「ねぇ、ジュン君と真紅ちゃんはもうエッチしたの?」 
「ブッ!」 
食事中、何気無く言ったのりの発言によってジュンは口の中の物を全て吐き出してしまった。 
「ななななな・・・行き成り何を言うんだよ姉ちゃん!」 
「でもでもでも、年頃で、互いに好きな男の子と女の子はそういう事やっちゃうってお姉ちゃんは本で読んだの。 
だってジュン君と真紅ちゃんとっても仲が良いでしょ? だからもしかしたらと思って・・・。」 
「一体どんな本を読んだんだよ! 第一コイツ人形だぞ! 人形と何でそんな事しなくちゃいけないんだ!?」 
「え? でも真紅ちゃんってジュン君のダッチ・・・。」 
「違う!」 
「ジュン・・・ダッ・・・て何なの?」 
のりの何気無い発言によって平和な食事風景はさながら修羅場と化してしまっていたが、 
ジュンが無意識に真紅を意識するようになったのもこれがきっかけだった。 
「ジュン、何をさっきからジロジロこっちを見てるの? 私の顔に何か付いてる?」 
「べ・・・別に何も見て無いよ!」 
部屋に戻った後もジュンはネットをしながらもちょくちょくベッドに腰掛けて本を読んでいる 
真紅の顔を覗いていた。確かにもはや真紅は桜田家の無くてはならない家族である。 
だが、それでも相手は人形だ。いくらなんでもエッチするはずが無いじゃないか。 
ジュンは心の中で己にそう言い聞かせていたが、真紅はただの人形と言う一言では 
片付けられない程可愛らしかった。金髪のブロンドに青い瞳。この二つだけでも 
黒髪黒瞳の日本人としては少し憧れてしまう要素なのだが、真紅の顔は人形とは思えない程 
整った可愛らしい。もし彼女がドールではなく人間であるならば、テレビの向こうで 
アイドルとしてテレビ番組に出演していたりしてもおかしくは無いかもしれない。 
体も球体関節と言う現在のリボルバージョイントにも通じる物が存在する為、 
やっぱりドールなのだと思ってしまう反面、それでもやはり少女的な可愛らしい滑らかなスタイル。 
ジュンはほんの一瞬真紅の下着姿を見た事がある程度であるが、それでも雑誌のグラビアアイドルなど 
足元にも及ばぬ可愛らしさを真紅から感じていた。性格的にはおせじにも良いとは言えない所もあるが 
ジュンを下僕と見下す一方で見せる優しさ等にも心なしかジュンは惹かれていた。 
「(でも・・・相手は人形だぞ! 人形なんだぞ!)」 
真紅を一人の女性として愛したい気持ちと、所詮は人形であると言う気持ち。この二つの感情の 
狭間でジュンは葛藤していた。ここしばらくは心の中だけで済んでいた事なのだが、 
のりの発言によってそれが表面にも強く現れてしまった。 
「あー! もう!」 
何をするわけでも無いのにジュンは思わずそう叫びながら立ち上がった。そして気分転換に 
一階何かお菓子でも取りに行こうとした時、ふと脚を滑らせ、転んでしまった。 
しかも転んだ先はベッドで、思い切り真紅を押し倒してしまった。 
「ああ! し・・・真紅! ごめん! 大丈夫か!?」 
顔を赤くさせながらジュンは大急ぎで起き上がり、ジュンの全体重に潰されてしまった 
真紅を心配していたが、真紅の方はそれほど答えてはいない様子であっさり起き上がっていた。 
「まったく・・・貴方は本当にダメな下僕ね。」 
「ごめん・・・まさか事になるなんて・・・。」 
ジュンは真紅に素直に謝った。だが、真紅は困った顔で溜息を付いたではないか。 
「ハァ・・・だから貴方はダメな下僕と言うのよ。好きな娘を抱く度胸も無いなんて・・・。」 
「え・・・。」 
ジュンは硬直した。真紅とジュンは指輪で繋がっている為、ジュンが何を考えているかは 
真紅も承知していた。 
「まったく・・・私がその事に気付かないとでも思って? ジュンも本当は私とエッチがしたいのでしょ?」 
「そんなワケ無いだろ!? お前は人形だぞ!?」 
