朝起きたら体の調子がすごく良かった
こんな気分が晴れやかで気持ち良い朝は初めて
今日は週に一度の検査の日、それを考えると少し気分が曇る
でも今日はなんだかお医者さんの様子が違う、検査が進むたびに驚いてる
いつもより早く検査が終わってちょっぴり嬉しい
病室に戻ってきたらお母さんが泣いていた
「めぐちゃん…本当に良かった…」
何が良かったのかよくわからなかった
なにが良かったの?と聞くと…
「退院出来るのよ」っと言われた
なにがなんだか余計にわからなくなった
なんで退院出来るの?私の病気は直らないんじゃなかったの?疑問がわくけどここはなにもいわなかった
「でも今すぐという訳じゃないの、もうしばらく入院は続くけどね」
嬉しそうなお母さん…嘘じゃないみたい
お昼になってお父さんも来た、目が赤い…泣いてたみたい
「めぐ…退院したらいろんな所に行こうな、今までの分を楽しもうな」
お父さんに聞いた、私なんで退院できるの?っと
「医者の言う事じゃ、今日の検査で病気の完治が見受けられたそうだ、
詳しくは医者の人達もよくわからないみたいだ、
急に完治などあり得ないのに、奇跡としか言いようがないと」
私の病気が治った?五歳まで七歳まで十歳までと言われてた私の病気が?
お父さんは仕事があるとそのまま帰ってしまった一人病室に残された私
なんで急に治ったのだろう…?でも本当に治ったのなら嬉しい
そうだ水銀燈にも教えてあげよう、喜んでくれるかな?
ー数日後ー
最近水銀燈こないなぁ…「コンコン…」
?、誰だろう?どうぞと言うと
「おっお邪魔します…」
見知らぬ男の子が入ってきた、といっても病院内しか知らない私には知り合いは多くないけど
「どちら様ですか?」
「あっと…初めまして、ぼっ僕は桜田ジュンです」
「私は柿崎めぐ、私に何か用ですか?」
「柿崎さん、水銀燈って知ってますか?」
「!水銀燈を知ってるの?!」
「やっぱりか、あいつから手紙を預かったんだ、
今から168時間(一週間)たったら病院のめぐって子に渡せって」
手紙?あの子が私に?
受け取って手紙を開ける、そこには上手とは言えない字でこう書いてあった
めぐ、この手紙をあなたが読んでる時は、あなたの病気が治ってると思うわ、
それと私は、あなたにしばらく会ってないはずよ、だけど私はもうあなたと会えないの
この手紙をめぐが読んでる時、私はもう只の人形になってしまっているはずだから
私の命…ローザミスティカをめぐに使えば、めぐの病気は治るの、
だから私は使ったの、あなたの幸せの為に
ごめんなさい、あなたは嫌がると思いこの事を黙ってたの、許して頂戴
大丈夫、私は消えた訳じゃないわ、
めぐが私を忘れない限り私は消えないから、ずっと一緒だから
「手紙にはなんて書いて…いやごめん僕は知る必要はないか
じゃあ手紙はたしかに渡したから、それじゃ」
「あっ…手紙…持ってきてくれてありがとう」
彼はどういたしましてと言いそのまま行ってしまった
彼が出ていったあと堪えてた涙が一気に流れ出した
私は泣いた、死ぬと言われた時も悲しく無かったのに……
ありがとう水銀燈、あなたはやっぱり天使だったわ