ttp://rozen.s151.xrea.com/eroparo/080.html 
ttp://www.geocities.jp/rozenmaiden_hokanko/3-237.html 

この話の続き(1)の続き(前戯Part1)までは書いた。 
が、妙に長いのでいったん投下したいのだが 
保管庫が無いために続き(1)を読めない人が多数出ると思われる。 
そこで、続き(1)も投下しようと思うのだが、両方含めると、なんと29kb位ある。 
どうしたらよいでしょう? 

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今現在日本全国どこにでも存在するであろう典型的引き篭もり少年桜田ジュン。 
彼は、薔薇乙女第一ドール「水銀燈」との刺激的な体験を経て… 

相変わらずパソコンの通信販売をしていた。 

やはり、長年彼の趣味として心に巣食った習慣からは中々脱却できない。商品の購入には至らないものの 
様々な通販サイトの閲覧、更新チェックは、当分止められそうに無かった。 
ただ、画面を見つめているはずの表情、目つきは、どこか虚ろだ。瞳に移る様々な情報も頭に入っていな 
いであろうことは容易に想像できる。 
ジュンは、パソコンに向かいながら、頭の中では全く別のことを考えていた。 
ため息を一つ付き、窓を見る。 
そこには、所々ガムテープが張られたガラス窓が、鎮まり返った夜の街を映していた。 

―――あの日 
水銀燈が飛び去り、荒れた部屋を片付け、真紅たちの追及に冷や汗を流した。 
小一時間では済まないような小言、罵倒を受け、すっかり憔悴させられた。 

「…おかしいわね…」 

真紅が一言呟いた。 

「? どうしっ…どうなされたのですか?」 

散々説教されて身も心もボロクソだったジュンは不機嫌な姫君を極力刺激しないように尋ねた。 

「窓の時間を巻き戻したのだけれど…破片の幾つかが、戻ってこないのだわ」 

見ると、水銀燈が去った際に粉々に砕かれフレームまでひしゃげていた窓ガラスが修復されていた。 
しかし、ガラスには所々穴があいている。 

「ここに戻って来ていないということは、私の力が及ばない場所にあるということね…」 

真紅の能力がどれ程の範囲を捕捉できるか定かではないが、飛び散ったガラスの破片程度なら問題なく効 
力を発揮するはずだ。 
なら、戻ってこない破片は、どこへ行ったのか… 

ぞわり、と。ジュンの心に、嫌な予感が蠢いた。 

―――カチャリッ 

月明かりの差し込む、仄暗い建物の中に音が響く。 
壊れたパイプオルガン。 

「あぅっ」 
苦悶の声色。 
蜘蛛の巣が掛かった十字架。 

埃だらけの礼拝堂で、小さな影と二つの光体が蠢めいていた。 

影は膝を立てて床に肘をついて四つんばいになっていた。その背中には4枚の翼。 
平次であれば力強く羽ばたいたであろうそれは、力なく床に下ろされていた。 
その内の一枚の周りを、二つの発光体が飛び交っている。 
その翼が弱々しく持ち上がり、ふるふると震えた。浮いた翼の一部に二つの光体が纏わり付く。 
そして。 

「あぁっ!」 

悲鳴と共に。 

―――カチャン 

翼から 小さなガラス片が 落ちた。 

水銀燈は濡れた子犬のように体を震わせた。苦悶に歪む顔。あまりの痛みに、目尻には涙が浮かんでいた。 
右上の翼に一枚。その下の翼に一枚。ガラス片が、突き刺さっていた。 
左上の翼は、真紅たちとの戦いで傷つき、癒えかけていた筈の傷口が、再び開いていた。 
左下の翼にもう一枚。 
ドレスは所々小さく切り裂かれている。 

「あぐぅっ」 

歯を喰いしばり、木製の床に爪をたてて痛みを堪える。 
レンピカとメイメイが、比較的傷の浅い翼を癒そうと懸命に飛び交っていた。 

イタイ 

「痛み」と言うものをこれほどにまでに「痛覚」させられた経験は一度もない。 
何でこんな目に遭うのか。それを考えると、どす黒い憎悪と惨めな自己嫌悪に苛まれる。 

左翼の傷が8割方回復したので借りを三倍返してやろうと意気込んで乗り込み、ドールズどころかただの人 
間に手篭めにされ、その性処理を手伝った挙句に色々と開発されてしまいました 

笑えない。全くもって、笑えない。 
不様。不様だ。少なくともめぐにだけは、絶対に知られたくない。 
未経験の痛みは頭の中を掻き乱す。その痛みが憎悪の炎を煽り立てる。 
燃え盛る炎が傷口を炙り、更に痛みを助長する。 
最悪な悪循環。 

あの人間。次の邂逅のときには全てを奪いつくそうと、その顔を網膜に焼き付ける。 
しかし焼き付けた表情は、彼の人間の行為を呼び覚ます。 

あの人間はどんな顔をして、私にどんなことをした? 
―――興奮に顔を赤らめて、私のうなじに赤い痕を刻みアツイ吐息を吹きつけた。恥ずかしすぎて口では言 
えない場所を散々弄くられた。 

そして私はどうなった? 
―――破裂寸前まで押し上げられて限界ギリギリのところで爆発した。快楽に隷属した。髪を振り乱して淫 
らに踊った。果てた。 
見られた。姉妹達が私を見ている。 

あの時の快楽は「おぼえたて」である水銀燈の下腹部を内側からじわじわ煽り立てる。 
生まれて初めての快感は、大人びた精神を童心へと還らせる。少年少女は快楽に素直だ。 

キモチイイ 

憎悪が烈火なら、快楽は遠火。 
烈火が傷口を炙り、遠火が下腹をじっとりねぶる。 
アメと鞭を同時に喰らった水銀燈のその下半身は、確かに濡れていた。太腿を伝うほどに。 

―――カチャリ 

最後の一枚が床に落ち。 

「ひぁあ!」 

痛みにビクリと痙攣する。快楽にビクビクと下半身が蠢く。爪が床を掻く。突き出した腰が震える。 

痛みを少しでも和らげようと、快楽が奔る。 
それは、とても淫らな自己防衛本能で。 
水銀燈は、確かにイッた。 
濡れて透けるショーツの下で女陰が僅かに潮を吹いていた。 

頭の中で苦痛と快楽がせめぎあっている最中、それとは別に、水銀燈の体には別の異変が起こっていた。 
苦痛に呻く体は熱を持ち、快楽に素直な半身は悶える。汗をかく。 
その汗の量が、尋常ではなかった。生地が広いドレスはその殆どが水気を含み濡れている。 
ドールズには新陳代謝というものはない。だから、汗とは単なる水分に過ぎない。 
とはいえ、運動によって生じる熱を冷ますには水分が必要だし、感情を表現する為にも使われる。 
言葉を発する際にも口内が濡れていなければ、美声を奏でることはできない。 
また、水分が出尽くせば更に熱が上がるかというと、そうでもない。 
水は熱し難く冷め難いという特徴を持つ。保温という観点から、非常に優れた液体である。 
逆に水分が無い場合は熱し易く冷め易いということになる。 
例を挙げるなら砂漠が判り易い。 
日中は40度を越える気温だが、日が落ちれば氷点下となる。湿度が無いためだ。 
水銀燈の体は砂漠になろうとしていた。 