「いいえ、したいと考えてるわ。」 
「考えてない!」 
「考えてる。」 
「考えてない!」 
顔を赤くさせ、力一杯否定するジュンだが、真紅は決定的な証拠を既に見つけていた。 
「あら、ならどうしてこの子はこんなに元気良く立ち上がってるのかしら・・・。」 
ジュンは勃起していた。ズボンの上からでもそれが良く分かる程豪快に立ち上がっていたそれを 
真紅は小さな手で優しく撫で、ジュンは思わず痙攣してしまった。 
「うわぁ! 何をするんだよ真紅!」 
「余程ストレスが溜まっていたのね・・・もしこのままにしていたらジュン・・・ 
この子は溜めすぎで破裂してしまうわ。下僕の危機を救うのも主の務め。」 
そう言うと真紅はベッドから降りて床にちょこんと立ち、ドアの方へ向かった。 
「ジュン・・・付いて来て頂戴。良い所に連れて行ってあげるわ。」 
「え・・・。」 
「早く。」 
「あー分かった分かった。」 
真紅とジュンは鏡の部屋の大鏡を通ってnのフィールドへ飛んだ。 
そしていくつもの扉を越えた先にある一つの世界に辿り着いた。 
その世界は自然の溢れる楽園だった。大地には草が生い茂り、花が咲き誇り、 
森の木には見たことも無い木の実が沢山なっている。都会育ちのジュンの目には 
はじめて見る風景だった。 
「ここは素敵な所でしょ? ジュン・・・。部屋の中にとじこもってるばかりじゃ体に悪いわ。」 
「う・・・うん・・・ってうわぁ! 真紅!」 
真紅の方をふり向いた時、思わずジュンは叫んでしまった。何しろ目の前の真紅は真紅のドレスはおろか 
下着や髪を結ぶリボンさえ取り払われた全裸体だったのだから・・・ 
「なななな何でお前裸なんだよぉ!」 
「あら、それを言うならジュンだってそうでしょ?」 
「え・・・ってうわぁ!」 
なんとまあジュンまで全裸となっていたではないか。そして全裸になったが故に股間にぶら下げられた 
勃起した男性器が目立つように立ち上がっていた。 
「ここは美しい自然の生い茂るエデンの園。」 
「え!? エデンの園って言うと旧約聖書に出て来るアダムとイブが生まれた場所の事!?」 
「って言うのは真っ赤な嘘だけど・・・。」 
「何だ嘘か・・・。」 
「でも、エデンの園に負けないくらい美しい所でしょ? たまには文明から離れて、 
着ている服も脱いで、生まれたままの姿で自然と一体となる。そういう日があっても良いと思わない?」 
確かに真紅の言う事も一理あるのかもしれない。地平線の彼方まで広がる広大な大自然のど真ん中で 
全裸の真紅とジュンが立っていると言う姿は美しく、どこか幻想的な感じさえ感じさせた。 
「あ、ちなみにこの世界から出れば服は自動的に元に戻るから安心して頂戴。」 
「で、これから僕達はどうするんだ?」 
「何って・・・わからないの? 全く困った下僕ね。あれを見なさい。」 
真紅がある方向を指差すと、そこでは原生生物と思しき見たことの無い動物が交尾をしていたではないか。 
「私がただ何の意味も無くここに来たとでも思って? これから私とジュンはこの 
美しい大自然に囲まれ、大自然と一体となってセックスをするのよ。そして・・・ 
私とジュンは契約の指輪以上に・・・心身共に一つになるわ・・・。」 
「な・・・。」 
やはりまだ決心が付かないようで、ジュンは顔を赤くさせて仰け反った。 
しかし、真紅は追い討ちをかけてジュンの勃起した男性器を握り締めたではないか。 
「まったく・・・ここまで来てまだ決心が付かないなんて困った下僕ね。いいこと? セックスは 
決して嫌らしい物では無いのよ。あの動物達を見なさい。大自然の中では交尾はいたって自然な行為なのだわ。」 
「けど・・・お前は人形だろ?」 
「でも私だって女の子よ。そして私はジュンが好きよ。ジュンと抱き合って交わいたいの。」 
