ここは夢の世界。
「わかってるよレンピカ。今夜こそ見つけなくては……」
蒼星石はマスターの命でとある人間の心の木を探していた。マスターはその木を探し出し復讐をすると言う。
これが原因で彼女は双子の姉と仲違いをしていた。
「さぁ行こ……っく……!」
突然、蒼星石は蹲った。心配そうに人工精霊レンピカが主のもとへと寄ろうとするが、それを手で制した。
「大丈夫だよ、レンピカ。それより翠星石達の様子を見に行ってくれないか」
多少訝しげな雰囲気を残しつつも、主に忠実なレンピカは桜田家へと飛んでいく。それを見て蒼星石は安堵
の溜息を漏らす。が、それと同時に低く呻き声を上げた。そして手近な木に寄りかかる。
「ああっ……!……はぁー……」
どこか悩ましげな声。明らかに快楽の混ざった喘ぎだ。蒼星石は上気しつつもどこか困った風な表情で己の
ズボンに視線を下ろした。
ズボンを押し上げて硬くそそり立つ何か。
躊躇いがちにズボンに手が掛かる。何度も逡巡しながら蒼星石はズボンを下ろした。
そこには、ショーツを突き破らんばかりに雄雄しく猛り立つペニスがあった。
翠星石と離別した本当の理由はこれだった。最初にこの存在に気が付いたのは今回の目覚めの時だ。最初は
なんとも無いと思っていたのだが、何の前触れも無く突然勃起してしまうことがあった。それと同時に狂おし
い程の感情の波が襲ってくる。この猛りが、最愛の姉をどうにかしてしまえと喚く。
それに耐え切れず、翠星石を自分から隔離した。マスターが老人であったことは蒼星石にとって幸運だった
かも知れない。この欲望のせいで誰かを傷つけずに済むなら幸い。恐ろしいのは、この巨大な陰茎の存在を誰
かに知られてしまうこと。
だから蒼星石は一人、夢の世界でオナニーに耽っている。この夢の世界に干渉できるのは翠星石だけなのだ
から、彼女に見張りを付ければ、行為に没頭できる。
「んんっ!」
根元を握り締め、カリ首までゆっくりと扱く。先走りの液がビュクっと吹き出た。手に激しい脈動を、脳髄
に激しい快楽を感じ、蒼星石は体を仰け反った。木に押し付けていた背中が浮く。代わりに後頭部を木に当て
て体を支える。
「はっ、ああっ!ううっ」
亀頭を手の平で撫で回す。グチャグチャと水音が響いた。ベトベトの手で更に強く速く扱く。手を何度も往
復させる。
「ああっ!凄い、気持ち良い……ああっ!ああんっ!」
手の動きとは別に、ペニス自体が激しく脈打ち、跳ね回るように動いた。ビクンと痙攣するたびに先走りの
液が吹き出し、それ以外のときでも絶えずトロトロと漏らす。激しい勃起によって下へと追いやられていた水
色のショーツはびしょびしょに濡れて変色していた。勃起の直下にある乙女の秘花も蜜を垂れ流しているのだ。
「ううっ……もう、もう……ああああっ!」
蒼星石は一際大きく嬌声を上げるとクルリと木に向き合う。左手を木に回し、腰を突き出すような格好にな
った。そして一心不乱に右手でペニスを擦りあげた。同時に激しく腰を前後に振る。
「あんっ!あああっ!凄い、締まるぅ!ああっ、あぐぅ!」
快楽に焦点の合わない目は、ここには居ない誰かを幻視していた。その誰かとのセックスを妄想し、蒼星石
は昂ぶっていく。
勃起が激しい痙攣を起こした。根元から、熱い何かがこみ上げてくる。その感覚に蒼星石は奮えた。
「ああっ!もう、逝きそうだ……!……くあっ!ああ、翠星石!翠星石ぃっ!」
大きく背中を仰け反らせ、蒼星石は果てた。最愛の姉の名を叫びながら。
右手に強く握り締められたペニスから精液が吹き出る。勢いよく噴出したそれは、木の幹に真っ白い粘液を
へばりつかせ、ドロリドロリと根元へ垂れた。射精は徐々に勢いを失い、蒼星石は最後の一滴まで搾り出すよ
うにペニスを何度も扱いた。
そしてその直後。
「ふあぁぁっ!ああっ、ああっ、んああああああああぁぁぁっ!」
ペニスの根元にある淫らな秘花が、飛沫を上げた。ショーツに弾けた愛液が太腿を伝う。連続した二度の絶
頂に、蒼星石は艶やかな絶叫を上げた。
涎も涙も垂れ流し。
眼前には、同じように絶頂に咽び泣く翠星石がいる。
蒼星石は放心した。
涙が頬を伝い、零れて地面に落ちた。
その時。
「はぁい、蒼星石ぃ。お久しぶり。ところで私と取引しない?……って、ええええええ???」
空気を読まず、銀様推参。