水分が体からことごとく失われれば、人は当然水を求める。 
そしてそれは当然ドールズにも当てはまる。ただ人と違うのは、水分の消耗が致命的というほどの要素には 
成り得ないことだ。失われた水分は、吸収し直せばいい。 

体の変調と痛みと快楽で朦朧とする意識を無視して、本能が水を求めて行動を開始する。 
立ち上がりフラフラと歩いた先では人工精霊がnのフィールドの扉を開いて待っていた。 
輝く扉に倒れこむように身を躍らせる。体が何かを突き抜けるような感覚を最後に水銀燈の意識は落ちた。 

ここまでで2体の人工精霊の激しい論戦があった。 
最初は主をめぐのもとまで送ろうということで両者意見が一致していた筈だ。 
しかし付き合いの長いメイメイが水銀燈の「メグに見られたくない」という乙女心を読んでこれを却下した。 
ではどうするか。 
レンピカが「あの人間」の場所へと送ることを提案した。これに対しメイメイは猛烈に反対。 
真紅や雛苺は積極的に仕掛けてこないことは明らかで、主に危害が加わらない可能性が高いが、あそこには 
激シスコンの翠星石がいる。 
奴なら、あの如雨露を主の喉の奥まで突っ込んで無理矢理ローザミスティカを抉り出す位は遣りかねないと 
主張した。仮に無事だったとしても、主が現在最も憎んでいる「あの人間」の場所へ連れて行こうものなら、 
後にしつけの名を借りた身の毛もよだつ拷問がこの身を襲うだろうとも。 
一方レンピカも譲らない。 
さいわい現在時刻は午後9時を過ぎている。ドールズは9時以降眠りっぱなしであり、アリスゲームに発展す 
るようなことは無いだろう。都合がいいことに「あの人間」も含め、大概の人間はまだ眠らない。 
さらに都合がいいことに、あそこの人間は皆お人好しだ。姉なり弟にすがり付けば取り敢えず窮地は脱出で 
きる。何より弟とは一度は情交を交わした間柄だ。無碍には扱わないだろうと主張した。何気にマエストロ 
級の職人っぽいというのも評価できる。 
結局メイメイが渋々ながらもレンピカの案を受け入れ、nのフィールドは桜田家に向けて開かれたのである。 
この論戦は非常に短いものだったが、両者が激しく飛び交いチカチカと明滅する様は中々に綺麗であった。 

「ま、またかよ…」 

ジュンは絶句した。 
パソコンがブラックアウトしたのだ。以前あんな目に遭っていながら懲りもせずに再びディスプレイから出 
現しようとするとは全くの予想外だ。 
今度は一体どんな演出で現れるのだろうかと考えを巡らしながら身構えようとして、しかし今回は完全に虚 
を突かれた。 
ブラックアウトしたディスプレイから飛び出してきたのだから、それも当然か。 
ジュンは飛び上がるほどに驚いた。キーボードを退かす間もなく、白髪をなびかせながらこっちに突っ込ん 
できたのである。 

「ひぃっ!」 

小さく短い悲鳴があがる。ジュンはとっさに両手で頭を抱えた。一応の防御だがどこか間抜けだ。 

ガシャン 

来るべき衝撃が来ない。その代わり、妙な物音が聞こえた。 

「???」 

腕の間から恐る恐るパソコンを覗き込む。 
そこには、 某S子宜しく上体を画面からはみ出させ、顔面をキーボードに突っ伏した水銀燈がいた。 
キーボードは衝撃のため、何個かキーが吹き飛んでいる。息が荒い。苦悶の呻きが聞こえた。 

「おい?!なんだ???どうした?!」 

慌ててその身体を抱え上げる。だらりと脱力している身体は、軽い筈なのに酷く重く感じる。 
なによりも異常なのは、その体温だ。 
ゾッとするほどに冷たい。ドールズ達には、触れると心地よく感じる程度の体温があることをジュンは知っ 
ている。それと比較してこの体温は異常だ。着ているドレスにしたって、水気を含んで非常に冷たい。 
ジュンは取り敢えず水銀燈をベッドに寝かしつけた。 

「どうすりゃいいんだよ…」 

ぐったりと横たわる水銀燈と、ゼンマイが切れたときの真紅が被って見えて、ジュンは眩暈がした。 
キーボードの惨状を見るに、パソコンにお伺いを立てることはできないだろう。 
ジュンは頭をフル回転させて打開策を練ろうとするが、一向にいい案は浮かばない。 
それどころか、混乱した脳内では、「あの時」の水銀燈の艶声と痴態が飛び出し始める始末だ。 

―――ああ確かにあの時のHな声は最高だったなまたヤリたい最後のお漏らしは生温かくてもうGJだっt 

ゴスッ 

ピンク色の脳内の影響が下半身に及ぼうかという刹那、凄まじい衝撃がジュンの後頭部を襲った。 

「いだっ!だ、誰だ?!」 

焦って振り返ると、そこには二体の人工精霊がジュンを威嚇するかのようにブォンブォンと飛び回っていた。 

「取り敢えず、これでいいのか?」 

ジュンは人工精霊にお伺いをたてた。 
場所は台所で、手には給湯器と湯呑みと水の入ったポッド、おしぼりが乗ったお盆を持っている。 
二体の人工精霊に追い立てられるように台所に向かい、指示(手足口が無いので体当たり)に従って用意し 
たものだ。 
必要なものが揃うと今度は「サッサと部屋に戻れ!」と言わんばかりにジュンを急き立てた。体当たりで。 

「いたっ!いたたたっ!」 

両手を塞がった状態では防御もままならず、容赦なく後頭部から腰にかけてをドスドスど突かれていた。 

湯飲みにお湯を注ぎ、水で薄めてぬるま湯にする。それを、抱え起こした水銀燈の口に運ぶ。 
小さな口に、湯飲みが触れたのを確認し、ゆっくりと傾ける。 
水銀燈の口内に吸い込まれた筈のお湯は、溢れてダラダラとドレスにこぼれた。 

バキッ! 