真紅の目は本気だった。だが、真紅を本気にさせたのはジュンである。もうジュンは逃げる事は出来ない。 
「わ・・・分かったよ・・・。」 
「そう・・・なら行きましょう。誰にも邪魔されずにエッチ出来る場所へ・・・。」 
―――――――――――――――――――――――――
ジュンと真紅は広大に広がる草原を歩いていた。 
二人とも全裸ではあったがこの世界は暑くない程度に温かく、裸でも寒さは感じなかった。 
「なあ真紅、どこまで歩くんだ? エッチならここでも出来るじゃないか。」 
「ダメよ。きちんとそれ相応の場所でやらないと・・・。何事もムードを大事にしないとダメだわ。」 
「ムードじゃなくてヌードの間違いじゃないのかい?」 
ジュンの変な洒落に真紅はガクッと項垂れてしまった。 
「あのね、ジュン・・・。実はこの世界にはチン狩り族と言う恐ろしい原住民が住んでいるの。 
チン狩り族はその名の通りオチンチンを狩る事を生業とする民族で、ジュンのその元気で 
可愛らしいオチンチンなんかあっという間に根元から切り落されてしまうわ。」 
「ええ!?」 
ジュンは思わず股間を押さえるが、それを見た真紅は笑ってしまった。 
「冗談。冗談よ。そんなのがここにいるはずが無いじゃない。驚かせてごめんなさい。」 
真紅はジュンの男性器を優しく撫でた。ジュンが歩く度にゆさゆさと揺れる男性器が 
真紅にはとても面白く見えてしまうらしく、まるで小動物でも可愛がるように 
事ある度にジュンの男性器の肉棒を撫でたり掴んだり、睾丸を手に持って転がしたりしていた。 
ジュンもジュンで、口では嫌がっていても、真紅の小さい手によってそうされるのが 
くすぐったくて気持ち良いらしく、あながち悪くは無かった。 
そうやって広大な草原を歩いていく二人であったが、その後を追う何者かの姿があった。 
「真紅・・・抜け駆けは許さんですよ・・・。」 
二人の後を追っているのは翠星石だった。勿論彼女もまたこの世界に来た際に全裸となっていたが 
真紅に対する憎悪を燃やしながら二人の後を付けていた。 
「翠星石だってジュンと契約してるドールですのに・・・真紅ばっかりずるいですぅ・・・。」 
翠星石もジュンの事が大好きだった。確かに普段から良く罵倒しているが 
心の奥底では誰にも負けないと自負出来る程の愛を持っていた。 
それに、ルックスでも真紅には負けない自信もあった。真紅より背も高いし胸も大きくスタイルも良い。 
こんな自分が真紅に負けるはずは無い。そう信じていた。しかしジュンは翠星石を選ばなかった。 
別にジュン本人は翠星石を嫌ってはおらず、家族として接してはくれるが、真紅と比べた場合・・・ 
やはり見劣りはしてしまう。 
「もう真紅と決着を付けるしか無いですぅ。ジュンの童貞は翠星石の物ですよ。」 
真紅と翠星石は同じマスターを持つドール同士であり、この二人の対決はあり得ない。 
しかし翠星石はそのタブーを破っても真紅を倒し、ジュンの愛を手に入れる事を決意していた。 
「ふふふ・・・私が真紅を倒してどっちが上か分からせればジュンだって翠星石の魅力に気付くはずですぅ。 
そうすればジュンのあの可愛らしいオチンチンが翠星石の中に入ってズコバコと・・・ 
あああ! 考えるだけでもアソコが濡れてくるですぅ!」 
己がジュンとエッチする光景を想像するだけで翠星石の女性器から愛液が溢れ出ていた。 
それだけジュンを愛していると言う事になるのだが、ふと翠星石は身を屈め、四つんばいになって 
二人の後を追った。 
「おっと・・・見つかってはまずいですぅ。もっと近くまで忍び寄ってから一気に奇襲をかけた方が 
インパクトあるですぅ。」 
彼女の言う通り、遠くから襲い掛かるのではなく、二人に悟られないように接近して 
近距離から襲い掛かる作戦で翠星石は考えていた。が・・・その時突然何者かに尻を触られる感触を感じたのである。 
