていないのか――抱えるブランクが、少し自信を 
揺らがせる。途切れていた、絆。 
 そっと蒼星石の手が翠星石のそれに重ねられる。普段は翠星石の方が高い体温だが、 
今夜はそれが逆転していた。子供、雛苺のように、蒼星石の手が熱い。吐息も。 
 ドールには老廃物がない。その身体の構造は基本的に人間とはまるで違うのだから、 
当然病の概念もない、はずだ。ならこの体温上昇は一体何なのか、翠星石が思案しかかった 
ところで、思考は止まった。 

 ころんっと、背中が地面に付いている。 
 見上げると、蒼星石が困ったような表情で頬を紅潮させている。 
 両手は捕らえられて、地面に押し付けられていた。 
 ただ、思考が止まる。 
 ただ、驚きで。 

 ――――押し倒されてる? 

「ちょ、なにしてるですか、蒼星石?」 
「あ、あの……ごめん、こんなこと、君にしか言えないと思うんだけど―― 
 でも君に言うのも恥ずかしくて、だから、その」 
「落ち着くですよ、まず手を離すです。そんな風に圧し掛かられたら、翠星石動けないですよ」 
「う、動かないで」 
「何言ってるですか、こら……」 
「っん」 
「ふぁ!?」 

 くん。 
 翠星石の脚の間に身体を割り込ませていた蒼星石が身体を進めると、 
姉妹の股間が自然に重なり合った。姉妹とは言え、同じ女同士とは言え、 
その感覚に翠星石の頬が紅潮する。混乱で一瞬感覚を逃したが、もう一度軽く 
押し付けられることに、彼女も妹の言わんとしていること――抱える違和感に、気付く。 
 異物感。女性同士ならけっして感じることの無いはずの感触が、確かに彼女の 
ドロワーズに押し付けられている。 

「ちょ、ちょっと待つ、ですよ!」 

 ちたぱたと脚を動かすが、いかんせん手を押さえられているので体勢をどうこう 
することは出来ない。一旦落ち着いて確認しなくてはならないその感触は、 
くんくんと何度も押し付けられる。しかも、回数を増すごとに硬くなっていくのが判った。 
さぁっと頭から血が降りていく音を聞き、翠星石は蒼星石を見上げてキッと睨む。 

「何してるです、取り敢えず離すですよ蒼星石っ! それ押し付けるのやめやがるですぅ!」 
「ッぁ、ごめ……あ、あ……あッ!」 

 ぐいっと一際強く押し付けられた後で、どくんっと脈動の感触が伝わってくる。 
蒼星石のハーフパンツ、その股間部分に薄っすらとシミが広がっていた。 
中で射精したのを悟った翠星石は、ぞくりと自分の背筋が震えるのに気付く。 
恐怖ゆえのものか、違うのか、所以は判らない。 
 身体を離した蒼星石から少し離れるように、翠星石は身体を起こして座った。 
気持ち悪そうにハーフパンツを押さえながら、蒼星石は赤みが少し引いた顔で 
姉を見て、申し訳なさそうに小さく頭を下げる。 

「ごめん。その、僕の言いたいことはつまり、これなんだけど……」 
「……生えちゃったこと、ですぅ?」 
「うん……その、おかしいよね。僕達ドールは成長しない、形が変わらない 
 不変のものであるはずなのに、気付いたらこんなのが――」 

 ぎゅぅっと蒼星石は、股間を服の上から押さえる。 

「普段は平気なんだ。でもここに来ると、感触が変わる。おかしいよね、 
 判ってるから言わないで、おねがい――ずっと考えてたんだけど、原因が判らなくて、 
 マスターにも相談なんか出来なくて」 
「蒼星石……」 
「君しか……僕は……」 

 ぐ、っと声が詰まる様子に、翠星石は取っていた距離を詰めて妹を抱き締める。 
胸に頭を抱えるようにしたため帽子は落ちてしまったが、それは好都合だった。 
さらさらと髪を撫でる、巻き毛の翠星石とは違って直毛で短いそれ。 
抱き締めてそうすると、蒼星石はその手を背に回して縋るようにする。 

「もぅ……一人でぐるぐる悩むクセ、いい加減治しやがれですぅ。5490284時間前にも 
 同じようなこと言ったような気がするですのに」 
「ご、ごめん」 
「とにかく一度、翠星石に見せてみるですよ。本当に生えてるのか、ちょっと信じられない 
 気分もあるですから」 
「ん……」 