「あたっ!」 

後頭部に強烈な一撃を受けてジュンは悶絶した。 
とっさに後ろを振り返る。 

「しょうがないだろ!こいつの口が小さすぎるんだよ」 

光の塊に過ぎないはずの人工精霊に怒気が揺らいで見えた。 

さてどうするか。ジュンは考える。 
この湯のみでは水を飲ませるのは非常に困難である。病院なら水差しもあるだろうが、あいにくそんなもの 
はこの家には置いていない。 
水銀燈を見れば、寝相が良いとはとても言えず、事態は緊急を要するだろう。 

「要は、水を飲ませればいいんだな?上手く飲ませる方法あるけど…文句は言うなよ」 

何事かひらめいた様子のジュンが二体の人工精霊に言い含めた。心なしか頬が赤い。 
ジュンは湯飲みのお湯を一気に煽ると 
そのまま水銀燈に覆いかぶさり、口づけた。 

水銀燈の背中に手を回し、顎を支え、軽く口を開かせた状態にする。 
お湯を零さないように口を噤んだまま小さな唇に己が唇を合わせる。 
口を慎重に開き、少しずつお湯を送り込む。 
細い喉がコクリと動くのを、顎に添えた手で確認してはまた少し送り込む。 

コク コク コクン 

よほど喉が渇いていたのかもしれない。無意識にコツを掴んだらしく、吸い付くようにしてお湯を飲む。 
送り込むべきお湯が口腔から無くなり、初めてのキスのような行為に溺れかけた意識を無理やりに覚醒させ 
てジュンは水銀燈を引き剥がした。 

「…これで…良いんだろ」 

人工精霊を振り返ると、そこにはなぜかほんのりピンクがかった光を放ちポワンと浮かぶ人工精霊達の姿が。 
ジュンの問いかけにビクリと痙攣すると、真っ赤になって二体ともパソコンのディスプレイに飛び込んでし 
まった。 
それを見届けてジュンは水銀燈に向き直る。 
湯飲みに湯を注ぎ、水で割る。ぬるま湯を口に含み、水銀燈の唇に己が唇を重ね合わせて注ぎ込む。 
コクコクと口内の水分を飲み干して、尚いっそう水分を求めて吸い付いてくる感触に、ジュンは悶えた。 

もっともっとキスしてちょうだぁい 

まるで、そんな風にせがまれてるようで、理性が溶けそうになる。 
とはいえ、気を失っているのにそこまで水分を求めるのは、それなりに危機に瀕しているからなのだろう。 
ここはグッと堪えて、お湯を飲ませることに集中しなければなるまい。 

もはやギンギンになっている下半身を宥めすかして、いや、キスというもどかしさを楽しむかのようにジュ 
ンは再度、水銀燈に覆いかぶさるように口付けた。 

どの位の時間がたったか、水銀燈の顔色は最初に比べればかなり良いと言えるだろう。 
実に湯のみ十杯分の水分を飲み干して、ようやく落ち着いてきたのかもしれない。 
興味本位で舌を差し込んでみる。いや、興味ではない。欲だ。差し込んだ舌は、吸われた。 
クチリ、クチュリと音が鳴り、しゃぶられている。 
(うわっ!わっ!わっ…!) 
チウチウと吸われる。ジュンの頭の中で何かがボフッと音を立てた。心拍数が上がっていくのが解る。 
目がチカチカして、視界がぼやけてきた。全感覚が、舌先に集中しているのが体感できるのだ。 
思わず支える腕に力がこもり… 

「あぐっ!」 

耳に飛び込んできた悲鳴に、我に返る。 
反射的に手を離してしまった。 
ベッドに倒れる水銀燈のその表情は、苦痛に歪んでいる。 
それを見て、急激に熱が冷める。 
自分のした行為がどんな行いだったのかをまざまざと見せ付けられて、自己嫌悪が襲ってくる。 
翼を見ると、ひどい裂傷が見えた。折れている翼もある。 
咄嗟に窓に目を向ける。 
戻ってこなかった破片。 
傷だらけの翼。 
悪い予感が的中していることに、眩暈を感じた。 

無意識の最中で遮断していた筈だった痛覚が、ジュンの行動を引き金に蘇っていた。 
水銀燈は細かく震えていた。直感で痙攣ではないと感じた。 
おそらくは、痛み。そして寒さだろう。 
一瞬の逡巡のあと、ジュンは行動を起こした。 
ドレスの紐を解く。チョーカーを外す。黒い上衣を脱がし、白いドレスも脱がす。 
下着姿の少女人形を見ても、先程のような劣情は湧かない。 
その下着も取り払い、水銀燈を抱えた。自らの体を抱きしめるように小さくなり、カタカタと震える少女に 
不安と漠然とした恐怖を感じた。掛け布団を捲り、水銀燈をそっと横たえる。翼に気を使いながら、慎重に 
掛け布団を掛けた。 
翼は布団からはみ出すようにした。じっくり観察すると、ガラスの破片らしきものは刺さっていない。 
傷口からは人間や動物で言うところの「血」に該当するようなものも流れていない。 
ただ単に「モノが壊れている」といった印象があるだけだ。 
これにはジュンも頭を抱えた。治療というより、修理が妥当だろうが、そんな技術は持ち合わせていないの 
だから当然だ。 
頭をよぎるのは、もぎ取られた真紅の右手。しかし具体的に何かをしたという自覚はジュンには無い。 
あえて挙げるなら、心の底から「守ってやりたい」と思っただけだ。 
何から守ってやりたかったのかと言えば、目の前で小さく震える水銀燈から守ってやりたかったのだ。 
それが今はどうだ。本来襲い掛かってくるべき少女は、守るべき少女にかわっている。 

「くそっ…!」 

進展しそうにない状況に歯噛みする。 
これほどまでに直してやりたいはずなのに、自分には何もできない。何も起こらない。 
繋がりが、無い。 
なら繋がりを強くするしか、ないじゃないか。 
ジュンは床に捨て置いた水銀燈のドレスに手を伸ばした。 
もう、これに賭けるしかないのだ。そういう覚悟。 
そしてそれとはまったく別の、覚悟を決めた表情で、ドレスをまさぐった。 

ジュンは真紅、翠星石、間接的に雛苺と、媒介として契約をしている。馬鹿でかい指輪はその証だ。 
そしてその指輪は取ろうとしても取れるものではない。何故なら、喰い込んでいるからだ。 
いや喰い込んでいるというほど生易しいものではない。既に同化しているような感触まである。 
アリスゲーム。ゲームといえば聞こえはいいがやってる事は殺し合い。既に一体が再起不能になっている。 
歴代のマスター、ミーディアムの誰もが経験していない事態である。 
その最中に放り込まれただけではなく、3体のドールと契約しているという、他に前例の無い状態のジュン。 
ただで済む筈が無いのだ。 

そして今、都合4体目のドールと、契約しようとしている。 

白いドレスの内側にある小さなポケットにそれはあった。 
手にとって、天井のライトに掲げて仰ぎ見る。 
薔薇のような飾りの付いたそれは、なるほど確かに彼女のものらしく、少し棘棘しい印象があるデザインだ。 
しばらくそれを眺め、そしてジュンは何の迷いも無くそれを嵌めた。 
既に嵌っている指輪に重ねるようにして。 
変化は一瞬にして劇的だった。指輪の花から新たに蔦が伸び、手首に巻きつく。そして締め上げた。 

「痛っ…」 

一瞬の痛み。そして花はさらにその花弁を広げた。葉も生えていた。もはや指輪とは言えない程に大きい。 
そして、締め込まれた事による、ちょっとした違和感が残る。 
手を開閉してみるが特に支障が無いのが不思議なところだ。 
具合を確かめるのもほどほどに、水銀燈に向き直る。 
あとは治すだけだ。 
傷ついた翼にそっと手を伸ばす。左手で軽く触れてやると、水銀燈は低い呻き声と共に眉を顰めた。 
その様子を見て、ジュンは思う。 
治してやりたい。 
そう強く願った。 