「ヒィ!」 
思わず声を上げてしまう翠星石だが、幸い二人には気づかれてはいない様子だった。 
だが、何者かはなおも翠星石の尻を触り、撫で続けていた。そして翠星石が後を向くと、 
そこには見ず知らずの男・・・のマネキンの姿があった。 
「お前何者ですぅ!?」 
「オマエ・・・ヒトリカ・・・。オレモ・・・ヒトリ・・・。」 
「え?」 
どういう構造なのかは分からないが、薔薇乙女同様に生命を持っていたマネキン男はカタコトで 
そう翠星石に問い掛け、そしてマネキン男は翠星石の手を引っ張った。 
「オマエ・・・オレトイッショニナル・・・。ソウスレバ・・・フタリニナル・・・。」 
「え!? 何ワケの分からない事言ってるですぅ! 私はあの二人に用があるですよ!」 
翠星石は必死にその場に踏ん張りながらジュンと真紅を指差していたが、マネキン男は構わず引き続けた。 
「アッチハモウフタリニナッテル・・・。デモオマエハヒトリ・・・オレモヒトリ・・・。 
オマエ・・・オレトイッショニナル・・・。ソシタラフタリニナル・・・コドモ・・・タクサンツクル・・・。」 
「やめるですぅ! キモチワルイ手で翠星石の柔肌に触れるなですぅ! やめるですぅ!」 
見かけ以上に力のあるマネキン男に翠星石は全く手も足も出ない。そのままお姫様抱っこされてしまった 
翠星石はマネキン男に抱かれながらいずこへと連れ去られてしまった。 
「ちょっと! 何処連れて行くですぅ!? 嫌! やめて! ジュン! ジューン!」 
「アッチハモウフタリニナッテル・・・。デモオレタチモモウフタリニナッタ。コドモタクサンツクル。」 
―――――――――――――――――――――――――
ジュンと真紅はお花畑の真ん中に来ていた。 
「ここが良いわね。風景も綺麗・・・。」 
真紅はジュンに近寄り、小さな手でゆっくりとジュンの男性器を持ち上げた。 
それだけでジュンの男性器はムクムクと勃起していく。 
「ウフフ・・・可愛い子ね・・・。」 
「あ・・・ああ・・・。」 
ジュンの男性器の先端の皮をゆっくりと剥き、剥き出しになった亀頭に口付けをする。 
それだけでジュンは震えた。いつもジュンを引っ叩いたりしている時とは打って変わって 
優しい愛撫。とても真紅は優しかった。その上真紅の人間の手とは違う小さく柔らかい手で 
男性器を撫でられるのだから、この上ない程くすぐったく気持ちが良かった。 
「ああ・・・真紅・・・。」 
真紅の小さく柔らかい右手がジュンの男根を優しく握り、左手が睾丸を転がし回す。 
さらに真紅のこれまた柔らかい唇が先端部分に優しく触れ、舌で嘗め回す。 
「どう? ジュン・・・気持ち良い?」 
「ああ・・・良いよ・・・良いよ真紅・・・。」 
気持ち良い。余りにも気持ちが良すぎる。もう気が狂ってしまう程の快感に襲われた。 
人間苦痛には耐えられても快楽に耐える事は出来ない。 
「うっ出る!」 
直後ジュンの男性器から濃い真っ白な精液が大砲のごとく真紅の顔面に撃ち込まれ、 
真紅の顔を真っ白に染め上げていた。 
「あ・・・真紅・・・ごめん・・・。」 
「謝る事は無いわ。フフフ・・・本当元気な子ね。」 
「でも・・・汚いんだよそれ・・・。」 
「何処が汚いの? だってジュンが出したのよ。」 
顔にもろに精液をぶっかけてしまったと言うのに真紅は怒らなかった。それどころか 
射精してなおますます勃起するジュンの男性器を、まるで母親が子供に良い子良い子するかのように 
優しく撫で回しているではないか。すると、ふと真紅は困った顔になった。 
「まったく・・・お父様を少しだけ憎みたくなってしまったわ。」 
「え? いきなり何で?」 
「だって・・・私のペッタンコな胸じゃジュンのオチンチンをパイズリしてあげる事出来ないでしょ? 
