」 ジュンは沈んでいた。 前回の巴との過ちから未だ立ち直れない。 幸いに巴は孕んではいなかった、が、 それでもジュンは落ち込んでいた。 普段ドールズととっかえひっかえしてる癖に 意外とピュアっ子なのである。 最初こそ大したことではないと言っていたドールズも その落ち込み様から徐々に危機感を覚え始めていた。 「ジュンのちびちびが何時まで立っても、ちびちびなままですぅ」 「ジュンの最近おっきおっきしてないのーー」 「穴……攻めますか?」 手から水晶を発生させる薔薇水晶。 それを真紅が止めた。 「ダメよ。これは試練なのだわ。私達に課せられた、 如何にしてジュンを元気にさせるか、という…… 先ずは私のこの"乙女の嗜み"で……」 「……それじゃちょっと小さすぎるじゃないかな」 「……お姉様可哀想」 「お黙り!!ブルーシザーに白電波!! どこ見てんのよ!!」 コレよ、と言って手に持っているのを見せる。 「お化粧かしら?」 「のりから借りたコレを使って ジュンを欲情させるの。私の滲み出るフェロモンなら 楽勝なのだわ」 数分後。 「さぁどうかしら?」 みんなの前に立つ真紅。 (うげっ!厚化粧すぎて最早誰なのかわからんです) (真紅、オバケになっちゃったの…) (くっ、このローゼンメイデン一の変装乙女、 金糸雀でも歯が立たないかしら) 「どうなの?」 真紅が詰め寄る。 「い……良いと思う……よ……」 「当然よ!!」 蒼星石が顔を引きつらせているのに気付かず真紅は向かう。 ジュンの部屋へと。 自信に満ち溢れた表情で。 「さぁジュン私に欲情なさい!!」 勢いよくドアを開ける。 「うわあっ!?だ……誰だ?お前は!!って真紅? ちょ、ちょっとケバす「絆ーーーーックル!!!」 どがぁん という音。 風呂から上がり立ての のりが大慌てでやって来る。 「ど、どうしたぁ〜泥棒かぁ〜」 のりの目に映ったのは壁にめり込むジュンに 化粧を落とした真紅が紅茶を啜っている所だった。 「全く失礼するのだわ」 薄暗い病室で少女は一人自分を慰めていた。 声がでないよう服の裾を口に含み、 左手はその少女に相応しい成長具合の胸に、 右手はその桃色の秘部にそれぞれあてがわれていた。 この部屋では目の前の写真立てが 少女の淫行を静かに見つめるのみ。 両の手はそれぞれ意志を持った生き物のように 動き回る。 それは徐々に徐々に激しさを増し、 ビクンっ と少女が軽く跳ねたのを合図に治まっていった。 ふぅ、と一息つきベッドに力無く寝転ぶ。 乱れた服に滴る汗が少女をやけに大人びた様相に見せる。 「……待たせてごめんね」 不意に少女、柿崎めぐが言った。 「気づいてたの?」 窓から水銀燈が入ってきた。 「見られてる方が興奮するのよ」 めぐはそう言って起き上がる。 乱れた衣服を正し、汗を拭く。 「で、今日はどんなプレイしたの?」 めぐはいつもの調子で聞いてくる。 水銀燈が来たときは先ず、ジュンとどんなプレイを したのか聞くのが日課だった。 それを水銀燈も自慢気に語るというのがこの二人の 日常なのである。 しかし 「最近はさっぱりよぉ。 ナニやっても反応しないからつまんない感じぃ」 心底ツマラナそうな顔をする水銀燈。 そして写真立てに目をやる。 「あなた、またこれをオカズにしてたのぉ」 それはジュンの写真だった。 以前みつが桜田家に遊びに来たとき撮ったものの一つで (その写真を巡ってのアリスゲームで 血みどろの戦いがあったが省略) 水銀燈が見事に勝ち取ったものだ。 「だって私、ずっと病気だから友達いないもん! それにこんな牢獄に閉じ込められてちゃ 溜まっちゃうのはしょうがないの」 めぐはぷうっ、と頬を膨らます。 水銀燈は苦笑いをし、 ある考えを思いついた。 ジュンを復活させる為の案なのだが、 このやり方は正直やりたくない。 しかしこのままでもジュン復活は当分なさそうだ。 (背に腹は代えられないか……) 水銀燈は妥協し、めぐに言う。 「ちょうどいい作戦があるんだけどぉ」 真夜中。 