雛苺 「あ〜ん真紅ぅ!! 翠星石がヒナの絵に落書きしたの〜〜!!」
翠星石「落書きとは失礼です! ヘタクソな絵をちったぁマシにしてやったですのに」
真紅 「どっちもどっちだわ」
ジュン「あ〜うるさい!!! 遊ぶなら下でやれよなチビ共!」
雛苺 「うりゅ……怒られたぁ」
翠星石「チビ人間は細かい事でいちいちウルサイですぅ。部屋の一つや二つ黙って貸すがいいです」
ジュン「ここは僕の部屋だ。お前らの居るべき場所は下」
翠星石「真紅ぅ〜、学校サボリまくりのひきこもりが何か偉そうですぅ…」
ジュン「なっ……にぃ!? もういっぺんいってみろこの性悪人形!!」
翠星石「ジュンこそ、部屋で引きこもってないで、学生が居るべき場所に、学校行ったらどうですかぁ?」
ジュン「ぼ…僕には必要ないんだよ。わかったらさっさと部屋から出てけよ!」
翠星石「べ〜〜ですっ! さっさと学校いっちまって、部屋を翠星石に明け渡すがいいですぅ」
雛苺 「翠星石、ジュンが学校に行って欲しいのぉ?」
翠星石「あたりめーですぅ。口うるさいのが居なくなれば、きっと清々するですぅ」
雛苺 「ヒナはやだなぁ……ジュンが学校行っちゃったら、ジュンと遊ぶ時間無くなっちゃうもん…」
翠星石「ば、バカ言うなですぅ。たかが学校くらいで、そんな……」
真紅 「そうね、雛苺の言うとおりになるかも知れないわね」
翠星石「……ぇ」
真紅 「日本の学生というのは忙しいらしいわ。学校で勉強して、家でも勉強して、休む暇も無いって話だけど…」
真紅 「私達ドールを構う暇なんて、当然無くなるでしょうね」
雛苺 「ヒナそんなのやだあぁ〜! 翠星石も、やだよねぇ?」
翠星石「え…す、翠星石は…………翠星石は…」
雛苺 「ジュン〜〜! 学校なんか行っちゃやだああぁ〜〜〜!!」
ジュン「うわっ!? お前ら、まだいたのか?」
真紅 「あらジュン、机に教科書なんか広げてお勉強? まだ学校へ多少の未練はあったようね」
翠星石「――っ!?」
ジュン「ち、違う! これはその……ただの暇潰しだ」
翠星石「…学校、行っちゃうですか?」
ジュン「行かないっていってるだろ」
翠星石「じゃあ、じゃあっ……こんなもの、いらないですぅ!!!」
ジュン「な――っ!? な、何捨ててるんだよバカ人形!!」
翠星石「学校行かないなら、こんなもの必要無いはずですぅ!」
翠星石「お、お前は、いつもみたいに…この部屋にずっと、ずっと居た方が………お似合いですぅ」
ジュン「な、何だよそれ…」
真紅 「……ふふ」
雛苺 「やっぱり翠星石もジュンと一緒がいいんだ――!」
翠星石「ななな何いってやがるですかこのバカチビ〜〜!!」
翠星石「す、翠星石は別に……お、おちょくる相手が居ないとサビし…じゃなくて! …張り合いが無いだけで……」
ジュン「……お前ら」
真紅 「居場所があるのは良いことだわ」
ジュン「……」
真紅 「いつでも迎えてくれる人がいるのだから、焦る事はないわ。一歩ずつ進んでいきなさいな」
ジュン「…そうだな」
一歩ずつ、ゆっくりいけばいい。
皆が迎えてくれる、この部屋から…。
ジュン「一歩ずつ、ゆっくり……よーし、まずは…」
ジュン「勉強は明日にして、今日は遊ぶぜ―――っ!!」
桜田ジュン 欠席