あ〜あ〜・・・私も水銀燈みたいなボン! キュッ! ボ〜ン! なドールに生まれたかったわ。」 
「(水銀燈か・・・。)」 
ふとジュンは水銀燈の裸と言うのを想像した。確かにドールズの長女である水銀燈は 
姉妹の中でも背が高いし、スタイルも良い。真紅が羨ましがる様なカラダである事は 
ジュンにとっても想像に難くなかったが、それ以上考えるのを止めた。 
水銀燈に現を抜かす事は真紅に対して失礼だと思ったし、何よりペッタンコの胸を 
一生懸命寄せて上げてジュンの男性器を挟もうとしている真紅が凄く可愛かったのだから・・・ 
「もう! んっ!」 
真紅は死に物狂いで小さな胸でジュンの男性器を挟もうとするがやはり挟めない。 
「やっぱり私はダメだわ・・・。こんな小さなオッパイじゃアリスになるどころかジュンだって 
満足させて上げられないわ・・・。」 
真紅の目に涙が浮かんでいた。それだけ必死だったのだろう。しかし、ジュンは優しく肩に手をおいた。 
「大丈夫だよ・・・。真紅の胸・・・可愛いよ。」 
ジュンは膝を付いて身を低くし、真紅の胸に優しく顔を埋めた。 
「あ・・・ジュン・・・くすぐったい・・・。」 
「小さくたって真紅は真紅だよ。真紅・・・。」 
ジュンは真紅のピンク色の乳首を優しく咥え、舌の先端で嘗め始めた。 
「やっ・・・ジュン・・・あっ・・・。」 
真紅は悶えていたが、何時もの様な平手打ちは飛んでこなかった。何だかんだで 
真紅も気持ちよかったのである。 
「いぃぃやぁぁぁ!! 助けてですぅぅ!! 真紅! ジュン! ジュゥゥン!!」 
「オマエマツ・・・オレトイッショニナル・・・フタリデコドモツクル・・・。」 
広大な草原を全裸で疾走する二人の人形の姿があった。一人は翠星石、もう一人は突然 
翠星石の前に現れ、強引に求婚しようとするマネキン男である。 
当然ジュンを真紅から奪い取る為に、何故か自動的に裸となるこの大自然の世界まで追って来たのだから、 
こんな所で何処の馬の骨とも分からぬマネキン男などと一緒になっていられるワケが無い。 
隙を見て翠星石は必死になって逃げた。もうこうなった以上真紅とジュンに見付かっても良い。 
本来の野望の事を悟られて攻められても良い。あんなマネキン男と結ばれる事に比べれば遥かにマシ。 
何でも良いから二人に助けてもらいたい。翠星石は二人の名を叫びながら死に物狂いで逃げた。 
「オマエマツ・・・オマエヒトリ・・・オレモヒトリ・・・オレトオマエイッショニナル・・・。」 
「嫌ぁぁぁ!! 真紅! ジュン! 誰か・・・誰か助けてですうぅぅぅ!」 
翠星石の目からは涙が滝のように流れ出し、辺りに飛び散り、水銀燈程では無いにしても 
それでも真紅に比べれば一回りも二回りも大きな胸がまるで千切れ飛んでしまってもおかしくない程 
激しく揺らしながら必死になって逃げた。誰だって無理矢理やらされるのは嫌だ。 
しかしマネキン男も必死なようで後からなおも追い駆けてくる。 
「真紅! ジュン! 何処にいるですか!? 誰か・・・誰か助けてですぅぅ!」 
翠星石は逃げながらも辺りを見回し真紅とジュンを探していたが見付からなかった。 
それもそう。何故ならマネキン男によって無理矢理別の場所へ連れさられた時点で 
二人のいる方角を見失ってしまい、全く正反対の方角に向けて走っていたのである。 
「何処・・・何処にいるですか!? 早く助けてですぅ・・・早く・・・誰か・・・。」 
どんどん翠星石の体力が無くなっていく。それに対しマネキン男のスピードは落ちない。 
都会での暮らしに慣れてしまった翠星石と、恐らくこの世界で長い間生きてきたと思われる 
マネキン男の体力の差が圧倒的に現れていた。そして翠星石が息切れを付くと共に 
瞬く間に追いついたマネキン男が後ろから翠星石の乳房をがっしりと掴み、 
その場に押し倒していた。 
「ヤットツカマエタ・・・。モウオトナシクスル・・・フタリデコドモツクル・・・。」 
「嫌ぁ!! 嫌ぁぁぁ!! 汚い手で触るなですぅ!」 
翠星石は全身をばたつかせながら必死に抵抗するがマネキン男との体力差は絶望的。 
あっさり押さえ込まれてしまった。 
「コレデオレトオマエ・・・フタリニナッタ・・・イッショニコドモツクル・・・。」 
