ん〜ん、いい天気ですぅ。ジュンの新しい門出を祝うには、うってつけです。 
 それなのに、なんでのんびり朝寝坊を決め込みやがりますか、このチビ人間は。 
 ほらっ、とっとと起きやがれですっ! 
『ユサユサ……ユサユサユサッ!』 
 はぁ、しょうがないですぅ。奥の手を使うです。 
 この『えむぴーすりーめざましどけい』に吹き込んだ『起きろったら音頭』を聞けば、 
一発でチビ人間が目を覚ます事間違いなしです。ここをこうして……っと! 

 ♪おっきろーおっきろーおっきろーおっきろー 
   おっきろーおっきろー おきろったら! ですぅ 
  おっきろーおっきろーおっきろーおっきろー 
   おっきろーおっきろー 寝ぼけてるひまはない! ですぅ 

 ――あ、起きたです。効果てきめ……きゃあっ! 
 何するですか、枕なんぞを投げやがって! 翠星石が潰れたらどうするですかっ! 
『ブンッ! ゴスッ! バタッ!』 
 きゃああああっ! こ、こらチビ人間起きろですっ! せっかく起きたのに寝るなです 
っ! というか、永眠しないで、ですううううっ! 

 遅いわよジュン……どうしたの、顔面が変な形に腫れ上がっているわよ? 
 早く席について。のりが作ってくれた朝食を食べなさい。 
『ペシッ!』 
 行儀が悪いわよ。ちゃんと「いただきます」とおっしゃい。 
 ――え? スープがぬるい? 
『ペシッ!』 
 自業自得よ。寝坊してきた分際で、偉そうな事を言わないで頂戴。 
『ペシッ!』 
 ズルズル、クチャクチャと音を立てないで頂戴! もっと上品に食事をなさい。 
『ペシッ!』 
 ジュン、「ごちそうさまでした」は? ――ん、よく言えました。 
 あ、えっと……ジュン、なかなか似合うわよ、その新しい『せいふく』は。 

 あ、ジュン君おはよう。ジュン君、今日から『がっこう』だよね? 今、僕と雛苺でジ 
ュン君の靴を磨いていたところなんだ。ほら、見て。 
 あ、そっちは雛苺が……あははは、ごめん。僕が磨き直すよ――これで良いかな? 
 ――ジュン君、顔が真っ青だよ? ひょっとして、『がっこう』に行くのが、怖いの? 
『ぎゅっ』 
 ――大丈夫。ジュン君は、もう1人で歩けるんだから。さぁ、靴を履いて。 
 もしも不安になったら、しゃがみこんでいい。振り返ってもいい。皆、ジュン君の事を 
見守っているから。お姉さんも、柏葉さんも、真紅も、翠星石も、雛苺も――もちろん僕も。 
 ジュン君は、決してひとりぼっちじゃないよ? だから、安心して。 
 元気、出た? ――そう、良かった。 
 ――え? 翠星石が? あ、あははは……よく言っとくよ。 
 うん、いってらっしゃい! 

終わり 

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