■前スレ 便所編の続き
学校から家に帰ると、家の前に人形が立っていた。
トイレに流したはずの真紅だ・・・
「おかえりなさい。学校にいって来たようね」
真紅はやさしく話しかけてきた。
「し、真紅・・・昨日はゴメン・・・」
僕は冷や汗をかきつつ、必死に謝る。
「・・・もう、いいのだわ。私も忘れてしまいたいし」
誇り高い薔薇乙女にとってウ○コまみれになったのは屈辱だろう。
「あの部屋は人間が排泄行為をする場所のようね、しらなかったわ」
ずっとそこで暮らしてたんだけどな。
「ジュンの恥ずかしいところも見てしまったし、お互い様ということで忘れてあげるのだわ」
ありがとう・・・正直会いたくなかったけど・・・
「いつまでも立ち話しても仕方がないのだわ、中に入りましょう」
真紅は微笑みながら抱っこしてちょうだいポーズをとる。
僕は真紅を抱き上げた。
「くさっ!!!!」
抱き上げた途端、強烈な異臭が鼻をつき真紅を放り出してしまう。
真紅は明らかに傷ついていた、うつむきながらドレスのホコリをポンポンと払う。
「私はもういらない人形なのかしら?」
目に光って見えるのは涙だろうか。
「ち、違うんだ!!ちょっと臭いがきつかったからさ!・・・ちょっと待ってて!」
僕は家の中に飛び込むとファブリーズを持って引き返した。
「真紅!これをかければ・・・真紅?」
真紅は居なくなっていた、臭いが抜けたら戻ってきてね。
制服が臭くなったので次の日から学校いくのはやめた。
「ジュン、紅茶を私の部屋に持ってきてちょうだい」
僕は紅茶を淹れてトイレに運ぶ。
「ジュン、ご苦労様。そこのテーブルに置いておいて」
僕は紅茶を便座の蓋の上に置く。
最初に会った時に説明しなかった僕が悪いんだ。
初めてトイレに入った真紅は芳香剤の匂いと落ち着いた色の壁紙がすっかり気に入ってしまった。
真紅はトイレを自分の部屋に決めてそこで生活するようになった。
幸いにも僕の家には一階と二階にトイレがあるから不自由はないが
トイレで紅茶を飲み、トイレで眠り、トイレでシャワーを浴びるのは問題がある。
いつかは真紅に本当のことを説明しなければならない。
ある晩、僕は腹痛で目を覚ました。
グキュ〜〜キュルル〜〜グリュリュ〜
もう間に合わない!真紅には申し訳ないが二階のトイレを使わせてもらおう。
僕はトイレに駆け込むと床に置いてあるトランクを踏まないように便座にすわる。
ブビッ!ブビビビビッ!ブビビッ!ブピピピ!プシュ〜〜!
ふ〜快感!!食べ過ぎた夕食の中身を全部はき出してしまい、腹内のガスもついでに出す。
そういえばトイレの電気つけっぱなしだった、いつも閉まってる便座の蓋が開いてたな・・・
「・・・なのだわ」
僕のお尻の下からくぐもった声が聞こえてきた。
どうやら真紅は夜中に水風呂につかって涼を楽しんでいたらしい。
僕は黙って尻を拭き、トイレを流した。
背後の人形の悲鳴を聞きながら明日から学校に行こうと決心した。