「い・・・いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」 
マネキン男の股間にはジュンのそれを遥かに上回る程にまで巨大な男性器がそそり立っていた。 
翠星石の目にはそれは自分の身体を内側から切り裂き破壊する怪物に見えたに違いない。 
―――――――――――――――――――――――――
「ジュン・・・ジュン・・・。」 
「真紅・・・。」 
ジュンと真紅は広大に広がる花畑の真ん中で抱き合った。 
今の二人に主人も下僕も無い。一人の男として・・・女として愛し合うのみ。 
「ジュンの体・・・あったかい・・・。」 
「真紅だって・・・とっても柔らかい・・・。もう人形って事さえ忘れてしまうくらいだよ・・・。」 
ジュンが真紅を抱っこする事そのものはこれまでにも沢山あった。しかし、このように 
裸で抱き合うなどと言う事は初めてでは無かろうか。己の身体の一切の保護を排除し、 
肌と肌で触れ合う二人には今まで感じた事の無い温かさと柔らかさが感じられた。 
「それじゃ・・・行くよ・・・。」 
「いいわ・・・来なさい・・・。」 
ジュンは真紅の脚をゆっくりと広げ、既に濡れていた女性器に己の固く勃起した男性器を近付ける。 
「真紅・・・怖くないか?」 
「それはどうして?」 
「いや・・・だって・・・。」 
ジュンと真紅の体格差に比例して男性器と女性器のサイズ比も明らかにジュンのそれの方が大きい。 
でありながら挿入すると言うのだから少々怖がっても仕方ないと思えたが、真紅に恐怖の色は無かった。 
「だってジュンのオチンチンなのよ。それとも何? まだ私を抱く度胸が無いと言うの?」 
「わ・・・分かった! 分かったよ! えいっ!」 
ジュンは力を込めて男性器を真紅の女性器へ向けて押し込んだ。 
「痛ぁ!」 
真紅は叫んだ。処女を失う事がここまで痛い事とは知らなかったのだろう。 
しかしあわてて抜こうとするジュンに対し涙を流しながら引き止めた。 
「真紅・・・そんなの痛いのか?」 
「だ・・・大丈夫・・・大丈夫だから・・・続けて頂戴・・・。ジュンと一緒なら・・・痛くても我慢出来るわ・・・。」 
「真紅・・・。」 
ジュンは真紅の身体を気遣いながらゆっくり腰を動かした。そうやって徐々に繋がりを慣らしながら 
スピードを上げていく。そうやって次第に二人は一緒になって腰を激しく動かしていた。 
「あっあっあっ! ジュン・・・凄い・・・。」 
「真紅・・・真紅ぅ!」 
互いの名を呼び合う二人、大自然と一体となった二人の愛が育まれていく・・・ 
そしてジュンは感じた。射精が近い事を。 
「真紅・・・出るよ・・・もう出るよ。」 
「良いわ・・・来なさい・・・私の中に出して・・・ジュンのそれを・・・出して・・・。」 
「ああああああああああああ!!」 
こうして二人は美しい自然の中で結ばれた。真紅の膣内に流し込まれたジュンの精液は 
接合面から溢れ出ていたが、二人は構わず、繋がったまま抱き合っていた。 
「真紅・・・愛してるよ・・・。」 
「ジュン・・・私もよ・・・。」 
ジュンと真紅がよろしくやってた頃、こちらでも新たなカップルが誕生しつつあった。 
「嫌ぁ! 嫌ですぅ!」 
「オレタチ・・・フタリ・・・イッショニ・・・ナル・・・。」 
マネキン男は翠星石をうつ伏せに倒し、柔らかく丸々とした尻を持ち上げて己の腰に近付けた。 
ジュンと真紅は正常位によるセックスを行ったが、こちらのカップルでは後背位で行く様子であった。 
「嫌ぁ! そんなケダモノみたいなやりかた嫌ですぅ!」 
翠星石は泣き叫びながら必死に尻を振って抵抗した。ただでさえマネキン男と無理矢理 
セックスさせられるだけでも嫌だと言うのに、動物の交尾と同じ後背位でやるなど 
誇り高きローゼンメイデンとしてのプライドが許さない。しかし、力はマネキン男の方が遥か上。 
がっちりと翠星石の尻を掴んで固定し、そこからさらに排泄行為をするわけでも無いのに 
何故か形だけは正確に作られていた菊門に指を差し込んで見せる余裕を見せ付けた。 
「嫌ぁぁ! お尻・・・お尻触るなですぅ!」 
「オマエ・・・カワイイ・・・オレトイッショニナル・・・。」 
翠星石がどんなに叫び、もがこうともマネキン男の前では空しいだけ。 