どうにも最近寝付きの悪いジュンは 何か飲もうと一階の冷蔵庫に向かう。 「あれ……この前買ったジュースがない……」 「あらぁ?じゃあヤクルトでもどぉ?」 しばし沈黙。 「じゃあお休み!!」 ジュンは自分でもびっくりするぐらいの速さで逃げた。 「待ちなさぁい」 そしてあっさり捕まった。 どう考えても嫌なことしか想定出来ない。 水銀燈がナースの格好をしてる時点で。 「あなたがお医者さんごっこが好きだってのは もうわかっているわぁ。観念なさぁい」 水銀燈に言われるがままにnのフィールドに連れてかれる。 そこは正に病院だった。 「はぁ〜い急患でぇ〜っす」 パチンと指を鳴らす水銀燈。 ガラガラ と、よくドラマで見る患者を運ぶベットが 「急患なのー!」 「ジュン君悪く思わないで…君のためなんだ」 雛と蒼共に突っ込んでくる。 ジュンが悲鳴を上げるより先、 がぁん、とはね飛ばされた。 そしてベットの上に落ちる。 「さぁ行くデスよ真紅」 「この私が縛ってあげるわ。感謝なさい」 いつの間にかベットにいた二人に 包帯で縛り上げられる。 「さぁコッチかしらぁ」 金糸雀の合図で紅翠は飛び降り、ベットが急停車。 慣性の法則に従いジュンは吹っ飛ぶ。 前方の部屋にぶち込まれた。 「どしゃらべぅっ!!?」 奇妙な悲鳴を上げ直ぐドアの方を見た。 「ぐっじょぶ」 雪華綺晶が親指立てて言った。 瞬間にドアが閉まり白荊がそれに絡まる。 「お前は何が言いたいんだぁぁぁぁあああ!!!」 「うわあ!本物!?」 突如何者かがジュンに抱きついてきた。 「きゃあ〜写真で見るよりちっこくて可愛い〜」 更に強く締め付ける少女。 ジュンはその少女の香りに理性がとろけそうになる。 が、とっさに拒絶した。 「やめろ!!」 ジュンは巴との過ちを思い出す。 「あんた誰だよ?」 思わず言葉が強くなる。しかし少女――柿崎めぐは 全く動じない。 「あは!自己紹介まだだったね。 私、柿崎めぐ。よろしくね!!」 あまりにも自然な態度にジュンは面食らった。 そんなジュンに何時の間にかいた水銀燈が 簡単な事情説明をする。 水銀燈の元マスターということ めぐには友達がいないこと 更に欲求不満だからどうにかしてくれ とのことだ。 「と、言うわけでこれはめぐのためであり あなたの為なのよぉ。 大人しくめぐ先生の治療を受けなさぁい」 「なんで僕が「あらぁ大丈夫よぉ!?ここは nのフィールド……現実とは違うもの。中に出しても 妊娠なんかしないわぁ。あなたの好きなように この子を滅茶苦茶にすればいいのよぉ」 ピクリとジュンが反応する。 もう少しだと水銀燈。 「そうねぇ今度からは柏葉巴も此処に呼べば ヤりたい放題なんだからぁ」 そしてめぐの方にジュンの顔を向ける。 めぐは顔を赤らめ、息を荒げ、 服をエロく着崩していた。 チラチラ見える下着に男のロマンがあった。 水銀燈はトドメの一言。 「さぁイッちゃいなさぁい」 「うわあああっ!!」 ジュンは復活した。 めぐを押し倒し、その華奢な身体を 欲望のまま貪る。 「ごゆっくり〜♪」 ジュン復活を見届けると水銀燈は窓から外に出る。 隣の部屋に移動し内線電話をかける。 「こちら水銀燈。いよいよ仕上げよぉ」 「……了解しました」 電話からは薔薇水晶のボソボソした声が聞こえた。 「んっ……桜田君」 ジュンは押し倒しためぐの胸に顔を埋める。 小さな二つの山、その周囲に丹念に舌を這わせる。 それから今度はその頂を舌ではじく。 もう片方の頂は指の腹ですり潰したり撫でてやる。 めぐは断続的に声を上げその度に身体をビクつかせる。 その反応が面白くジュンは更にその乳房を強く吸う。 「いやあっ!!」 まるで釣り上げたばかりの魚のように跳ねる。 目がトロンと虚ろになる。 軽くイッてしまったようだった。 「す……すごいよ、桜田君……でも私だって……」 めぐは言うと身体を、頭と足の位置をジュンと逆にする。 すぐにジュンに快楽が伝わる。 