光。暖かな光が指輪から放たれた。 
翼を包み、そして、水銀燈の全身を包み込んだ。 

ここは何処だろうか。 
酷く暗くて冷たい場所に、裸で放り込まれている。 
寒い。 
体を抱えて耐えようとするが、効果はない。 
何故なら、外の寒さとは別に、体の内側から冷えてくる。 
自分の内側からじわりじわりと寒さが刺してくる感触。 
それ即ち、痛い。 
鋭利なナイフがじっくりゆっくりと体の内側を引き裂きながら、生えてくる感覚。 

「いやっ…!…お父様…めぐ…!助けて……痛い、寒い…!」 

叫んでも、誰も来ない。 
痛みと孤独に、水銀燈は泣いた。 
辺りには闇しかない。 
底なしの不安と絶望に、無限に泣き叫ぶしかないような、そんな錯覚。 
しかしそれは、唐突に消えた。 
あわてて周りを見回すと、闇が光に浸食されていくのが見える。 
光源は、自分の体。 
刺し抉るような寒さは消え、代わりに暖かな何かが内から溢れてくるのを感じる。 

「ふぁっ…あぁ…」 

ココチヨイとも言えるし、キモチイイとも言えるような。 
体が熱くなる感覚を覚え、それに身を委ねながら、水銀燈はこの世界が閉じていくのを眺めた。 

発していた光が収まると、そこには傷一つ無い姿で横たわる水銀燈の姿があった。 
一度掛け布団を剥ぎきちんと仰向けにすると、不思議なことに4枚の翼はたたまれて背中に隠れてしまった。 
すやすやと心地良さそうに眠るのを見ていると、心の底から安堵感が溢れてくるのをジュンは感じた。 
起こすのも忍びない。 
床に脱ぎ散らかしてある水銀燈のドレスは、所々破けたりほつれたりしている。 
今の自分にできることはこれ位だろう。そう考えながら、裁縫道具を取り出し、多少湿り気を帯びたドレス 
に手を伸ばした。よくよく見れば汚れている。洗濯する必要もあるだろう。 
自分にはこれしか能が無い。 
そう考えるのは何となく情けないような気がする。自分に強烈なトラウマを植え付けたのは根本的にはこれ 
が原因だろう。 
とはいえ。 
この才で喜んでくれる者達がいるということは、素直に嬉しいとも思えるのだ。 

水銀燈の体は一部を除けば、完全に復調していた。 
羽は綺麗にたたまれているし、水分不足も解消されている。 
しかし、唯一つ元に戻っていない部分がある。それは彼女の下半身に影響を及ぼしていた。 
苦痛を少しでも軽減させるために与えられていた快楽。それは、心身の復調とは無関係にたれ流されていた。 
突如起こった異変に対して落ち着きを取り戻した体は、快楽中枢を駆け巡る刺激に対し素直に反応をし始め 
る。布団に包まれた下半身。両腿の付け根にある秘花が、蜜を垂らし始めるのも時間の問題だ。 
そして、それに反応して体の各所が淫らに疼きはじめるのも、そう遠いことでは無いだろう。 
徐々に、水銀燈の意識は浮上を始めていた。それは単に、彼女の快楽の成せる業でもあった。 

「……んぁ……」 

ビクリとジュンの体が痙攣した。指先にはプツリと赤い玉ができ、たらりと垂れた。 
黒いドレスの補修も終わり、白いワンピースの補修に取り掛かっている。 
が、先程からこんな調子だ。手元を誤り、針で指を突いてしまう。 
原因は、彼女の寝言。いや、それは寝言と言うにはあまりにも扇情的に過ぎるだろう。 

「……ぁふっ……」 

白い布地に赤い点が付くのは頂けない。 
ジュンは慌てて指を口に含んだ。横目で水銀燈の表情を窺うと、なるほど健康的な寝顔だ。と言うよりも、 
健康的過ぎる。頬を赤らめて、悩ましげな吐息をつくのは、先程まで死人のような顔をしていた者の行動で 
はない。 
霧散していたはずの欲望が、鎌首をもたげていく。水銀燈に掛けた布団。その胸元が大きく小さく上下する 
のを見て、後頭部から背中を抜け、下半身に向かって、ゾクリと電気が流れるのをジュンは感じた。 

内から溢れる光。体に感じる温もり。それは、上と下を感じながら無重力の海を漂うような、矛盾していな 
がらもどこか納得できてしまう気持ち良さを水銀燈に与えていた。 
ただ、ふと思うのは。まだまだ足りない、という感情だ。キモチイイのは確かだが、自分は更に上があるこ 
とを既に知っていた。それをいつ知ったのか。半覚醒の今の状態では思い出せない。しかし、確かにこの上 
を行くキモチヨサがあるということを、よく知っている。 
だから、それを求めずには、いられない。 

水銀燈の感じている感覚は、居心地とかそう言う類のものでは無かった。一言でいうなら快楽。それを、夢 
のような形で「見て」いるのだ。そしてそれは、徐々に「もどかしい」に変わりつつある。 
上を知っているが故に、「それ」を求めて、水銀燈の意識は急速に浮上していった。 

水銀燈の瞼がピクリと震えるのをジュンは見た。そしてそれが、ゆっくりと開かれていくのも。 

軽く瞼が開いていくことを、水銀燈は不思議に感じていた。 
今までに感じたことの無いほどに爽やかな目覚めだ。いつもはどこか、物憂い目覚めが多いというのに。 
天井。蛍光灯は消えている。視界の斜め上に光を感じる。 
水銀燈は何の気なしに、その光へと首を巡らせた。 

机とライト。そして椅子に腰掛けるジュンの姿が水銀燈の視界に入った。 
快楽に浮かされ若干紅潮しながらも、どこかポカンとした表情の水銀燈と、艶かしい吐息を間近で聞かされ 
多少下半身が興奮しているジュン。 
二人の視線が、今日、ようやく合わされた。 

ガバッと、水銀燈が跳ね起きた。 

「あっ!おいっ……」 

慌ててジュンが静止しようとするが、遅い。水銀燈に掛けていた布団はずり下がり彼女の乳房が露出してし 
まっていた。 

「……ゃぁっ!」 

一瞬の硬直。小さい悲鳴を上げて布団をたくし上げながら、ジュンに背を向ける。一応それで隠すべき所は 
隠したつもりなのだろうが、果たしてそれが、ジュンに対してどれほどの効果を上げたのか。 
むき卵のように滑らかの背中から、尻の割れ目半分まで、剥き出しでジュンの視界に晒されていた。俗に言 
う女の子座りで、尻の横には小さな足が見える。 
そしてなにより、体を背けるその一瞬。ジュンは確かに見た。振り乱れた白髪の合間から覗くうなじに、く 
っきりと、「あの夜」につけたキスマークが残っていたのを。 
クラリと、ジュンの視界が泳いだのは気のせいではない。瞬きする間のことだがしっかりと焼きついた紅い 
痕は、「あの夜」を鮮烈に想起させる。 
刹那の回想は、ジュンの下半身に火を付けるには十分すぎる燃料だった。 