そしてついにマネキン男の固く長く勃起した男性器が翠星石の菊門の下の女性器に向けられた。 
「ああ! だ・・・ダメですぅ! そんなバカでかいの入るかですぅ!」 
しかしマネキン男はかまわずぐいぐいと男性器を女性器に押し付けていく。そうするとどうだろうか。 
閉じられていた翠星石の女性器が徐々に広がって行き、ついには男性器を受け入れつつあった。 
「だ・・・ダメですぅ! そんなバカでかいの入ったら翠星石のあそこが裂けちまうですぅ!」 
だがもう遅い。マネキン男の男性器は翠星石の処女膜を貫き、奥にまで潜り込んでいた。 
もはや子宮にまで届いていてもおかしくない程・・・ 
「い! あああああああああ!!」 
「オマエノナカ・・・アッタカイ・・・。」 
人形師ローゼンによって作られて数百年。初めてのセックスの味は翠星石にとって激痛そのものだった。 
無理も無い。二つ下の妹は好きな相手と存分に愛し合う事が出来たと言うのに自分はどうか。 
何処の馬の骨とも分からぬ男に強引に犯されてしまった。これ程無様な物は無い。 
「痛い! 痛い! 痛いですぅ!」 
「イイ! イイ! オマエイイ!」 
翠星石は泣き叫び、マネキン男は激しく腰を動かし続けた。 
マネキン男が突けば突く程翠星石の腰も激しく動き、二つの乳房も上下左右に揺さぶられる。 
「嫌ぁぁ! 真紅! ジュン! 助けてですぅ!」 
「コレデオレトオマエハイッショ・・・フタリデコドモタクサンツクル・・・。」 
「あああああああああああああ!!」 
マネキン男の男性器から大砲のごとく放たれた大量の精液が翠星石の膣内にぶちまけられ、 
余りの勢いに翠星石はイクと同時にペットボトルロケットのごとく吹っ飛んでしまった。 
ジュンと真紅は桜田邸に帰ってきた。 
「さっきまでずっと裸だったから今度は逆に服に違和感を感じてしまうな〜。」 
「ふふ・・・そうね。」 
今の状態の方が本来の姿であるのに、あの世界の裸の状態が懐かしく思えてくる。 
それだけ二人にとってこの体験は掛け替えの無い物であった事は想像に難くない。 
「ま・・・またあっちに行くってのも悪くないな・・・。」 
「そうね・・・。」 
二人は互いを見詰めあいながら微笑んだ。 
「ねぇジュン・・・。」 
「何だ真紅?」 
「もしこのまあ私がジュンの赤ちゃんを身篭ったりしたら・・・貴方どうする?」 
「そんなワケ無いだろ。だってお前人形じゃないか。」 
「フフフ・・・そうね・・・。」 
真紅はふと目を閉じた後、再びジュンを見上げて言った。 
「それじゃあジュン・・・喉が渇いたわ。紅茶を淹れて頂戴。」 
「ハイハイ分かったよ。」 
「ハイは一度まででしょ?」 
そうしてジュンは台所に行ったが、真紅はジュンの背中を優しい目で見つめながら 
自分の下腹の辺りを優しく撫で回した。 
翠星石はマネキン男に抱かれていた。 
「う・・・う・・・何で・・・何で翠星石だけがこんな目に・・・。」 
翠星石は泣いた。もう処女も薔薇乙女のプライドも何もかもマネキン男によって壊されたのだから。 
「オレ・・・イママデズット・・・ココデヒトリデクラシテキタ・・・。ココハトテモヘイワ・・・ 
タベモノモイッパイアルシ・・・アタタカイシ・・・テキモイナイ・・・ココハラクエン・・・ 
デモオレズットヒトリダッタ・・・サビシカッタ・・・デモモウダイジョウブ・・・ 
オマエガイル・・・オマエモココデクラス・・・オレトオマエイッショ・・・サビシクナイ・・・。」 
「そ・・・そんなの嫌ですぅ! こんな所でお前なんかと二人っきりなんて嫌ですよ! 
だから・・・もっと賑やかになる様に沢山子供産んでやるです! べ・・・別にお前が可哀想に思えてきたとか 
そんなんじゃないですよ! こんな所で二人っきりなんて死んでもごめんだと思ったからですぅ!」 
翠星石は桜田邸に帰る事も、再び翠色のドレスに身を包む事も無かった。 
この裸の世界に残り、マネキン男と共に暮らし、子を産み・・・育て・・・そして骨を埋める道を選んだのである。 
                     おわり 




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