めぐがジュンの自身を口にくわえたのだ。 「そっちこそ……すごいよ」 ジュンも負けじと目の前にあるめぐの密壷に舌を差し込む。 差し込んで上下に動かす。 感じているらしくめぐは身体を捩らせる。 その拍子に自身を甘噛みされ今までとは違う妙な快楽に 「……あうぁ……」 耐えきれず出してしまった。 間抜けた声と共にめぐの顔は濃いジュン液に 染められる。 「私の勝ちだね……」 めぐは起き上がるとジュンに跨る。 「今度は桜田君の番」 まだまだ元気なジュンジュニアをめぐは己の 秘部に導く。えい、と気合い一閃、 ジュニアはめぐに飲み込まれた。 久々の交わりにジュンはますます硬くなる。 「すごいよすごい!!」 めぐは歓喜し、腰を振る。上下は勿論、 前後に揺すったり、円を描くように腰を動かしたりと その硬さを堪能していた。 「か……柿崎!?」 「ふぁ……桜田君……」 お互いの限界を感じ、最早本能のみで腰を振り続けた。 相手の名前を叫びあい、動きは速く、 肉の打ち付けあう音も大きい。 「「ああああああああっ」」 絶叫と共に二人は果てた。 結合部から愛液と精子が溢れ返っていた。 少しやりすぎたかな、と巴は反省していた。 だから今日は一言謝ろうと桜田宅までやってきたのだ。 呼び鈴を鳴らし玄関を開ける。 「すいませヒャア!!」 ドアを開けた先に薔薇水晶が立っていた。 無言無表情で突っ立っていたのでかなり怖かった。 「……え……えと、……」 巴が何を言おうか考えていると、 「コッチです」 薔薇水晶はスタスタ歩き出した。 巴について来いと言っているらしい。 は、はいと意味もなく敬語で薔薇水晶について行く。 nのフィールドへと。 ジュンの元へと。 行為を終えたジュンはめぐをベットに寝かせ、 自分の部屋に戻ろうと病室を出た。 「さ……桜田君!?」 「え……柏葉!?」 そして巴に出会った。 水銀燈の作戦はこうだ。 まずジュンに三次元の女に対しての恐怖を 薄める。 次に元凶である柏葉巴に会わせ コレを克服させる。 ジュン完全復活を目論だのだ。 気まずい沈黙。 物陰ではドールズが見守っている。 やがて巴は意を決し言った。 「桜田君ごめんなさい!!」 頭を下げて。ジュンは呆気にとられたがすぐに我に返る。 「や……やめてくれ柏葉!あれは僕が暴走したせいで……」 「違うよ。桜田君が外で出そうとしたのを無理矢理 中で出させたのは私……本当にごめんなさい」 頭を上げようとしない巴。 次第にイライラしてきたジュンは、 「桜田……君?」 巴に熱い抱擁をし口付けをした。 「なぁ柏葉知ってるか? ここじゃあ幾ら中に出しても妊娠しないんだぜ」 ジュンは不適に笑うと、 「お詫びとして僕を満足させて貰う!!」 巴に飛びかかる瞬間、 「もぉ〜うるさいなぁ」 「「!!!!!」」 シーツを身体に巻いためぐが病室から出て来た。 時が止まる。 巴とめぐが互いを見つめあう。 「ねぇ桜田君」 めぐが口を開く。 「この棒きれを持った野蛮そうな雌豚は一体誰かしら?」 「―――!!」 爆弾発言。恐る恐る巴を見る。 額にいくつもの青筋を立ててなお、笑顔なのは恐ろしい。 「ねぇ桜田君」 巴が口を開く。 「この如何にもひょろい薄幸な泥棒猫は一体誰かしら?」 「―――!!」 めぐの眼は先程のソレと違う意味で虚ろになり ブツブツと何かを呟き始めた。 二人は睨み合い長きにわたる沈黙が続く。 (ば……薔薇水晶) 「知らない私は何も知らない」 助けを求めたジュン。しかしドールズで おそらく一番戦闘能力のある薔薇水晶ですら 二人の気迫に負けてしまった。 「私も知ら〜ないっとぉ」 水銀燈が小声で言い、それを合図に ドールズは避難を開始した。 「……じゃあ僕はこれで……」 ジュンはそそくさと二人から離れようとして、 「「さ〜く〜ら〜だ〜く〜ん」」 二人にがっちり肩を掴まれ、 「ちょっ……二人とも、落ち「「落ち着いてられるか!!!!」」 アッーーーーーーー!!!!! ジュンの叫びがnのフィールドに響き渡った。 おわり