 もじっと恥らうように蒼星石はボタンを外し、汚れたハーフパンツを膝まで下ろす。 
こくんっと小さく息を呑んで、翠星石はその股間へとゆっくり視線を下ろした。 
 ぴくぴくと小さく震えるそれは、先ほど射精したにも関わらずまだ半勃ちの状態だった。 
少女の未発達な身体には似合わないような大きさで、とろとろと先走りを零しながら、 
己の吐き出した精を白く纏っている。噎せ返る青臭い淫靡な匂いに少し顔を顰めながらも、 
翠星石は少し顔を寄せた。 
 少女の部分も残っていて、どうやら、小さな筋の奥から発芽でもするように 
延びているらしい。一般的な男性器を観察したことのない翠星石には判らないだろうが、 
それは肥大化したクリトリス――と言った表現が、一番正しいものだった。 
男性器として必要なはずの睾丸もなく、だが確かにそそり立っているそれは、 
少女の持つべきものではない。 

「生えてる……ですよ、ねぇ」 
「ぁっ……ぅ、ん」 
「こんなとこに、何か入る穴なんかないはずですし――それにしても、大きぃ……」 

 小さく呟いた言葉がどうしようもなく艶を含んでいることに、翠星石は口元を押さえた。 
身体の芯が火照るように熱くて、なんだか頭がぼうっとする。妹のペニスを眺めて 
考えることではないはずの思考が、ちりちりと彼女の意識を焦がしている。 

 欲しい。 

 蒼星石の頬にも、一度は冷めたはずの赤みが戻っていた。姉に覗き込まれたことで 
脈動はまた大きく鳴り出し、呼吸も荒く喉が渇く。もう一度押し倒して、今度はもっと。 
 先ほど身体を重ねた時、蒼星石はそのまま翠星石に挿入してしまいたかった。 
だが姉の少女の部分を感じただけでそれは零れてしまう。次はもう止められない 
だろうと思う蒼星石の前で、翠星石は膝立ちになり――そのまま、スカートを上げた。 

「ッ……!!」 

 ごくんっと、蒼星石の喉が鳴る。 

「えっと、ちょっと待つですよ。翠星石のと、比べてみるです……から。ん」 

 小さく呟いた翠星石はスカートの裾を噛み、ドロワーズに指を引っ掛けてそろそろと 
下ろす。露になったのは小さな少女の筋だった。ほんの少し切り込みを入れただけの 
ような小さいそれに、蒼星石の視線は釘付けになる。姉の『少女』。それが一番に 
明示されている、部分。 

「双子、なのに……今は全然違う、ですぅ。ん」 
「す、翠星石、ッ」 
「ぁ……多分ここですね。ここが膨らんで、長くなってるんですよ」 

 くぱぁっと小さな筋を指先で広げた翠星石は、そこにぽつんと埋もれていた自身の 
クリトリスを見付けて小さく蒼星石に笑いかけた。彼女にしてみればそれは、 
一つずつ解明する原因の中の一つに答えを提示できた安堵のためだろう。 
だが、蒼星石にはそう映らない。 
 誘われている。 
 少女が清純に無垢な表情を浮かべながらも、淫乱の睦言を誘っている。 
 瞬間、蒼星石は目の前の少女が、姉でも人形でもなく『雌』にしか見えなくなった。 

「確か本で読んだことがあったですよ、落ち着いて聞くで――すぅ?」 

 腰を抱き寄せられた翠星石は、きょとりとしたまま蒼星石の肩に倒れこむ。 
彼女が状況を掴むよりも先に、蒼星石はその小さな指先を姉の中に挿入させていた。 

「っぁ、あ!?」 

 乾いているように見えたそれなのに、内側は熱くとろとろに蕩けていた。 
誘われている、待ち焦がれている。そんな錯覚に、蒼星石の口元が薄っすらと 
笑みの形に変わる。くちゅくちゅと潜らせる指は愛液を掻き出して、白い脚を 
汚していった。耳元では小さな喘ぎ声が響き、背中に回された腕はかりかりと 
ベルベッドのケープを引っ掻いている。 

「っゃ、やめ、何してやがるですぅ! そんな、人間みたいに下劣なこと、やめるですよぅ!」 
「すぃ……翠星、石ッ」 
「っんぁ、聞くです、聞くですったらぁ、ふきゃ!?」 

 晒された小さなクリトリスにぎゅぅっと爪を立ててコリコリと嬲れば、 
甲高い嬌声が上がった。びくびくと背中が反るのに、軽く絶頂を覚えたらしいのが判る。 
蒼星石はその余韻が残っているうちに、彼女の愛液を塗り伸ばした。十分に解して 
濡らしておかなければ、大切な彼女が壊れて、ジャンクになってしまう。それは、避けなくては―― 
 『少女』を奪うことで、アリスになれなくしてしまったとしても。 

「っぁ、あぅ、ひぁあ……」 
「す、ぃ……とろとろしてる。とても可愛い、この小さな芽も」 
「ふゃああ! そこ、っやぁらめぇえ!」 
「今、咲かせてあげるからッ……」 
「んゃあ、らめ、れすよぉう――」 

 必死に言葉を繋ぎながらも、翠星石の口元からは唾液が零れだしていた。 
そのはずで、彼女の口元はだらしなく緩められながら笑みを浮かべている。 
互いの肩に顔をうずめるようにしている所為で判らないが――鏡写しのように、 
二人は同じ表情を浮かべていた。 