一方の水銀燈は軽いパニック状態だった。 
5W1Hがグルグルと頭の中で飛び交い、そして何より、胸の奥がバクバクと高鳴って、冷静にはとてもな 
れそうに無い。 
混乱の最中にいて一瞬だけ、体が跳ねた。そして、その時に気が付いてしまった。 
(私……濡れてる) 
太腿の付け根に佇む秘花が、蜜を湛えていた。この感覚は、鮮烈過ぎてよく覚えている。暗い教会で痛みに 
喘いでいたときに、それに紛れて体と頭を揺さぶっていたはずだ。そしてその少し前に、いま真後ろにいる 
人間が直に体に教え込んだ感覚だ。つまりは、快楽。 
意識してしまうと、もう止められなかった。じっとりと舐るような感覚が、体の中心から下腹に向かって流 
れ込み、それが熱くて、切ない。 
体内の変化が体外に現れてくるのは当然だった。耳から首筋を通り、胸にかけてが淡いピンク色に染まりつ 
つある上、息が荒くなってくる。それをジュンに気取られたくない水銀燈は、細く長い呼吸を繰り返してい 
た。 
人間相手にこれほどまでに無防備な姿を晒したのは初めてだし、ましてや、体が疼いて切なくなっているこ 
とも、初めての経験だ。 
ただひとつ分かっているのは、自分は「この人間の顔を見てはならない」ということ。見た瞬間、自分の中 
で、何かが崩れる。 
何が崩れるのかは、水銀燈にはわからなかった。 

下半身は十分過ぎるほどに猛っている。が、頭の中の一部が変に冷静なために、ジュンは行動を起こせなか 
った。 
女を口説くのは、中学生のジュンには高すぎるハードルだ。どうにもしようがない。とりあえず下半身は置 
いておき、気になっていることから聞くことにした。 

「えっと……翼は、大丈夫なのか?」 

混乱が一気に冷めるほどの衝撃が水銀燈を貫いた。とはいえ相変わらず疼きは止まらなかったが。 
そうだ。ついさっきまで、痛くて痛くてしかたなかったはずだ。慌てて背中に手をやると、件の翼は綺麗にた 
たまれて収まっている。 

「どうして……。―――私に、何をしたの」 

水銀燈は、詰問口調で投げ掛ける。しかしジュンの方に振り返ったりはしない。 

「もう気が付いてるんじゃないのか?」 

どういう意味だろうか。水銀燈は己の心を探る。相変わらずジリジリとした熱が下腹を中心に疼いている。体 
力は信じられないほどに回復している。翼に至っては完治しているのだ。 
何故翼が完治しているのか。もう一度、落ち着いて考えよう。 
4つの翼全てにガラスが無数に突き刺さり、その内の一つは千切れかけていた筈だ。 
後にいる人間は、真紅の腕を再び繋げるという神業をやってのけたが、そんなのは「ドールとミーディアム」 
という関係が大前提なわけで――― 

そこまで考えた瞬間、水銀燈は一つの答えを見出した。今度こそ本当に頭が真っ白になるような衝撃が水銀燈 
を襲った。そしてバッと後に振り返る。 

「あなたまさかっ!」 

ジュンは顔の横に手を掲げていた。肥大し食い込む、最早指輪とは言えないようなシロモノを、見せ付ける。 
ドールと人間を繋げてしまう、見えない鎖。 

「お前と、契約した」 

その言葉が、トドメ。 

―――何何何なのこれはアリスゲームはこれからどうなるのドール3体を一人の人間が独占?契約解除なんて 
今更無理というかなんで私抜きで契約が成立してるのそれより私は何で裸?おなかは熱くて疼いてもう何もか 
も駄目駄目――― 

思考は高速で回転し、しすぎて眼を回してしまっている。呆然とジュンを見上げる水銀燈。 
そのときビクリと下半身が疼いた。その一撃に、混乱が収束し、思考が一つの方向へと流れ込む。 

「ああっ……」 

そうだ。この人間の、顔を見てはいけなかった。私の中で、何かが、クズレル…… 

下腹がキュウッと窄まる感覚。おなかのどこかが縮こまり、そこから快楽が漏れて下に下に下りていく。 
そして秘花から淫らな蜜が垂れた。水銀燈はシーツにジワリとシミが付いたのを、秘花の周りの、柔らかく敏 
感な皮膚で感じ取っていた。 
胸を隠していた布団は腕の力と共に下へ落ち、乳房は外に晒される。興奮に顔は赤らみ、そしてツーッと、唇 
の端から、唾液が一筋垂れた。 

愕然とした後に艶かしい吐息を聞かされ、それだけでむしゃぶりつきたくなるほど扇情的なのに、乳房を見せ 
付けられて、真っ赤な瞳は潤んでて、唇の端から涎を垂らされたらもう我慢の限界だろう。 
その限界の淵ギリギリでなお、ジュンは水銀燈を押し倒すことができなかった。 
理由は一つ。経験が無い。それが壁となって立ちはだかる。しかしその壁は、盛のついたオスにとっては切っ 
掛けさえあれば実に呆気なく崩壊する代物だ。 

ジュンが心の中で思い描いたことは、しばしば真紅に筒抜けになってしまう。一方で、翠星石はジュンの心を 
読むことはできない。ドールと人間の契約の儀式は、偶然によってその在り方が変わってしまう。 
そして此度の契約においても、偶然が契約にちょっとした変化をもたらした。 

キモチイイ切ないオカシクナリソウ 

色をつけるならピンク色になること間違いなしの感情。そういったものが、ジュンの心に流れ込んできていた。 
最初はジュンも、訳がわからず、戸惑ってしまっていた。自分は確かに欲情しているが、それは心の内から溢 
れたモノだ。心の外から欲情が流れ込んでくるとはどういうことだろうか、と。ついでに言うとその欲情はジ 
ュンの性欲を更に掻き立て、煽っている。 

もう駄目、恥ずかしい、私を・・・・・・ 

ジュンはポカンとこちらを見上げてくる水銀燈を見る。 

抱きしめてぇ・・・・・・ 

そして、確信した。これは水銀燈の心だ、と。切っ掛けとしては、それで十分。 
その時にはもうジュンは行動を起こしていた。 

押し倒す様にして抱きしめる。水銀燈の体がもっと大きく重ければ、成り行きでそのまま押し倒せたのかもし 
れないが、彼女の体は軽く、小さかった。そのまま支えて、その小さな唇を、貪るように己が唇に合わせる。 
水銀燈の体が大きく震えた。イヤイヤをするように頭を横に振ろうとする。 

「んんっ!んむぅっ!」 

くぐもった声を上げ、ジュンの胸を突っぱねようとするが跳ね除けさせることができず、手は滑ってジュンの 
背中にまわってしまっていた。頭は、軽く添えられたジュンの右手に、その動きを遮られてしまった。左手は 
強く腰にまわされている。 
そしてその小さな口腔にジュンの舌が伸びてくる。 

「んっ、んっ、んっ!」 

もうジュンを引き剥がす手段が水銀燈には残されていない。しかし為すがままにされるのは水銀燈の本能が許 
さなかった。グッと歯を食い縛り、ジュンの背中を掻き抱く。それしか抵抗ができない。そもそも何故抵抗し 
なければならないのか、水銀燈にも判っていなかった。体は密着し、ジュンの体温や鼓動が水銀燈の興奮を煽 
る。歯列をなぞるように、頬の内側をこそぐように蠢くジュンの舌は、グチュ、ピチュと卑猥な水音を奏でた。 

