空気を読まずに投下
何気無い休日の午前。尤も引き籠りのJUMにはあまり関係無いが、のりは部活の試合で1日いない。雛苺も巴の家に遊びに行っており、保護者役として真紅も同伴した。つまり桜田家に残っているのはJUMと翠星石である。
「チビ人間、部屋に籠ってばかりいないで少しは外へ出やがれですぅ。こんなに天気が良いですのに…そんなんじゃ日陰のもやしですぅ」
部屋のドアを開けて、翠星石が言った。JUMは徐に立上がり、
「あぁ、そうしようかな」
既にパソコンの電源は切れていた、まるで呼ばれるのを知っていたかのように。
「(チビ人間にしてはやけに素直ですぅ…)ささ、下に降りて庭に行くですよ。のりに頼まれた苗を植えるですぅ」
「あぁわかった、手伝うよ」
JUMはこれまた素直に答えると、袖を捲りながら言った。
「庭仕事をすると、その綺麗なドレスが土で汚れるぞ?姉ちゃんのお古にでも着替えろよ」
「ぇ?…確かに、言われてみればそれもそうですぅ。チビ人間にしては気の利いた事言うですね、褒めてやるです。着替えてくるから先行って待ってろですぅ」
JUMは細かい気遣いが出来るという事は、桜田家では周知の事実だ。今日の素直さは異常だったが、2人っきりの時にJUMに構って貰えるなどという幸せを味わっている翠星石はあまり疑わなかった。
JUMと2人きりの作業は、翠星石にとってこの上無い幸せだった。JUMは庭仕事が初めてなので人間の力があっても作業は遅く、翠星石は以前目覚めた時の経験があっても人形の力しか無いので遅かった。
更に2人の会話は弾んでいたので(尤も会話といっても翠星石の罵倒に対しJUMが言い返していただけなのだが)終わったのは午後1時過ぎだった。この間JUMは一度だけ、用を足しに家の中へ戻った。
「ふ〜、終わったですぅ。この翠星石が植えたのですから、きっと綺麗な花が咲くですぅ。それはそうとチビ人間、お昼はどうなってるです?」
「ん?あぁ、さっきピザ頼んどいたぞ。もうすぐ…あ、来た」
2人は家の中へ戻り、ピザを食べた。その後JUMは自室に戻り、翠星石はフラフラしながらソファーに寝そべると眠ってしまった。
翠星石が目覚めると時刻は既に夜9時だった。誰も起こしてくれなかったのか、はたまた起こされても起きなかったくらい深い眠りについていたのか、それはわからない。しかし不自然な事に、リビングには自分しかいない。
真紅、特に雛苺はもう眠ってしまったにしても、のりくらいはいると思った。しかしリビング以外の電気は消えていて、家全体が静まり返っていた。
「(おかしいです…まだ帰ってこないですか?)誰か帰ってきたなら声くらいかけやがれですぅ!翠星石はもう9時だから眠ってしまいますけ…ど…」
大きな声で家全体に呼び掛けたが、何も反応が無い。不気味に思えた翠星石は、とりあえずJUMに会うべく彼の部屋へ向かった。
誰かこれに続けて狂ったJUMの凌辱劇書いてくれ