 十分な愛撫で蒼星石の手が袖口まで濡れたところで、彼女は翠星石の腰を抱き 
自分の上へと寄せる。愛撫をすることで完全に勃起したそれは、目の前の雌が持つ 
少女を、貪欲に欲していた。唾液のように散らす先走りが小さく飛んで翠星石の 
クリトリスに当たると、小さな嬌声が耳元で零れる。 
 互いの髪を撫で合い、互いの頬に口付け合い、しかしけっして顔を合わせずに―― 
蒼星石は、翠星石のヴァギナを押し広げた。 

「ひ……ぎ、ぃ!?」 

 零れた獣のような声に、蒼星石は一気に翠星石の膣内へとペニスを進めていく。 
ほんの一瞬だけ抵抗を見せた処女膜は簡単に破れ、とろりと赤色が結合部から 
零れだした。奥まで届かせた後で少し間をおくと、きゅぅ、きゅぅっと遅れて内部が 
搾るような動きを見せる。だが、サイズが違いすぎる所為か、その動きは弱弱しく 
快楽には届かない。人間ほどもあるペニスに、人形のヴァギナは小さすぎる。 
 ぎちぎちと押し広げられた入り口を指先でたどれば、ちゅくっ……と小さな粘つく水音が 
響いた。耳朶を冒す淫らな音は、さらなる膨張を促す。 

「っは、ぁぅ……やぁ、んッ」 
「翠星石、可愛い声だよ――可愛い、女の子のトコ」 
「っだ、だめ、ですよぅッ翠星石――アリスに、なれなくなっちゃうです…… 
 女の子奪われちゃう、食べられちゃうっ」 
「美味しい」 
「ひぁあんッ!」 
「僕が、奪ってるんだ」 

 未来も。 
 夢も。 
 今、奪って。 
 あるのは、醜いペニスと繋がる『雌』。 
 彼女はもう『少女』じゃない。 

「おぁ、んぅう! いや、いやぁ蒼星石、止めてですぅ! は、激しッ……お腹壊れる、ですぅう!」 

 注挿を激しくして腰を揺らす蒼星石に翠星石は哀願するような悲鳴を上げるが、 
それはまるで届いていなかった。ただペニスを求めるヴァギナの動きだけが、 
今の彼女の思考を埋めている。そしてそれは、翠星石も同じだった。 
少女を亡くしたその衝撃よりも、雌の快楽が強く身体を染め上げている。 
笑みは崩れない、表情は、完全に同じだった。 

「すぃ……翠星石、僕、また出るッ出るんだ、君の中にッ」 
「や、やぁあ、出しちゃダメですぅ、ダメなんですったらぁあ!」 
「君の、アリスに――」 
「ふゃあ、んっきゅぅイく、イっちゃうです、翠星石もッ翠星石も蒼星石のでっ―― 
 蒼星石のおっきなおちんちんで、翠星石のちびまんこイくですぅう!!」 

 零れだした淫語に誘われるように、蒼星石は翠星石の膣内に射精する。 
 飲み込みきれずに零れだした精液は、どろどろと二人の下肢を雌へと汚した。 

「だか、らぁ……ですよぅ」 

 はぁっと荒い呼吸を整えて、翠星石は蒼星石を見下ろす。 

「本で読んだですよ。人形って言うのは――ローゼンメイデンシリーズに当て嵌まるかは 
 知らないですが――受動的な性質を持った、静かな理想の形をしているものなのです。 
 眼差しと言う主体を受け取ることで、歪んだ鏡のように、主体の理想や妄想を跳ね返す。 
 自分がそうであると、思わせる……もの、なんです、ん」 
「そ、それが、どう……」 
「ッふぁ、つまり――男女すらも超越が、出来ちゃうんですよ」 
「……?」 
「誰かが望めばその姿になれるんです。過去にも、その……ペニスのついた、少女型の 
 人形は製作されているし……形にされていないだけで、誰かの夢のフィールドでは、 
 生えてるかも……っあぁんんッ!」 

 びくん、と翠星石の身体が跳ねる。 
 彼女の身体の下には、跨られている蒼星石の姿がある。 
 当たり前のように、二人の身体は繋がっている。 

「くふ、んぅ……だからぁ、心配しなくて良いんですよ……誰かに思われてる、 
 ちょっと歪んだ愛情の表出、みたいなものなのですぅ」 
「ん……嬉しいな」 
「ふぁ、らにがです、かぁ?」 
「僕を思ってくれる誰かのおかげで……僕は僕が想う君と、こうして繋がれる」 
「……キザですぅ」 

 真っ赤になった翠星石は静かに視線をそらし、脚の奥でペニスを締め付けることで応えた。 

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おわり。 
蒼い子にちんこを生やしたのは、すべてのふたなりを望む魂だ 

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