「んっ!んあっ!」 

口腔の水音が水銀燈の頭の中でエコーのように響く。快感が意思を、妖しく舐る。ほんの少しの隙間が空いて 
しまった。そこに滑り込む、舌。そして絡み合う、舌。 

ニュルリ、グニュリ、ペチャッ、ビチュル 

ジュンはもう、夢中だった。自分のそれと比べて、随分と小さい口腔を犯すことが、堪らない快感だった。 
爪を立ててしがみ付くように回されている腕が快楽なら、小さな顔に添えた己の手、折れそうなほどに細い腰 
を抱く己の手も、快楽。眼と鼻の先に居る少女人形が、快楽そのもの。 

ディープキスは水銀燈の官能を強く揺さぶっていた。腕に力が篭り、無意識に腰が動き出す。 
下腹部がキュンキュンと窄まるような感覚が断続的に発生し、キスだけで、激しく濡れる。 
快楽に、ガクガクと体が揺れる。もう体の動きを制御できない。まるで全身を舐められているような、ひどい 
錯覚。いつの間にか、自ら舌を突き出して積極的にジュンの舌と絡ませていた。 

んふぅ、んっ!ん、ん、ん、ん、ん、ん、んっ!」 

もう二人とも、気が狂ったかのように互いの舌を貪る。 
生々しい水音。 
舌という敏感な器官を絡めあう。 
吸う。 
しゃぶる。 
ジュンはそれだけでは飽き足らず、強く吸い上げながら、噛む。 
噛むという、刺激。それはスイッチだった。 
水銀燈の首筋に刻まれた紅い痕。それが疼いて。 

「んっ!んぁぁぁぁっ!」 

水銀燈は、キスだけで絶頂に達した。 

少女人形の艶声はジュンの聴覚を深く貫いていた。まるで耳が脳になってしまったかのような錯覚。  
鋭く脳に響き、その反響がジュンの牡を揺さぶる。 
キスだけなのに、それは水銀燈とのかつての情事を遥かに上回る快楽。 

キスがこれほどにキモチイイものだとは――― 

快楽に溶けた頭でそんなことを考えながら、ジュンは射精した。 
射精しながら無意識に水銀燈の腰を引き寄せ、彼女の柔らかな下腹部に己が絶頂を強く押し付けた。 
ズボン越しの感覚はこれで二度目だが、あのときよりも遥かにキモチイイ。 
忘我の境地で爆ぜ、全身を強く震わせながら、ジュンは激しく迸っていた。 

----

互いの体が密着し、唇も吸い付きあっている。小さく痙攣しているのは、快楽の名残か。 
迸るものが尽き果ててなお、二人は強く強く抱き合っていた。 
が、それにも限界がある。 

「ぷはっ!はっ、はっ、はぁっ、はぁ……」 

先に動いたのはジュンだった。腰にまわした手を解き、唇を外す。 
二人の蜜の混合液が、ねっとりと、唇と唇をつなぐ橋となって垂れた。ジュンは大きく息を吸った。キスから 
射精に至るまで、呼吸するのも惜しんで貪りあっていたのだ。軽い酸欠も丁度良いスパイスになっていた。 
糸の切れた人形のように、水銀燈はベッドに倒れた。 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……んくっ」 

荒い吐息。コクリと細い喉が鳴り、口の中にたまった液体を飲み干す。 
病的な程に白かった体は、うすピンク色に色づいている。 
呼吸のたびにその小さな胸は大きく上下した。ささやかながらも女性らしく膨らんだ乳房。 
その頂は桜色に色づき、興奮のためか尖りきっている。 
球体間接を通り、形の整った臍。綺麗にくびれた腰は、抜群のスタイルを誇っている。 
太腿から脹脛を通り、足の指先に至るまで、それは完璧な女性のフォルム。 
彼女の「父」が、彼女に何を求めたのか。それがまるで透けて見えるような。 
桜田家居候組の人形達には無いものだ。 
その足の、付け根。一本の筋。湧き出る美蜜と一筋の濡れ後。ジワリとシーツに広がる、シミ。 

その全ては、一切の邪魔立て無く桜田ジュンの眼前に曝け出されている。 

絶頂に達したばかりペニスが力を取り戻すのに、時間は掛からなかった。 
窮屈な衣服は脱ぎ捨てる。収まりの付かない性欲が、ジュンを突き動かしていた。 

水銀燈の体は、絶頂の余韻を消化することに集中していた。 
思考が快楽に支配されてまともに働かないし、体は弛緩したように動かない。 
一箇所だけ。どうなってしまっているのか、容易に想像できる箇所がある。 
そこはきっと、びしょびしょに濡れている。それどころか今も尚、溢れてきている。 
そこから体液が漏れているのが、わかる。 
水銀燈の体は、ぶるっと一度大きく痙攣した。その拍子にまた一筋、シーツにシミが広がっていた。 

それが男の性なのか、どうしても最初に目が行くのは乳房だった。 
男には有り得ないふくらみ。羨望と欲望が綯い交ぜとなって、手を動かす。指先が、触れる。 

「あっ……」 

自分の胸をまさぐる何かの感触。湧き上がったのは強烈な羞恥だった。 
常に奪う選択をしてきた水銀燈にとって、「自分のことを知られる」という経験は乏しかった。 
恥ずかしくて、恥ずかしすぎて、逆に、何もできない! 
快感と羞恥に当てられて、水銀燈は両手で真っ赤な顔を覆った。 

「んふっ。うぅっ……ああっ」 

はじめは指先で慎重に触れる。が、慣れるにしたがって次第に大胆になってくる。その慎ましいふくらみを手 
の平に収めるようにして、揉む。さする。 
ジュンは、その柔らかさに感動していた。押しても引いても吸い付いてくるような感触。軽い力でも沈み込む 
指先や、それをやんわりと押し返してくる弾力。 
これが女の人なのだと、イメージが頭脳に刷り込まれていく。 
磁石のように手を離すことができなくなったジュンは、ただひたすらに水銀燈の胸をさすっていた。 
そうやってその柔らかい塊を堪能すれば、自然に気が付いてしまう。 

「んっ!……はぁっ!」 

少し高めの喘ぎ。それをあげさせるためのスイッチ。硬くしこった、乳首。 
手の平を使ってその頂を擦る様に。また人差し指と親指で軽く摘み、転がす。 

「あっ!ふあっ!」 

乳首が擦られるような感触は甘く鋭い快楽を水銀燈にもたらしていた。 
そこが、これほどまでに敏感な器官であるとは知らなかった。こんなにいきり立って、尖るものだとは知らな 
かった。 

乳首を指の間に挟むようにして、寄せて上げてみる。手の平にすっぽりと収まり、自在に形を変える小さな膨 
らみに、余裕がなくなってくる。 
ジュンはゆっくりと、水銀燈に覆いかぶさるように体を倒した。 
そして、眼前に迫る胸を両脇から寄せ、飛び出すように突き出た乳首を、口に含んだ。 

