今頃、時計は夜の11時をさしている頃だろうか。少なくともドール達は当に眠っている時間だ。 
 寝台に横たわる桜田のりは、寝室のドアが音も無く開くのを察知した。 
 “来ないで”と彼女は“姉”として胸の内で呟く。禁忌を犯す子供を叱るような厳しい口調。 
しかしその一方で、蜜のように甘い一時への期待感を抱いている“女”としての感情が 
芽生えている事も自覚している。 
 仲むつまじい弟が毎夜密かに行う禁じられた遊び。 
 ジュンは可愛い弟だ。しかしこの時ばかりは、禁断の誘惑に胸を躍らせる1人の“男”に過ぎない。 
 “男”の荒い呼吸音が微かに聞こえる。獲物を求め千里の道をさまよい続け 
今ようやく目の前のご馳走にありついた一匹狼。 
  
 ジュンはそっと掛け布団を剥ぎ、姉に四つん這いに覆い被さった。 

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 ジュンは卑猥な手つきで太股から腰、脇腹を撫で回し始めた。くすぐったいような感覚が 
だんだんと快感へと変わるのを感じる。 
 乳房を触られ、一際強い快感が走った。嬌声が漏れそうだ。でも、声を出す訳にはいかなかった。 
姉弟としての関係がギクシャクする事は避けたいし、何より彼はデリケートだ。 
行為がバレた時に大きなショックを受けるかもしれない。自分が眠ったふりをしていれば何事もなく済む……。 
 ゆっくりとパジャマのボタンが外されてゆく。股に押し当たっている興奮状態の“それ”が 
妙に生温かく感じた。 
 下着も取られ、上半身は半裸状態だ。肌寒い。それを察したかのように 
ジュンは火照った体を密着させ、唇を重ねた。 

(駄目よ、ジュン君……) 
 最初は“姉”として叱りつけようとも思った。けれど、今はもうこの快楽に抗えない“女”。 
 蜜を舐め取るように執拗に顔や首筋に舌を這わされ、飢えた魔手は下半身にまで及ぶ。 
 強引に下着ごと服を下げられた。秘部が露となる。 
 ゴクリ、と生唾を飲む音が聞こえた。ジュンの呼吸も先ほどより荒くなっている。 
 ジュンは姉の秘部に顔を埋め、むさぼるように舐め回した。 

「……っ!」 
 電撃のような快感に声が漏れそうになるのを歯を食い縛り、必死に我慢する。 
(早く終わって……はやく) 
 ジュンは執拗に舌を転がし続け、止む気配が無い。むしろ段々と激しくなって来ている。 
 ――この快感に身を任せられたら……。 

 我慢の限界は唐突に訪れた。 

「……ぁ、んああっ」 
 しまった。 
 一瞬気が緩み漏れた嬌声。それを機に快感の嵐が止んだ。 
 ジュンは動揺に震えた声で 

「起きてた、の……?」 

 のりは快感の名残か、淫らに呼吸を荒げてコクリと頷いた。 

――――――――――――――――――――

 気まずい沈黙、のりの荒い呼吸音が響く。まるで水中から這い上がって来た直後のようだ。 
 快感という名の美酒に酔った頭で思考を巡らせる。こういう時にはなんて言えばいいんだろう 
正直フォローのしようがない。なるべく当たり障り無い言い方はないだろうか。 

「……私たち、姉弟よ?」 
 結局出た言葉はシンプルな物だった。 
 乱れた着衣を掛け布団で覆う。ジュンはうつむいたまま何も言う気配がない。 

 これを機に姉弟の間で溝ができたりしないだろうか、近親相姦だなんてただ事ではない。 
今までの姉弟関係が壊れてしまったと言っても過言ではない気がする。 

「ジュン君。その、こういう事はいけないと思う……」 
「関係無い!」 
 ジュンは姉の官能的なカラダを覆っている掛け布団を剥ぎ、そのまま押し倒した。 
唇で唇を塞ぎ、快楽に火照ったカラダがまさぐられる。 

「だめ!」 
 のりの平手打ちがジュンの頬を鳴らした。ジュンの手が止まる。 

「――姉弟でも……好きなんだよ」 
 ジュンはそう呟くと、姉を抱きしめた。これは性的な物ではない。 
ただ純粋に愛と温もりを求めるだけの優しい抱擁。 

 確かに姉弟の関係は壊れてしまった。なら、また新しい関係を築きあげればいい。 

 のりの中で何かが吹っ切れた。 
 そして気が付くと、愛する弟の背中に腕を回していた。 

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