「あっ?!な、なにぃ?……うあぁっ!」 

予期せぬ感触に、水銀燈は混乱した。慌てて手をどけて己の胸を見ようとすると、最初に飛び込んできたのは 
人間の頭髪。そして、乳首に吸い付く唇だった。 

「う、うそっ!あっ!やめぇっ……ああんっ」 

あまりにも予想外の行動に仰天し、快感に悶えながら、ジュンの頭を抑える。髪の毛を引っ張り引き剥がそうと 
する。だが腕には思うように力が入らなかった。それどころか「吸われている」と意識してしまったために、 
どんどん力が抜けていく。それでも弱々しく抵抗するのをやめる訳にはいかなかった。 
だって、キモチイイのと同じくらい、ハズカシイ。 
喘ぎ声をあげながら、ジュンの髪の毛をクイクイと引っ張って些細な抵抗をする。が、その程度では盛りのつ 
いたオスを止めることは、当然ながらできない。 
夢中になって乳首に吸い付くジュンは快楽と同時にどこかほのぼのしたものを感じた。性欲とは別の、安心感 
にも似た何か。 
自分はきっと、この少女に甘えたいのかもしれない。 
そう結論付けると、ジュンは一旦唇を離した。頬を乳房に押し付けながら息を整え、そのときに気が付いたの 
は自分の前髪を掴む小さな手。視線を巡らして水銀燈の顔を見上げる。 
何かから逸らすかのように横を向いた顔は紅く染まり、荒い甘い息を吐く。薄く開かれた目からは真っ赤な瞳 
と一筋の涙の後が見えた。 
ドクンと。ジュンの心臓が高鳴る。それは、あまりにも扇情的で淫靡で魅惑的な「女」の貌。 
今度こそ快楽に支配されたジュンの思考は、迷わず、荒々しく、先程とは反対の乳首に吸いついた。 
先の愛撫が母に甘える赤子のようなものなら、この愛撫はその逆。獣欲を満たすための、欲望に彩られた、純 
然たる快楽のためだけの性行為。 
それに晒された水銀燈は、ひとたまりもなかった。 

「いっ、つ?!んあっ、きゃふぅっ!!!」 

ちゅっ、という音と共に、ひときわ強く吸い付かれる。鋭い痺れに、反射的に両手でジュンの頭にしがみつい 
てしまっていた。 

「んっ!や、強、すぎるぅ……ああぁっ!」 

今度こそジュンには何の容赦もなかった。乳房に齧り付くように唇を被せ、吸い付きながら舌で無遠慮に乳首 
を舐め回す。強く愛撫するたびに、顔面を押し付けるかのように水銀燈の腕に力が篭るのは、ジュンの性欲を 
加速度的に煽っていた。水銀燈にそのような意図は一切ないが。 
空いた乳房に手を伸ばし、乳首を押しつぶすようにひねり、こねる。 
両の手で二つの膨らみを撫で回しながら、その谷間に口づけ、強く吸い上げる。真っ白な肌に、キスマークと 
いう名の紅い花が咲く。それも一つでは飽き足らず、何度も何度も。 

「あんっ!あ、痛っ!くぅんっ…はぁっ!」 

谷間に舌を這わせながら乳房を舐めあげ、頂に吸い付く。 
指でくりくりとこねまわす。 
ジュンも水銀燈も、無意識に腰を動かしていた。しかし頭身に差があるために、本当に擦りあいたい部分が触 
れることはない。水銀燈の腰は、膝を立てて浮かすようにガクガクと震えている。それはそうせざるを得ない 
かのような、受身な動きだった。 
一方でジュンは違った。明らかに快楽を求めた動きだ。なぜなら、ジュンの勃起したペニスは水銀燈の足に触 
れていた。正確に言うなら、内腿から膝にかけて。そこを、何度も往復するように擦り付ける。 

勃起が、ビクリビクリと震えた。射精の予兆。感極まったジュンは無意識に加減しながら、噛み付いた。 
水銀燈の乳首に。 
手に力が篭り、その拍子に、軽く乳首を爪で引っかいた。 

「あっ!!!いやぁ!かんじゃ、だめぇ!かん、じゃ、ああぁ!うあぁぁあああ!!!!!」 
「ぐううっ!んむぅぅっ!」 

くぐもった声をあげてジュンは射精した。跳ね回るペニスは、水銀燈の足へ容赦なく精液を浴びせていた。 

胸の谷間に強く吸い付かれる。少し痛いけど、むず痒いような快感。 
カプッという感触。噛まれた。カリッという未知の感触。甘い痛み。 
跳ね上がる、腰。大事な場所がきゅーっと窄まるような。 
頭の中で風船が破裂する。破裂した風船が、真っ白い何かをぶちまける。 
思考が、意思が、理性が、欲望が、羞恥が、何もかもが全て、真っ白に染まる。 
いく。私の意識が、どこか知らない場所へと、飛んでいく。 

ブリッジをするように腰を突き出して、水銀燈は逝った。 
秘花からは激しく潮が迸っていた。 

乳房から唇をはがし、上体を起こしてジュンは大きく息を吸った。射精の瞬間の無呼吸が快楽を増す一方で、 
一時的な激しい体力の消耗は避けられない。 
荒く息をつきながら水銀燈を見下ろすと、彼女は気絶していた。 
全身いたる所がピンク色に上気している。 
胸の谷間に紅い花が咲き、それは乳房にも確認できた。 
軽く開かれた足。膝から太腿にかけて、ジュンの精液が付着し、付け根にあるスジはキラキラと濡れて輝いて 
いた。 
時折体がピクンと痙攣しているのはきっと、頭脳が快楽を処理しきれていないからだろう。 
震えた拍子に太腿の精液が垂れ、そして、膝と腿の付け根の球体間接に染み込んでいく。 
その光景に、ジュンは暗い喜びを感じていた。 

美しい少女を、己が欲望で汚している 

そういう種類の喜びは、際限がない。ふと湧いたサディスティックな愉悦は、思春期のオスを再び沸き立たせ 
る為の丁度良いスパイスだった。 

ジュンは水銀燈の両膝に手をかけた。意識のない水銀燈に抵抗はない。ゆっくりと割り広げると、その中心の 
彼女の秘密の唇が露にされる。 
膝に置いた手を、太腿から付け根の球体間接へと滑らせて同時に、顔を女陰へと近づけていく。 
眼前に迫った淫らな蕾に、ジュンはごくりと喉を鳴らした。球体間接をくるりと撫でると、濡れて妖しく光る 
女陰に指を添える。スジの脇の恥丘の肉を擦るように指を動かす。形容しがたい位にそこは柔らかかった。 
乳房の柔らかさとは全く質の違う柔らかさ。こちらの方が遥かにいやらしい。 
水銀燈の体が大きく震えた。 
スジを擦り合わせるかのように左右の指を動かすと、細いスジが妖しく歪み、割れ目の端からはこぷっと愛液 
が垂れる。 
つい先程果てたばかりだというのに、ジュンはペニスをピンピンに勃起させていた。興奮のあまり今にもむしゃ 
ぶりつきそうになるのをどうにか堪えながら、一旦人差し指を離し、今度は両の親指を添えた。 
そしてゆっくりと、慎重に、左右に広げる。 
スジが横に引っ張られていく。 
花が、開く。 
それは、淡いピンク色の、卑猥な菱形。 
一度閉じて、再度開かせる。それを何度も繰り返す、クチュクチュという水音と共に蜜が溢れた。 
上部にある豆のようなものがクリトリスで、下にある閉じた溝が、穴だ。 
指の動きに応じて淫らにその姿形を変えていく様は、言葉で言い表すことができないほどに淫らで妖しく、そ 
して綺麗だとジュンは感じていた。 
親指は添えたまま。空いた両の人差し指でクリトリスに触れる。 
今度ははっきりと、水銀燈の体が跳ねた。 
それを感じながらジュンは、指を擦り合わせるように、クリトリスを挟んで動かしていた。 

「んはぁっ!」 

電撃のような刺激に水銀燈は目を覚ました。 
無理矢理叩き起こされるような感覚に一瞬だけ怒りが湧いたが、しかし次の瞬間にはそれも吹き飛んでいた。 

「はっ!あっ!あっ!あんっ!くふぅっ!」 

それが動くたびに、絶頂一歩手前の、強烈な快感が襲い掛かってくる。体が痺れるように跳ね上がる。 
水銀燈はこの感触に、はっきりとしたデジャブを感じていた。慌てて視界を巡らすと。 
自分の股間に蹲る人間。そして、アソコを弄くる指。 

「……………」 
「……………」 

一瞬の静寂。そして。 

「――――――っ!!!!!!!?!!!!?!!?!?!!???」 

水銀燈が現状を把握した。その瞬間にジュンは、水銀燈の淫らな菱に、むしゃぶりついていた。 

「!!!!!! 
 ああぁぁっ!!!んっ!!!かはっ!」 

先程の乳首と同じように、クリトリスを吸い、しゃぶる。彼女の小さなそれは、容易に口内に収めることがで 
きた。全体に舌を這わせて舐めあげる。その全ての行動に、彼女は腰を跳ね上げ、全身で答える。 

「くあっ!きゃう!あ、あ、あ、あ、あ、あ!」 

跳ね回る腰に手を回し、更に唇を押し付ける。ジュルジュルと音を立てて溢れる蜜を吸い上げ、嚥下する。 
舌を何度も往復させると、浅く舌が滑り込む箇所があった。さっき確認したはずだ。そこにあるのは、淫らな 
穴。 
ほんの少し、口の位置をずらす。舌を窄めるようにして、その溝をつついた。 
ゆるりと、舌先が少しだけ、少女の聖域に進入した。 

「だめっ!だ、め、ああ、あ、あ、あ、あ、あ、あうっ!」 

ひゅっ、と。 
少女が息を吸い込んだ。そして。 

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」 

声にならない悲鳴をあげ、ジュンの口内で、壮絶に飛沫をあげた。 

ビュッ、ビュッ、ビュルッ 

口の中で、潮がはじける。 
ゴクリと飲み干す。 

ピュッ……ピュル…… 

徐々に勢いを失い、間隔が長くなっていくそれを、ジュンは口内で受け止める。腰に強く抱きついて、けして 
離れようとはしない。 
最後の一滴まで、少女の吹き上げる聖水を零さぬように抱きしめながら、ジュンは思う。 

小さすぎてここには絶対挿入らない。それに、彼女を穢すことなんて、僕にはできそうにもないな 

無味無臭の透明な液体を飲み下したジュンは、ゆっくりと身を起こす。水銀燈を抱き上げて上体を起こした。 
ベッドに座りなおし、胡坐をかいて壁に背をあずけると、水銀燈を後抱きにして膝の上に乗せてやる。 
彼女の肩越しに左腕を前に回し、右手は少女の頭に置く。そして、髪を梳くようにして撫でる。 

水銀燈はあまりに強すぎる快楽に気絶することもできずに、しゃくりあげて泣いていた。 

「う……ヒック、ヒック、……うぐっ……うぅ……」 

ジュンの腕にしがみつき、止め処なく涙が溢れる。無心で、涙が流れていた。 

落ち着くのを見計らってジュンが口を開いた。 

「ごめん」 
「………」 

丁寧に、何度も何度も、髪を梳く。頭を撫でる。 

「ごめん……」 
「………」 

水銀燈の小振りな尻の下で、未だ収まりの付かないペニスが時折痙攣していた。 

「水銀燈、……っ。ごめん…」 

ゆっくりと、ジュンの腰が動く。尻の割れ目に擦り付けるような動き。 

「…………ぁっ!」 

水銀燈が、わずかに反応した。腰の動きが次第に速くなっていく。 
水銀燈の体を持ち上げて、ペニスを尻から下腹へと移した。 
女陰を擦るように、腰を動かす。 
まるで水銀燈にペニスが生えたかのような光景だった。 

そのまま腰を振った。いつの間にか水銀燈も腰を擦り付けていた。 

「んっ!ああっ!おかしくなるぅ!あたし、くるっちゃぅ……!」 
「うっく!水銀燈、もう、出る…イクぞっ!」 

ジュンが勢いを強める。ペニスの先端が、水銀燈の秘孔を浅く抉った。 

「あっ!!!あ、あ、あ、ああぁっ!もうやぁっ……うごか、ない、でぇっ!」 

水銀燈の手が下に伸びて、ペニスに触れた。そしてその動きを抑えるように、きゅっと握り締め、己の女陰に 
押し付ける。 

「うあっ?!?…あ…ううっ!!!イクッ!!!!」 

ラストスパートを掛けていたジュンにとって、それは予想外の刺激だった。 
あまりの不意打ちに、堪えることができない。その必要も無い。射精する。 
ビュッ!ビュッ!ビューッ! 
己の手に吹きかかる精液の感触。水銀燈は他者の絶頂を初めて目にした。小さな手が、あっという間に真っ白 
に塗り替えられていく。 
脈打つ怒張は女陰に密着し、その熱を、震えを、ダイレクトに伝えていく。 

「あっつ!あつ、い!!…ック!イク、イっ!ああああん!イッ、ク!あ、イクぅ!!!!!」 

吹き上げる精液を全身に受けながら、水銀燈も逝った。 
意識が飛ぶ直前。水銀燈は何かが満たされていくのを感じていた。 

それが「幸せ」と呼ばれるものであることを、彼女はまだ知らない。 
水銀燈には、まだまだ知らないことが多い。 
しかしそれが満たされていくのも、きっと時間の問題。 

FIN 

おまけ 

「もう、帰るわぁ……」 

そう呟いて、水銀燈はベッドを降りた。 
そのとき。 
ビチャリと音を立て、精液が水銀燈の体から滴り落ちた。 

ジュンが水銀燈の肩を掴む。 

「……お風呂に、はいろう……」 

水銀燈の顔がボフッと音を立てて赤くなった。 

二人の夜は、まだまだこれから。 

おまけ2 

「と、とんでもないものを見てしまったのだわ……!」 
「と、とんでもないものを見てしまったですぅ……!」 

鞄を少しだけ開いて「のぞき」をし、下着をびしょびしょに濡らしている人形が、二体。 

ジュンの受難も、まだまだこれから。 

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以上です。感想よろしく。 

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